美容師の抱える大きな悩みといえば、「手荒れ」。
「アシスタントとしてほとんどのお客さんのシャンプーを担当している」「シャンプー時は手袋をしたいけれど、正直洗いにくくてしていない」という美容師さんは多いのでは?
美容師が手荒れの悩みを抱えてしまうのは、職業柄もあり仕方のないことではあるのですが、放っておくと仕事を続けることができなくなるくらい悪化してしまうことも。
程度の大小はあれど、美容師さんのほとんどは、仕事を頑張りつつ日々やっかいな手荒れと戦っているはず。せっかく手に職をつけて、なりたいと思って目指した美容師の仕事。手荒れが原因でやめなくてはいけなくなるのは嫌ですよね。
ただし、手荒れを完全に防ぐことは難しくても、少しの予防につながったり、ケアで症状を和らげたりすることはできるはず。手荒れについて知識をつけて、その予防策やケアの仕方を知ることで、今後も美容師として活躍できるよう、商売道具である手をいたわっていきましょう。
放置は危険!美容師の手荒れの原因を知ろう
美容師が仕事を辞める理由の大きなひとつでもあり、業務上どうしても避けられない手荒れ。では、美容師の手荒れには具体的にどのような原因があるのかというと……
▼ シャンプーの回数が多い
1日に何十人ものお客さんを相手にする美容師ならではのことですが、シャンプーの回数の多さは手荒れをもたらす大きな原因の一つです。何度も手を水に濡らす、シャンプーをつけることで手に必要な皮脂や水分まで流れてしまい、結果ひどい手荒れにつながってしまいます。
▼ パーマやカラーの薬品をあつかう
パーマやカラー液をあつかう際は必ず手袋をするとは思いますが、手袋から薬剤が染みてしまったり、腕の部分についてしまったりして、肌が薬品負けしてしまうことがあります。それが重なると、手や腕全体が荒れてしまう原因に。
▼ 手荒れが起きても保護しにくい
お客様の大切な髪をあつかう美容師の仕事。どうしても素手で作業しなければいけない場合がありますよね。手荒れが起きていても包帯や絆創膏すらなかなかできずに、荒れた部分を保護しにくいということは、手荒れが悪化する原因です。
手荒れ予防はどうしてる?ハンドクリーム以外にもしっかりケア!
職業病として仕方のない手荒れですが、ケアをすることで多少症状はおさえることができますし、日々の丁寧なケアで改善に向かっていく場合もあります。まずはこんなケアを試してみてはいかがでしょうか。
▼ ハンドクリームの成分をチェック
美容師にとって肌身離せない存在であるハンドクリームですが、その二大有効成分をご存知ですか?この成分を知っていると、ハンドクリーム選びにとっても役立ちます。その二大有効成分とはズバリ、「ワセリン」と「尿素」です。
「ワセリン」は油分がベースなので、肌に塗るとベールのようになり、肌から水分が逃げてしまうのを防いでくれます。また、油分のベールはシャンプーやカラー剤、パーマ液の刺激から肌を守ってくれるという働きもあります。
「尿素」には、保湿効果があり、乾燥しているところに水分をいき渡らせて肌に潤いを与えてくれます。乾燥して固くなった肌の角質層をやわらかく潤った状態にしてくれるので、皮膚を正常な状態へと導いてくれます。
▼ ハンドクリームを効果的につかおう
ただハンドクリームをこまめに塗るだけでは、手荒れ対策としては不十分です。プラスアルファのケアをすることで、ハンドクリームの効果を高めましょう。例えば、寝る前にハンドクリームをたっぷりと塗り、その上から綿でできた手袋をして眠ることで、寝ている間に皮膚の状態を修復してくれますし、保湿効果が高まってかゆみや湿疹といった手荒れの症状が和らぎます。
▼ 爪の生え際はしっかり保湿
とくに荒れがひどくなる爪の生え際。痛みもとても感じやすい部分ですよね。生え際にはハンドクリームやオイル系のものをしっかり塗り込むことが大切です。指先は特に仕事で酷使しますし、水に一番触れるところですから、この部分の保湿は一番念入りにする必要があります。
▼ 包帯や低刺激の絆創膏で守ろう
手荒れがひどくなる前に、患部を包帯や刺激の低い絆創膏でしっかりと保護してあげることはとても大切です。傷口を水にさらしたままであったり、そのまま放っておいてよくなることはありませんよね。大切なのは可能な限り水や空気、そのほかの刺激から手を守ってあげること。休みの日はしっかり包帯と絆創膏で保護してあげましょう。
このままではいけない!皮膚科には早めに行こう
ハンドクリームを塗ったりオイルを塗り込んだりして、なんとかやり過ごしているという美容師さんはとても多いでしょう。しかし、それでもひび割れや膿が治らず悩んでいる方もきっといるはず。正直、ハンドクリームやオイルだけではひどい手荒れに太刀打ちできない場合があります。そんなときは、早急に皮膚科で症状を診てもらい、症状に合った薬を処方してもらうことが必要不可欠です。
市販で売られているものよりも、皮膚科で処方してもらう薬の方が症状に合ったものですし、お医者さんに診てもらうことで仕事とのバランスやケアの方法などいろいろと相談に乗ってもらえます。ひび割れがどうしても治らず、シャンプーの度に指先に痛みが走っている、患部の膿が治らずはさみが握れないほど痛みがある、手だけでなく腕にまで荒れた状態が広がってきたなど、仕事に支障が出ている方はすぐに皮膚科で診察を受けてください。
ここまで深刻化していなくても、手荒れがハンドクリームでは対処できなくなってきていて、これからひどくなる恐れがある方も、皮膚科で早めの手荒れ対策をとると良いでしょう。早めの対策は、手荒れの悪化を防ぐだけでなく、手荒れに悩まずに済むくらいまで症状を回復できる可能性も高まります。手荒れに悩み始めたら早めに皮膚科へ。そうすることで、安心して仕事ができるようになりますよ。
まとめ
職業柄、どうしても避けることが難しい手荒れ。手荒れの悪化が原因で美容師の仕事を辞めざるを得ないというケースは意外に多くみられますから、美容師の職業病として上手につきあっていくことが必要です。まずはひどくなる前にしっかりと手の保湿・ケアを行うことが大切。寝る時は特別なケアをしてしっかりと手をいたわりましょう。
そして、ひどくなってしまったらすぐに皮膚科へ。専門医に症状に合った薬を処方してもらうことで、手荒れの悩みから少しでも解放され、仕事を充実させていきましょう!