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2017年4月1日に消費税が10%へと引き上げられることになり、いま飲食店経営者の間で話題となっている軽減税率(※)。この制度が来年の4月より実施されると、8%と10%というふたつの税率に対応するレジシステムの導入が不可欠となります。

【注:この記事は2016年4月7日に公開されました。同年6月1日に消費税率10%への引き上げが再延期になったことに合わせ、軽減税率の導入時期も平成31年10月に延期となっています】

そんな中、注目を集めているのが、iPadなどのモバイル端末でレジ機能を使えるモバイルPOSレジです。初期コストも抑えられて高機能なモバイルPOSレジは、この軽減税率のタイミングでレジシステムを一新しようとしている店舗経営者の強い味方と言えるでしょう。

ただ、新しい技術だけに不安を持つ方もいるでしょう。そこで、今回、OMISE Lab編集部は「モバイルPOSレジって、実際どうなの?」という疑問を解決するために、モバイルPOSレジ『スマレジ』をリリースしている株式会社プラグラムさんにお邪魔して、東京オフィス支店長の川上さんからお話をうかがってきました。

(※)軽減税率・・・消費者の負担を減らすため、一部対象商品の税率を8%のままでよいとする制度。対象商品は酒類・外食を除く「生鮮食品」「加工食品」および、「新聞」。飲食店の場合、同じ商品でも持ち帰りの場合は軽減税率が適用され、店内で食べた場合は外食扱いで適用されない。
例えば、100円のハンバーガーを注文するとき、「テイクアウト」ならば108円、「店内」ならば110円となる。

※ もっと軽減税率について知りたい方はこちらの過去記事およびスマレジの公式ページをチェック!


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既存のレジでは軽減税率に対応できない!

–まず最初に基本的なことからお伺いしますが、軽減税率導入で複数税率(税率が8%と10%)になった場合、既存のレジでは対応できるのでしょうか?

複数税率では一つの売り上げの中に、10%の取引と8%の取引が混じるのですが、既存のものではシステム上、できないものが多いでしょう。

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モバイルPOS「スマレジ」で出力したレシート。税率8%と10%で分かれている。

–ということは、ハードウェア自体を買い替えるということになるのでしょうか?

一般にメカレジと言われる機械式のレジスターならば買い替えが必要ですね。また、ほとんどのPOSレジシステムはOPOSと言われるWindowsベースで作られているシステムが多いので、新たにプログラミングする必要があります。

一方でモバイルPOSはタブレットにアプリをインストールすればすぐ使用可能になるので、コスト面でも非常に優位です。さらに、今度の税率変更のタイミングで中小企業庁からレジの買い替え費用の2/3の補助金が交付されることとなっていて、今がまさにモバイルPOSへの乗り換えのチャンスとも言えるでしょう。

–なるほど、既存のレジに親しんだ人がこのタイミングでモバイルPOSに移行しやすいというわけですね。ただ、疑問に思うのですが、そもそもレジシステムの乗り換えというものはできるのでしょうか。データが膨大なため、携帯会社の乗り換えのように簡単にいくとは思えないのですが……

確かに、レジの乗り換えは非常に大変です。特にPOSレジは「いつ・どこで・何を買った」という情報を記録するサービスになっているのですが、他社のサービスに乗り換える際に過去の売上データを移すことは容易くはありません。

さらに、スタッフの教育の問題もあります。1店舗だけならばそれほど手間でもないでしょうが、お店が10店舗、20店舗とあればその分、管理職やスタッフの数も増え、運用できるまでのコストが非常にかかります。

–そのような運用コストがあっても、モバイルPOSに移行される方がいらっしゃるのですか?

最近の事例を出すと、60〜70店舗ほど持つお店は、3ヶ月ほどかけて他社のシステムから『スマレジ』に移行していました。スタッフの数も数百名規模なので大変な面も多かったのですが、モバイルPOSに変えたことにより業務効率が上がったという声をいただきました。

 

多様化する店舗経営。今、求められるのはモバイルPOSの「機動力」

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–では、良いタイミングなので、モバイルPOSレジ導入後のメリットについて話を進めていきましょう。基本的なレジ機能は既存のレジと似ている中で、店舗経営者には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

やはり、移動力や機動力があるという点が強みの一つです。今は店舗の形態が多様化しており、それと非常に相性が良いのがモバイルPOSなんです。

–店舗の多様化と機動力の強みのマッチング……詳しく聞かせていただけますか?

モバイルPOSが導入される流れから説明しますと、POSを入れるということは、複数店舗できちんと売り上げの管理をしたいということです。1店舗ならオーナーさんがすぐに見られるので管理が容易に出来るのですが、店舗がどんどん増えると煩雑になり手が回りにくくなります。それを抑制するためにあるのがPOSシステムなのです。したがって、お店にPOSシステムを入れたい=多店舗展開をしたいということになります。

店舗の展開として、地域によっては路面ではなく百貨店に出したり、ショッピングモールに出したりすることもあります。最近だと、正式にお店を出す前にリサーチ目的として期間限定で出すポップアップストアというものもあります。

そのように場所や期間の制限がなく金銭の授受が行われるようになった今、iPadとモバイルプリンターの2つを用意するだけで、どこでもレジが成立するモバイルPOSはとても役に立ちます。例えば、コンサートツアーのイベント会場での物販や、B級グルメの出店、音楽系フェスの食品の出店、グッズ販売など。今までは、大きくて重たいメカレジを持ってポップアップストアやイベントで使っていましたが、これはかなりの重労働でしたからね。

 

変化する時代に対応し続けるサービス、『スマレジ』

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複数税率に対応したスマレジの操作画面

–店舗展開ビジネスの変化の中で、モバイルPOSの機動力が存分に活かされるというわけですね。そのほかにもモバイルPOSのメリットがあれば教えていただいてもよろしいですか?

弊社が扱っているスマレジの場合は、かなり頻繁に無償アップデートしている点をお客様に高く評価されています。アップデートは自分たちから発案したものだけではなく、お客様からのニーズが元になったものもありますよ。店舗運営は日々進化していくものなので。

例えば、近年特に注目されている「オムニチャネル」にもスマレジは力を入れています。

–オムニチャネル。実際の店舗とECサイトなどのホームページを結びつける戦略ですね。最近は多くの企業・店舗が、より商品を買いやすくするために取り組んでいると聞きますが……。

スマレジを利用することで、ECサイトや顧客管理システムと連動することができ、店舗とレジの在庫情報、商品情報を一元化することが可能になったのです。

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–なるほど、日々変化し続けるマーケット事情にも迅速な対応ができるというわけですね。

また、時代の変化、という話に関連して、スマレジは軽減税率変更以降にも自信があります。今回2017年に向けて軽減税率導入となりましたが、この後もずっと同じ制度が続くとは限りません。税制変更はいつ再び行われるか分からないのです。2015年の4月にアメリカに進出したスマレジは、日本よりもはるかに複雑なアメリカの軽減税率に対応した経験を持っていることが明確なアドバンテージだと思います。

例えばカナダではドーナツを6つ以上買ったら税率が変わるなど、軽減税率が発動する特定の条件が州ごとに決められています。そのように、あらゆるパターンを想定したシステムを用意していたので、今回はその一部の条件である複数税率を日本でも導入させるだけということでした。なので、今後さらに制度に変更があったとしても迅速に対応できると思います。

–マーケットだけでなく、国の制度の変化にまで対応できるという点にも、モバイルPOSレジの価値はあるのかもしれませんね。本日は、モバイルPOSについて詳しく教えていただきありがとうございました!

 

編集後記

来たる2017年4月、軽減税率が導入されます。税率アップは先送りされるとの声もありますが、いずれにせよ、既存のレジは近いうちに改修や買い替えの必要が出てくるでしょう。その時にモバイルPOSレジに移行すれば、手間は多少かかるかもしれませんが、それ以上のメリットをもたらしてくれるのではないでしょうか。


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magazine 編集部

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。