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ビルの2階以上の位置を指す“空中階”。空中階は1階よりも家賃が安い反面、階段やエレベーターを使う必要があることから集客面で不利だと言われています。

しかし、「資金面の問題から、1階での出店ができない」、「路面店はどこもいっぱいで、空いている物件が空中階しかない」といった理由により、空中階での出店を余儀なくされたケースも珍しくありません。

そんな空中階でも、さまざまな工夫を行うことで集客できるのも事実です。今回は実例とともに、空中階だからこそ行いたい集客のアイデアを紹介します。


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そもそも空中階って、どんな物件?

通りに面した1階にある路面店は、歩行者から目につきやすく、顧客獲得につながりやすいというメリットがあります。ところが集客ができる一方、路面店は賃料が高くなってしまいます。

逆に空中階は賃料が安いものの、歩行者が見上げない限り認識されないことから、路面店よりも集客性は劣ります。また、空中階は階数が上がれば上がるほど賃料が安くなるといった特徴もあります。

コスト面だけで見れば、空中階は路面店よりも魅力的に見えることでしょう。ただ、以下のような空中階の物件は出店そのものに適していません。

・エレベーターがない/古い/少人数しか乗れない
・看板が小さい
・店舗への入り口が分かりづらい

2階であればエレベーターがなかったとしても問題はありませんが、3階以上の店舗でエレベーターが設置されていなければ、来店するお客様へ無意識のうちにストレスを与えます。さらに親子連れやシニアの方にとって階段の昇り降りは大きな負担となるため、来店が避けられがちです。

また、看板が小さかったり、お店の入り口が分かりづらいと、歩行者の足を止めることができず、お客様がふらっと立ち寄るような機会を逃します。

この3つの不利な条件に当てはまらなければ、空中階であってもアイデア次第で集客は可能です。

 

「階段を上ってでも行きたい」ようなコンセプトを作る

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2015年、中野のビル3階にオープンしたアパレルショップ「謎の店」。「どんな店か知りたいから行ってみたい」、「3階なのが逆に怪しい」とネットを中心に話題を集めたこの店舗は、3階というデメリットをあえて個性にしています。

この事例からもうかがえるように、集客においてポイントとなるのは、“他の店舗では味わえない料理や体験をさせる”といったコンセプト。空中階の出店で初期費用が押さえられたのなら、「わざわざエレベーターに乗ったり、階段を昇ってでも行きたくなる」ようなコンセプト設計に注力してみましょう。

 

居心地の良い店舗を目指す

とはいえ、他の店舗と違った強いコンセプトを考えるのは容易ではありません。そんなときは、落ち着いた“オアシス”を売りにした店舗作りもひとつの手です。

空中階は人や車の通りが気になる路面店や、多くの人が来店する大手チェーン店と比べ、落ち着いた雰囲気を作りやすい傾向にあります。そんな特徴を生かし、特定の職場を持たないフリーランスやPCを持ち運んでカフェで作業を行う“ノマドワーカー”をターゲットにしてみてはいかがでしょうか。

ノマドワーカーは、ゆったりと仕事ができるカフェを好みます。美味しいコーヒーや甘いデザートを揃えておくのはもちろん、電源や充電器の無料貸し出し、無料で利用できるWi-Fiを設置しておけば、仲間内で店舗の評判を共有してくれるかもしれません。

また、落ち着いた雰囲気を演出するのに店舗内のBGMは必須です。ジャズやR&Bなど、仕事の邪魔をしないゆったりとした音楽を流すと、居心地の良い店舗作りができます。

▶︎過去記事:「ノマドワーカーはカフェがお好き!?「フリーWifi」「電源貸し出し」の意外な集客効果とは」

 

SNSでの集客に力を入れる

自分のお店を知っていただかなければ、集客は始まりません。お店をどういった雰囲気にするのかコンセプトが固まったのならば、SNSなどの拡散力を借りてお店の「発信」を行いましょう。

SNSと一言でいっても、Facebook、Twitter、Instagramなどさまざまなツールがありますが、店舗の宣伝を行うためには、拡散性の強いInstagramやTwitterがおすすめです。

InstagramやTwitterの強みは、店舗やメニューに関する話題を検索、閲覧しやすくなるハッシュタグや撮影した場所が表示される位置情報を活用できる点。店舗で写真を撮ってくれたお客様の投稿が拡散されることで、多くの人が店舗に興味を持つきっかけになります。

そして盲点になりがちなのが、SNSのプロフィール部分。店舗の住所やサイトURLを記載することで、店舗に来店する確率が高くなります。忘れずにしっかりと設定しておきましょう。

 

空中階でも諦めない!お客様の立場で店舗作りを進めよう。

空中階は、一般的に集客につながりにくいデメリットばかりに目が行きがちです。それでも、そんな状況を物ともせずに利益を伸ばしている店舗もあります。その理由は「わざわざ行ってでも食べたいメニュー」や、「受けたいサービス」があるからに他なりません。そんな魅力を作るためにも、まずは「自分がお客様の立場だったら」という視点を持ち、店舗のコンセプトを作ることから始めましょう。


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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。