7月、8月は学校や会社で長期休暇に入る方が増える季節。長期休暇といえば、お子さんを連れた方々が外出される機会が増える時期でもあります。
しかし、「家族で食事を楽しみたい」という思いからお子さんを連れて飲食店に訪れたお客様に対し、店舗の設備が整っていなかったことから不便をかけてしまった……という苦い経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に小さなお子さんを連れて外出をするお客様は、「怪我をしてしまわないか」、「泣き出して周りの人に迷惑をかけてしまわないか」といった不安を抱えていることも。そんなお客様に対し、ていねいな対応ができる店舗は、お客様から好印象を持たれることでしょう。
今回はそんな親子連れのお客様に対し、店舗ができる取り組みを飲食店・サロンごとに紹介します。
飲食店ができること
まずはお子さんと一緒に来店されたお客様にも優しい環境を整えることから始めましょう。環境が整えられた店舗は、お客様に「配慮が行き届いている」という印象を持っていただけるはず。
店舗のホームページに一言書いておく
お子さんのいらっしゃるお客様の中には「今日は子どもと一緒に外食でもしようかな」と考えたとき、お子さんと一緒に行けるお店をインターネットでリサーチされる方もいらっしゃいます。そんな時、店舗のホームページや飲食店検索サイトに「お子様と一緒にご来店いただけます」と一言書いておけば、お客様がお店を選ぶ際の決め手となることでしょう。
予約時の確認
店舗へ予約の電話があった時、前もって大人と子どもが何人いらっしゃるのかを聞いておきましょう。小さなお子さんを連れたお客様の多くは、ベビーカーで来店されるため、あらかじめベビーカーを入れられるようにスペースを作っておくと、印象がアップします。
禁煙・分煙
お子さんを連れて来店されるお客様は、店舗が禁煙、もしくは分煙されているかを重要視している傾向があります。お子さんに受動喫煙のリスクが高まってしまうことからタバコに関することには敏感です。
しかしながら、全面禁煙にすれば親子連れのお客様は来店しやすいものの、喫煙者のお客様の足は自然と遠のいてしまうかもしれません。そのような場合は、喫煙エリアを別にして分煙を行うか、一定の時間のみ全面禁煙にするといった対応もできます。
ベビーチェア
飲食店の一部は、お子さんが座れるベビーチェアを用意しています。テーブルに取り付けて使うもの、折りたためるもの、積み重ねて収納できるものなど種類はさまざまですが、中にはベルトが付いていないものもあります。椅子から立ち上がろうとしたお子さんが椅子からずれ落ちてしまいそうになった……なんてことがないよう、安全面に配慮したものを店舗で用意しておけば、お客様も安心です。
また、ベビーチェアは使用後、毎回しっかりと拭いて清潔な状態を保つよう心がけましょう。
子供にフレンドリーなメニューを考える
お子さんを連れて来店されるお客様の中には、自分が注文した料理から少しずつ取り分けようと、子ども用の小さな取り皿を必要とされる方もいらっしゃいます。このような要望に応えようと、子ども用のカトラリーを事前に準備しておく店舗も年々増えているようです。
一方で、「自分が頼んだものを最後まで食べたい」というお子さんのため、量や味付けに配慮がされたキッズメニューを用意している店舗もあります。「お子様ランチはうちにはメニューにないんだよね…」という店舗でも、お子様ランチをメニューに盛り込むことで、親子連れの新しいお客様を呼び込む大きなチャンスにつながります。
普段提供しているメニューの量を少なくした、「キッズサイズ」を用意することもひとつのアイディアです。お子さんによっては、大人が食べているものと同じものを食べたいと思うかもしれません。そんな時は、メニューは同じでも、味付けや量に配慮したキッズメニューがぴったりです。
このような形で準備したキッズメニューは材料も追加でかかることがないため、コストも抑えられます。さらにおまけのおもちゃをつける、星型に切った食材を使うといった形で子供たちが関心を持ちやすい工夫をすれば、お子さんもきっと喜ばれるでしょう。
サロンができること
「家事や育児に追われるようになっても、キレイでいたい。」、「美容院でカラーをしたいけど、長い時間子どもから目を離すのは不安」といった方のために、店舗の一画をキッズスペースにする美容室やサロンが増えています。
キッズスペースがあれば、お母さんはお子さんから目を離さずにリフレッシュでき、お子さんは退屈せずに楽しい時間を過ごせます。
お子さんに楽しく過ごしてもらうために、タブレット機器をひとつ置き、子供向けの動画アプリをダウンロードしておくのも有効です。このほかにも100円ショップで購入したおもちゃや塗り絵を準備しておけば、コストを抑えながらキッズスペースを充実させられます。
また、キッズスペースを設ける際には、キッズスペースから目を離すことがないよう注意が必要です。
たとえば子供同士がおもちゃの取り合いで喧嘩をしてしまう、おもちゃを不意に口に入れてしまうといったアクシデントが起こる可能性は無視できません。店舗側は、常に子どもたちが安全に過ごせているか、確認していきましょう。
親子連れに優しい接客・店舗を目指そう
お子さんと共に来店されるお客様にとって最も大切なのは、店舗の居心地です。どんなに美味しいメニューが楽しめる店舗であっても、お子さんを連れて来店しづらい雰囲気があれば「もう来たくない……」と思われるかもしれません。
親子連れのお客さんが気軽に来店できる環境を整えるのに必要なのは、「お子さん用の取り皿を用意しよう」、「ベビーカーを停められるスペースを作ろう」といった小さな思いやり。そんな思いやりを大切にしながら、いつまでも愛される店舗を作れるよう努力していきましょう。