「Apple Music」「Spotify」「LINE MUSIC」「AWA」といった定額制音楽配信サービスが普及し、たくさんの人に利用されるようになりました。
低価格で、さまざまな楽曲を聴くことができるこれらのサービスを「ぜひ店舗BGMとして使用したい!」という店舗経営者は多いのではないでしょうか。
しかし、これらの個人向け音楽配信サービスを店舗BGMとして使用することは、著作権法に違反することにならないのでしょうか?
今回は、今話題となっている音楽配信サービスを、店舗BGMに使用するときの注意点を紹介します。
注目されている定額音楽配信サービス
低価格で、さまざまな楽曲を聴くことができ、身近な存在となってきた音楽配信サービス。どのようなものがあるのか、よく知らない方も多いのではないでしょうか?
▼ 1:Apple Music
■公式サイト:Apple Music
約9,000万曲と30,000プレイリストがすべてフルコーラスで聴き放題。楽曲の多さは、数ある音楽配信サービスの中でもかなり多い数を誇っています。また、オリジナルのPodcast(ラジオ)コンテンツも豊富です。
価格 | 個人向けプラン(980円)・家族向けプラン(1,480円) |
楽曲数 | 9,000万曲 |
音質 | 256kbps |
対応デバイス | iOS端末・Android端末・PC版あり |
▼ 2:Spotify
■公式サイト:Spotify
月間アクティブユーザー数は3億8,100万人、有料会員数は1億7,200万人を超えている世界最大手の音楽配信サービス。約7,000万曲の音楽を、広告なしで聴けるプレミアム版か、数曲聴くごとに広告が入る無料版のどちらかで楽しむことができます。
価格 | 有料プラン(980円)・無料プラン |
楽曲数 | 7,000万曲 |
音質 | 最大で320kbit/s、最低で96kbit/s |
対応デバイス | iOS端末・Android端末・PC版あり |
▼ 3:LINE MUSIC
■公式サイト:LINE MUSIC
新曲を含めたさまざまなジャンルの8,900万曲以上の楽曲を、好きなだけ聴くことができます。各曲30秒まで聴けるフリープランと、聴き放題のプレミアムプランの2つがあります。プレミアムプランでは、プロフィールBGM設定やLINE着うた®の設定など、LINEと連携した機能が特徴です。
価格 | フリープラン・プレミアムプラン(月額980円 / 学割480円) |
楽曲数 | 8,900万曲 |
音質 | 64kbps・128kbps・320kbps ※自動判別機能あり |
対応デバイス | iOS端末・Android端末・PC版(Web版)あり |
▼ 4:AWA
■公式サイト:AWA
登録なしですぐに利用することができる音楽配信サービスです。自分がつくったプレイリストを公開して楽しむこともできます。無料で使用することができるFreeプラン、すべての機能を制限なしで使用できるStandardプランがあります。
価格 | Freeプラン(無料)・Standardプラン(月額980円 / 学生480円) |
楽曲数 | 9,500万曲 |
音質 | 64kbps・96kbps・128kbps・320kbps(Wi-Fi接続時のみ) |
対応デバイス | iOS端末・Android端末・PCあり |
店舗での音楽使用、著作権が厳しくなる?
2015年6月9日、JASRACがBGMを使用している258施設に、民事調停を全国の簡易裁判所に申し立てるという行動を起こしました。
”BGMの著作権管理については、管理開始以降、継続して取り組んでいますが、繰り返しの催告にもかかわらず、手続きに応じない施設に対し民事調停の申立てを行いました。今年度は、6月と7月を「BGM手続き推進月間」と定め、日本BGM協会及び全国有線音楽放送協会と共同で、お店などの施設がBGMを適法に利用するための活動を推進してまいります。”
─引用:プレスリリース/BGMを利用する全国258施設(171事業者)を一斉に法的措
こうした動きからも、店舗でのBGMに対する監視が強まる可能性があります。
先に挙げた音楽配信サービスを店舗BGMとして使用するとき、著作権法に違反しないためには、どのような対策をとればよいのでしょうか?
今回紹介した音楽配信サービスは店舗BGMとして使えない
多種多様な音楽を楽しむことができる音楽配信サービス。しかし、これらのサービスを店舗BGMとして使用することはできません。
上記で紹介した音楽配信サービスは、個人利用のみに限定されており商用利用は禁じられているのです。
他にも同様の音楽配信サービスは存在しますが、もし店舗BGMとして使えるか悩んだ際には、利用規約をよく読み、必要であれば運営会社に問い合わせて確認することが重要です。
CDを使用する際にはJASRACにBGM使用の申請をする
自分で購入したCDであれば、店舗BGMとして使用することは可能です。
しかし、その場合はJASRACに申請をおこない、使用料を支払う必要があります。
手続きの流れは、まず申請書を公式サイト上でダウンロードする、または担当支部に連絡して郵送してもらうかのどちらかの方法で手に入れます。必要事項を記載した申請書を、FAX、郵送、窓口のいずれかで提出したあと、許諾書と請求書が送られ、それに従って使用料を支払うとステッカーが交付されます。
このステッカーを店頭に貼っておくことで、利用許諾契約を締結している契約店であるということを証明できるようになります。
店舗向けのBGMサービスなら、著作権使用料を支払う必要がない
著作権使用料は店舗の面積にもよって変わりますが、年額6,000〜50,000円を支払う必要があります。「自分で買ったCDしか流せない上に、JASRACに著作権使用料を払うなんて…」と感じる方もいるのではないでしょうか。
そんな店舗経営者の方は、店舗向けのBGM配信サービスを使用してみてはいかがでしょうか?
個人向けの音楽配信サービスと違い、店舗向けのBGM配信サービスなら、サービス利用料金に著作権使用料も含まれているため、JASRACに改めて申請する必要はありません。
最近では、低価格で利用できるBGM配信サービスもあります。気になった店舗経営者の方は、ぜひチェックしてみては?