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カフェやバーはもちろん、最近ではラーメン屋や和食の店でもジャズのBGMが使用され、その音楽を耳にする機会は多くなっています。おしゃれな雰囲気をつくることができるため、有線放送のジャズ音楽のチャンネルや、BGM用のCDアルバムを使用して流している店舗が多いようです。

でも、ジャズという音楽の効果や、おしゃれな雰囲気を作り出すその特性を、あまり知らないという人がほとんどなのではないでしょうか。
今回は、ジャズBGMに選ばれる理由を解説します。

1:音量やリズムに変化があり、ずっと聴いていても飽きにくい

(出典:flickr)

(出典:flickr

ジャズはひたすらフォルテのまま大音量で突っ走るということもなく、ピアノやフォルテッシモといった音量変化が頻繁に行われています。
また、シンコペーションやスウィングといった、さまざまな種類のリズムを組み合わせて作られているため、リズムに揺らぎが生まれ、音楽に変化がつきやすくなっています。

そのため、単純なメロディーとリズムで構成されている音楽と違い、長時間聴いていても飽きにくいのです。

2:4ビートが適度な緊張感とリラックス感を生み出している

通常のロックやブルース、J-POPなどのジャンルの音楽は、8ビートでつくられています。8ビートは4分の4小節の場合、1小節につき8分音符が8こ分の音数が与えられます。

譜例1:

■4ビート

(出典:Wikipedia)

(出典:Wikipedia

■8ビート

(出典:Wikipedia)

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しかし、ジャズは4ビートという、8ビートの半分でリズムを感じています。4ビートではBPM200前後の曲がほとんどのため、実際のテンポは速くても、聴いているとあまり速さを感じません。

そのため、前述の音楽ジャンルに比べ、ゆったりとしたリラックス感のある音楽に感じます。

また、4ビートは基本的に2拍目と4拍目でアクセントを感じます。この裏打ちが適度な緊張感を生み出し、曲にメリハリをつけてくれるのです。

3:ブルー・ノートがセンチメンタルな雰囲気を作り出している

(出典:flickr)

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ジャズ音楽に必要不可欠な要素は、「ブルー・ノート」と呼ばれる音階です。

これは黒人音楽特有の音階で、一般的に西洋音楽で用いられる「ドレミファソラシ」の、「ミ(三度)」と「ソ(五度)」の音を半音下げたもの
この音階により、メジャースケールともマイナースケールともとれる、明るいような暗いような、どっちつかずの旋律をつくることができます。

譜例2:ブルーノート

(出典:Wikipedia)

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この旋律の曖昧さが、どことなくセンチメンタルで、大人な雰囲気の音楽を作っています。

4:「ジャズ」で食事の満足度が変わるかもしれない?

ジャズ

アメリカ・アーカンソー大学の研究チームが行った、食事中のBGMとして4種類の音楽をかけ、それぞれの満足度を測定するという実験があります。

その結果、クラシック・ジャズ・ヒップホップ・ロックのうち、チョコレートを食べたときの満足度がもっとも高いのがジャズだったようです。

すべての食事で同様の結果が生まれたわけではないようですが、BGMによって、お客さまの満足度や食事のおいしさが変わってくることがあるそうです。

実はあまり理解されていない「ジャズ・ミュージック」

ジャズ

さまざまな店舗で使用されているジャズ音楽のBGM。しかし、使用している店舗の多くは、ジャズの音楽を完全に理解しているわけではなく、「なんとなくおしゃれだから」「無難だから」といった理由で使用しているようです。

「ジャズはおしゃれな音楽」という固定観念は、映画やテレビでジャズ音楽が頻繁に使用された影響によるもので、本来は「黒人霊歌」であるブルースから生まれた、情熱的な音楽です。

今回紹介したジャズ音楽の特性は、クラシック音楽にも共通している点がいくつかあります。しかし、BGMとして使用されているのはジャズのほうが圧倒的に多く、それはクラシックの敷居の高さにあるようです。

もともと貴族や富裕層のための音楽として発展した西洋のクラシック音楽と、奴隷としてつらい労働を強いられていた、黒人のソウル・ミュージックから派生したジャズ・ミュージックという、音楽のバックグラウンドの違いも関係しているのかもしれません。

おわりに

あまり音楽に詳しくなくても、流すことでなんとなくおしゃれな店内をつくることができるジャズ音楽。

ですが、ジャズ音楽の背景を知ることで、よりお店に合ったジャズ音楽を流せるようになり、さらに素敵なお店を作ることに役立つかもしれません。

たまにはジャズの名盤や、ジャズ音楽の背景をじっくりと見てみてはいかがでしょうか。

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magazine 編集部

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。