店舗の内装を決めるとき、家具や装飾を選ぶよりも前にするべきことは、店内の壁や床の内装。
まずは器のデザインをしっかりと決めなければ、中に入れるものも光りません。
内装のデザインを決めるとき、もっとも重要になるポイントが「色」のコーディネートです。壁や床を、どのような色にするかで、店舗の雰囲気をガラっと変えてしまいます。
今回は、店舗の内装デザインを決めるときに役立つ、雰囲気を変えるためのカラーコーディネートを紹介します。
広く見せる?orせまく見せる?
店舗の営業形態や、目指したいお店の雰囲気によって、店内を広々と開放感があるように見せるか、こぢんまりと落ち着いた店内に見せるかで、好みが分かれてくるのではないでしょうか。
白は広く太く、黒は狭く細く見せる色
「予算が限られていて、あまり広いテナントを借りることはできないけれど、少しでも開放感のあるように広く見せたい!」というときは膨張色である白を基調にしましょう。
白い洋服を着ると太って見えてしまうことがあるように、空間づくりでも同じような現象が起こります。
また、「たくさんの客数を入れられるように広い物件を借りたけれど、店内が密集して活気のあるような雰囲気にしたい!」というときは、ダークトーンをベースにします。
店内が実際よりも狭く見えるので、アットホームな雰囲気を出すことができます。
床・壁・天井で色のトーンを分けると、店内の広さが変わる!?
全体の広さが、色で決まることがわかったところでもうひとつ。なんと、床・壁・天井それぞれの色を変えることで、さらに店内の広さを変えることができるのです。
1:天井を暗い色にする
天井を暗い色にすると、実際よりも低く、圧迫感のある店内になります。住宅のインテリアデザインなどでは寝室に使われるような、落ち着いた空間にするためのカラーコーディネート。壁も暗い色にすると、非日常感や高級感を出すこともできます。
2:天井を明るく、床を暗い色にする
上に向かってだんだんと明るい色を持っていく配置は、高さがあるように見せることができます。そのため、天井が高く、広々とした店内のように見えるカラーコーディネートです。
多くのインテリアでも使用されている、一般的な配色です。
3:天井と床を暗くし、壁を明るい色にする
壁だけを明るくすることで、横の広がりや奥行きを出すことができます。天井のトーンを落としているので、店内の高さはあまり感じません。
塗装のときにイメージ通りに完成させるポイント
いざ内装の工事となったとき、実際にインテリアデザインや塗装をするのは業者に頼むという人も多いはず。
そんなに安い費用でお願いするわけではないし、何回もやり直せるものでもないので、イメージ通りの仕上がりになるようにしっかりと注文をすることは大切です。
納得のいく仕上がりにするために、注文のときに覚えておきたいポイントは、サンプルと実際の色とでは明るさが違うということ。
サンプルで小さな面積に塗られた色を見るのと、実際に広い壁や床に塗られている色を見るのとでは、面積が違うため、明るさが異なって見えてしまいます。
仕上がりはサンプルよりも明るくなってしまうことがほとんどなので、サンプルで希望する色よりもワントーン暗いものを選ぶと失敗しにくくなります。
反対に、暗い色を選んだときはより暗い仕上がりになってしまうので、ワントーン明るい色を選びましょう。
壁の配色で店内の印象はこんなに変わる!
壁の色の配置や、色の組み合わせによって、店内の雰囲気は大きく変わってしまいます。
簡単に変えることのできない場所だからこそ、最初にしっかりと考え、店舗のコンセプトにぴったり合う配色を選びましょう!
業者などに頼む場合は、デザイナーさんなどプロの人としっかり相談し、シミュレーションをしながら色を選ぶことをおすすめします。
DIYで自分で内装をするときも、イメージを重ねながら行ってください。
店舗の「器」をしっかりと完成させて、素敵なお店づくりをはじめましょう!