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BGMは店舗の雰囲気づくりを手助けし、お客さまに快適な空間をもたらすので経営者にとっての心強い味方です。しかし、そんな店舗に流れているBGMがお客さまを危険にさらしてしまう可能性があります。そこでBGMによる危険性を回避する方法がカットリレーの導入です。

カットリレーはお客さまの安全確保に役立つ存在ですが、馴染みのない方も多いのではないでしょうか。今回はカットリレーとは何なのか、導入が必要な店舗、不要な店舗の違い、導入の際の注意点について紹介します。

カットリレーとは

カットリレーは、非常放送設備に含まれる防災設備の1つで、「電源カットリレー」「カットリレーコンセント」「電源制御器」などの複数の名称で呼ばれており、電源配線や音響装置に組み込まれる、リレー装置のことを指します。

火災や地震などの非常時に役立つコンパクトな機械で、非常放送設備から発信される非常制御信号を受信すると、避難放送を妨げないように、業務用放送機器への電源供給を自動的かつ強制的に遮断します。こうすることで、流れている音楽を止める仕組みとなっています。このカットリレーを取り入れることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

店舗にカットリレーを取り入れることのメリット

カットリレーを店舗に導入すると、非常時に役立つことから「人的被害を減らせる」という大きなメリットがあります。

例えば、非常事態に店舗で大音量のBGMが流れている場合、非常放送や非常ベルを聞き取れない可能性があるので、お客さまに速やかに避難を呼びかけることができません。

しかしカットリレーを導入している店舗では、緊急時にBGMが自動的に止まるため、緊急放送を遮ることなく、お客さまに避難を呼びかけることができます。このようなカットリレーの働きで、従業員が手動で店舗BGMを止める必要がなくなり、緊急時に無駄な行動や時間を掛けずに済むのもメリットです。

カットリレーの導入が必須のケース

カットリレーの設置が消防法によって定められているのは室内で自動火災報知設備または、非常警報設備の地区音響装置等の音を容易に聞き取ることができない場合や、特定1階段等防火対象物でダンスホールやカラオケボックスなどです。カットリレーの使用は、すべての店舗で義務付けられているわけではありませんが、消防法で「警報音と騒音を区別して聞き取れるようにする必要がある」と定められています。

具体的には、以下のとおりです。

(1)「室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合については、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること。」

引用元:(1)(消防法施行規則:消防法施行規則 | e-Gov法令検索) 

これらの他にも防音設備等によって、室内外の音響が聞き取りにくい場所の場合に、カットリレー等の設置が求められています。また、暗騒音が65dB以上ある場合も消防法施行規則でカットリレー等の設置が求められています。

具体的には、以下のとおりです。

(2)地区音響装置等の音圧が、暗騒音よりも6dB以上強くなるよう確保されていること。

自動火災報知設備、非常警報設備の地区音響装置等の作動と連動して、地区音響装置等の音以外の音が自動的に停止するものであること。

引用元:(2)消防法施行規則の防火対象物の音響装置に関する事項についての改正(2003年消防予第170号)

消防法の規定に従い、カラオケボックスやライブ会場など、大音量で音楽が流れている場所ではカットリレーの設置をするようにしましょう。

カットリレーの導入が不要なケース

カットリレーが必要のない店舗は、オルゴールのような比較的静かなBGMを導入してる店舗や、館内放送などの放送でお客さまに情報を伝えていない店舗です。また、カットリレーに頼らなくても、店舗経営者や従業員がすぐにBGMの操作をすることが可能な店舗にはカットリレーの導入は不要です。

店舗の防災対策は店舗経営者にとって重要事項ですが、カットリレーの設置は、警報音が聞こえないという問題を解決するための1つの手段であり、設置しなければならないという規制はありません。

ここまで説明してきたように、カットリレーはカラオケボックスやライブハウスなどの大音量で音楽が鳴り響く場所には設置することが消防法の観点で求められています。しかし消防法の規定に値しない店舗では、カットリレーを導入する必要はありません。

館やビルのテナントで店舗を経営している場合、館やビルから強制的にカットリレーの導入を求められ出費を促されることがあります。また、BGM配信のサービス業者からもカットリレーを強制的に導入させようとすることもあるので、カットリレーが店舗に必要かどうかは経営者が判断し、無駄な出費にならないようにしましょう。

カットリレーを導入する際の注意点

カットリレーは、製品によって使用できるワット数が決まっています。ほとんどの製品は8〜10A、消費電力は500〜800Wに対応していますが、対応ワット数を超える電源容量をもつ、放送設備には接続することができません。

もし電源容量を超える放送設備に接続して電流を流すと、カットリレーから限界以上の熱が発生してコイルがショートしたり、接点面が溶けて癒着したりなどの問題を引き起こす可能性があります。このようにカットリレー本体が発火してしまうとお客さまや従業員を危険にさらしてしまいます。カットリレーの対応ワット数は、カットリレー本体に表記されているため、放送設備と接続する前に確認しましょう。

また、自動火災報知設備からの火災信号を受信すると、電源の供給を停止する動作を行うコンセントであるカットリレーコンセントには、「A接点」と「B接点」の2つのパターンがあります。非常放送の端子に「メイクと書かれていればA接点」「ブレイクと書かれていればB接点」です。それぞれで施工の工程が変化するため、接続前にどちらのカットリレーなのかを確認して利用するように注意が必要です。

これらの確認を怠ってカットリレーを使用すると、緊急時に正しく作動しないおそれがあるため、細心の注意を払うようにしましょう。

カットリレーが本当に必要か判断し、適切なBGM設備を導入しよう

カットリレーを店舗に導入する際には、消防法の規定に値する店舗は必ず導入するようにし、消防法の規定に値しない店舗は経営者が導入の判断をするようにしましょう。

また、店舗にBGMを導入したいと考えている店舗経営者の方には、BGM配信サービスの「モンスター・チャンネル」がおススメです。モンスター・チャンネルでは、パソコン・タブレット・スマホで操作ができるため非常時にはすぐにBGMの操作を行うことができます。

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magazine 編集部

magazine 編集部

店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。