日常のストレスを忘れ、つかの間の「非日常」を求めて訪れる場所、それが美容サロン。
おしゃれのトレンドを発信し続ける清潔感にあふれたその店内空間には、やはりおしゃれなBGMがお似合いです。今回は、洗練された大人にピッタリな、おしゃれな空間をさらにスマートに演出する音楽、ハウスとエレクトロの魅力をご紹介いたします。
そもそも、ハウス/エレクトロってなんだ?
ハウスやエレクトロと聞いても、あまりピンとこないという方は多いのではないでしょうか?
「ハウス」はもともと黒人音楽である「テクノ」から派生した音楽であると伝えられています。ご先祖様であるテクノがもともと無秩序でややマニアックな音楽であったのに対し、ハウスはどちらかというと秩序の整ったダンスミュージックであると説明できるでしょう。
ハウスは現在、クラブミュージックとしても若者を中心に多大な人気を誇るジャンルの音楽で、シンセサイザーなどの電子音を巧みに駆使した4つ打ちのリズムが特徴となっています。シンセサイザーが醸し出すロボットから発信される機械音のような音楽は、日本でも数多くのミュージシャンによって取り入れられ、幅広い年齢層の方々から多くの支持を得ていますね。
一方「エレクトロ」とは、テクノやハウスよりも古い歴史を持ち、ディスコミュージックを前衛とする音楽であるといわれています。また、エレクトロはラウンジ、チルアウトなど、同じジャンル内でもさまざまに細分化されており、民族音楽、特に打楽器との組み合わせがよいことでもよく知られています。
それだけに、エレクトロはマッチする空間の幅も広く、おしゃれな美容サロンのBGMとしても違和感なく溶け込むことができるのです。無機質な4つ打ちが優雅な美容サロンの空間にシャープなスパイスをプラスし、不思議な心の落ち着きを与えてくれます。
雑多としたクラブとおしゃれな美容サロン、相反するこれらの空間で受け入れられているハウスやエレクトロの魅力は、その歴史のなかで磨かれた「大人の雰囲気」の中に隠されているのでしょう。
美容サロンをスマートに演出するジャンルの魅力
「歌メロ」が好きな経営者であれば、自分の好きなJ-Popの名曲や、しっとりと情感に訴えかけるようなバラードナンバーなどをお店のBGMに流したいと考えるかもしれません。
しかし、それらの歌メロはちょっと人間臭さが漂っているというか、「非日常」のおもてなし体験の中にどこか日常的な雰囲気を醸し出すことも少なくはありません。かといって、音楽がまったくない空間では、なんとなく心が落ち着かないものです。
では、ハウスやエレクトロではどうでしょうか? 先進的な音楽機器を駆使して奏でられるこれらの音楽は、人間臭さをまったく感じさせることがないにも関わらず、耳触りがよくてその空間に居心地のよさをプラスしてくれます。また、ハウスやエレクトロは一定のリズムを刻む音楽ですが、それに身体が揺さぶられることなく、自然に身体の中を通り過ぎて行くという不思議な魅力を持っています。
優雅な気分でヘッドスパやマッサージを受けたいと感じている女性の多くは、リラックスできて自然に身体の中に響き渡っていく音楽に心地よさを感じるはず。また、マッサージを受けているとちょっとウトウトしてしまうこともありますが、そのようなときでも遠くのほうから聞こえてくる無機質な4つ打ちは、リラックスを邪魔することがありません。
目を閉じて自然に身体を通り抜けるハウスやエレクトロ。存在を主張し過ぎない音楽だからこそ、美容サロンというおしゃれな空間にピタリとマッチするのでしょう。
ハウス/エレクトロの名盤10選
それでは、おススメのハウス/エレクトロ音楽の名盤をご紹介して行くことにしましょう。時代はバラバラですが、それぞれによさがあります。
今回ご紹介するアルバムや楽曲は、どれも比較的知名度が高いものですが、好き嫌いがはっきりと分かれるものもありますので、お店の雰囲気にマッチするものを選んでみてくださいね。
▼ Inner City / Good Life
歴史に残る名盤といわれているのがこのアルバム。入門者にもおススメの一枚です。
▼ Doug Lazy / Let the Ryhthm Pump
ヒップハウスという言葉を生みだした有名なアルバムとして知られています。
▼ Cultural Vibe / Ma Foom Bey
1986年リリース。ロングmixでよく知られている貴重なアルバムです。
▼ Lindy Layton / We got the love
日本でも人気のアルバムで、クラブでかかった時にはフロアが一気に盛り上がったのだとか。
▼ LEMON JELLY / Make Things Right
21世紀を代表するエレクトロ・ポップといえば彼ら!ゆったりとしたリズムのなかに、豊かな表情がいくつも浮かび上がるそのサウンドは、多くのファンを生んでいます。
▼ MSTRKRFT/Fist of God
完成度の高いアルバムであるといわれています。金属音が全体的に強め。
▼ Feed Me / White Spirit
かなりビートが強烈に刻まれていますので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
▼ Marilyn Manson/This Is The New S**t
ロック×エレクトロの融合例。PVがちょっと不気味ですので心臓の悪い方は閲覧注意です。
▼ Showtek / FTS
人気DJのアルバムですが、かなり賑やかです。大音量では効かないほうが〇。
▼ Swedish House Mafia / Don’t You Worry Child ft. John Martin
その名の通り、スウェーデン出身のハウス・ユニット。迫力あるサウンドと、楽曲にあふれる幸福感で支持者も多いそうです。
まとめ
美容サロンとハウスやエレクトロは、一見するとややミスマッチな印象を受けます。というのは、これらの音楽に対しては、なんとなく特殊なイメージがあるからです。
ところが、いざ聴いてみると意外に馴染みやすかったり、低いボリュームで聴くと意外に耳触りが良かったりするのです。
ハウスやエレクトロは決して特殊な音楽ではなく、自然に身体を通り抜けて行くような雰囲気重視の音楽であるという特性を知り、居心地のよいお店の空間づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。