近年、さまざまな場面で話題となる「分煙」の問題。多くの人が来店する飲食店では、見落としがちですがきちんと理解をしておきたいポイントです。
ここ数年で、全席禁煙を実施する店舗も増えました。しかし、禁煙を施行することによって、逃してしまうお客様がいるのも事実です。
喫煙席・禁煙席を設置するときに、どのようなことを重視しておくべきなのでしょうか?今回は分煙トラブルを防ぐための、店舗経営者に知ってほしい喫煙席のルールを紹介します。
神奈川県では、未成年の喫煙席立ち入り禁止!
2010年4月、神奈川県で禁煙条例が施行されました。店内を分煙するための基準などの他、未成年保護の項目も設けられています。これは、未成年は保護者同伴であっても、喫煙席に立ち入ってはいけないということ。
未成年は保護者同伴の場合、自分の意思で喫煙席・禁煙席を選べないことがほとんどであり、未成年の受動喫煙を防ぐためにこのルールがつくられました。
お客様として来店する人はもちろん、店舗側も未成年の喫煙席利用を黙認してしまうと、罰せられてしまいます。また、条例が施行されていない他県においても、未成年が店舗内で喫煙していた場合は、きちんと注意をしなければいけません。
喫煙席には4つの種類がある
喫煙席と言っても、大きく分けて次の4つの種類があります。
1:喫煙席と禁煙席を、壁・扉などで完全に分割した空間にする。
2:喫煙席を設置し、分煙機器を使ってたばこの煙が完全に流れ出ないようにする。
3:喫煙席を設置し、分煙機器を使ってたばこの煙の量を軽減する。
4:喫煙席を設置するが、分煙機器は使用しない。
完全に空間を分割してしまったり、分煙機器を使用するほうが確実に受動喫煙を防ぐことができ、「禁煙席なのにたばこの煙が流れてきて、不快だ」などのクレームを受けることもなくなります。
しかし、デメリットとしてはコストがかかり、数百万円ほどの投資が必要になってしまうことがあげられます。店舗の業種によっては、店内を禁煙にすることで客足が減ってしまうおそれもあるため、設置するときはよく考えてから行うことをすすめます。
時間によって全面禁煙にしている店舗もある
最近増えてきた例が、時間によって「全席禁煙」の時間を設けている店舗。子連れも多いランチタイムは全席禁煙、夜のみ喫煙可にする……という営業形態にしている店舗も多くなっているようです。
時間によって客層が変わる、提供するメニューに違いが出るという店舗は、こうした方法をとってみてもいいかもしれません。
お店の業種、営業形態によって見極めて
居酒屋やバーなど、お酒とセットでたばこを楽しむ人が多く来店するような店舗は、完全禁煙の店舗にすることは難しいでしょう。喫茶店も、コーヒーといっしょにたばこを嗜む人が多いため、喫煙席を望むお客様も多いかと思います。
反対にファミリーでの来店が多い店舗や、若い女性が客層の中心となっているような店舗では、全席禁煙のお店が好まれる傾向にあるようです。
それぞれの地域条例や保健所のチェック項目をきちんと確認しながら、喫煙席の設置も計画を持って行いましょう。