SNS利用者の増加に伴い、店舗の宣伝にSNSを活用することが一般的になりつつあります。SNSは基本的に登録や使用にコストを必要としないものが主であり、お客様が来店したことをSNSに投稿するといったきっかけがあれば、店舗のアピールや集客アップが見込めます。
実際に何かを食べに行こうと考えたとき、グルメ情報サイトで探すのではなく、SNSに投稿された写真を見て決める人も珍しくありません。メニューを食べた人の素直な感想と写真という「リアルな情報」があるからこそ、「行ってみよう」というきっかけ作りにつながるのです。
しかし、ただ誰かが店舗のことをSNSに投稿するのを待つばかりでは、SNSでの効果は見込めません。では、何をすれば来店したお客様が店舗のことをSNSに投稿するのでしょうか。そのひとつは思わず写真に残したくなる「フォトジェニックなメニュー」を用意すること。今回はそんな「フォトジェニックなメニュー」について、事例とともに紹介します!
流行のカギは「インスタ映え」にあり?
SNSのなかでも、10代、20代など若い女性がユーザーの大半を占めるInstagram。楽天が発表した「楽天市場ヒット番付2016」によれば、「インスタ映え」するものが絶大な人気を集めたとされています。この発表からは若い女性が食べた、行った、買ったものをInstagramに載せ、自分自身の趣味や価値観をフォロワーに届けるために少しでも見映えの良いものを探し求めていたことがうかがえます。
インスタ映えの条件は人により様々ですが、Instagramに投稿したときに華やかなもの、話題性のあるものなど、思わず写真に撮って誰かに紹介したくなるものが多いといえます。だからこそ、SNSへの投稿を誘うようなメニュー作りが求められているのです。
料理以外にもこだわりたいポイント
そんなインスタ映えするためのメニューを用意することはもちろんですが、些細なポイントにもこだわりが見られると、よりお客様をSNS投稿へ導くことができるでしょう。
そんなこだわりたい要素のひとつは、食器にあります。そういった周辺の小物は料理をより魅力的に見せるもの。特にSNSへ投稿される料理の写真は真上から撮ったものも多いため、食器を含めての演出が重要になるのです。料理に引けを取らないような小物を準備しておくことが求められるといっても過言ではありません。
過去記事:【飲食店でも参考にしたい】木村文乃のインスタグラムから学ぶ食器選びのコツ
また、SNS投稿のために複数枚撮った写真を1枚に加工できるアプリもあります。メニューの写真をはじめ、店舗の雰囲気が伝わるような内装の写真を撮る方も珍しくありません。写真映えするようなインテリアを意識して内装を考えるのも効果的でしょう。
そして、季節感もSNS投稿を促すものとして重要です。ハロウィンやクリスマスなど、その時期にしか撮れないようなものはお客様の心をつかむこと間違いありません。
SNSに投稿したくなるにはどうしたら?そのヒントを事例から読み解こう
では、実際にSNS映えする料理や雰囲気を持つ店舗を見ていきましょう。「SNS映えするためには何をすればいいのだろうか」とお悩みの方も、これらの事例からそのヒントが見つかるかもしれません。
1.ワッフルチキン/Moja in the house
こんがり焼けたワッフルの上にフライドチキンが乗った豪快なメニュー、「ワッフルチキン」が名物の「Moja in the house」。見た目にインパクトがある一品ですが、さらに驚くべきはメープルシロップをかけて食べる点。Instagramに投稿された写真の多くにはメープルシロップの瓶が入るように撮影されています。異色な要素が複数あるメニューは、思わず写真に撮って誰かに見せたくなることでしょう。
2.焼きそば/無添加焼きそば BARチェローナ
行列の絶えない人気ハンバーグ店、ミート矢澤と同じ系列店の「無添加焼きそば BARチェローナ」では、オーダー後に目の前の鉄板で調理しています。味はさることながら、熟練の技術で調理される様子を動画で撮影してSNSへ投稿する方も。このことから、メニューだけでなく、調理の様子もSNS映えの要素であることがうかがえます。
3.メロンパンケーキ/BRIDGE
見た目と名前の通り、メロンをふんだんに使った「メロンパンケーキ」が看板メニューの「BRIDGE」。昨今の人気のパンケーキとは一味違うメニューに多くの人が驚き、思わず写真を撮って載せてしまうことも珍しくないとのこと。中にもぎっしりとメロンの果肉が入っているなど、切っても見事に写真映えするパンケーキであることは間違いありません。
4.手まり二段重/にぎりの喰人
愛知県にある「にぎりの喰人」のランチ人気メニュー、「手まり二段重」では鮮やかな手まり寿司とおばんざいが二段のお重の中に並べられています。細部まで職人のこだわりや技術が光ると同時に、蓋を開けたときの感動を誰かに伝えたくなるような一品です。
5.カップケーキ/ON THE WAY
下北沢にあるコーヒースタンド、「ON THE WAY」では目を引くような華やかなカップケーキが販売されています。オーナーが元々ファッション業界に携わっていたこともあり、お店のビジュアルやテイクアウト用のパッケージもおしゃれ。店舗のどこをとってもフォトジェニックの要素が見られます。
6.グラパン/DEN
「DEN」の名物メニューは、食パン1斤を使ったグラタンの「グラパン」です。見た目の通り、かなりのボリュームがあるこのメニューは「こんなものが食べられるお店に行った」と思わずネタにしたくなること間違いありません。しかし、店舗そのものは落ち着いた昔ながらの雰囲気に満ちた喫茶店。そのギャップもSNSに投稿する話題にしやすいことでしょう。
「こんなものを食べました」、「こんなお店に行きました」 そんな一言を知らせたくなるような店舗を目指す
人は自分が体験した驚きや発見をSNSへ投稿したくなるもの。そのためには、あっと驚くようなメニューや知っていると自慢できるような素敵な雰囲気がきっかけとなります。
また、具体的なメニュー名などをSNSで画像検索するのも有効です。どんなものであれば写真投稿を誘うのか。自分でも検索し、多くの人がSNSに投稿したものを分析するのもヒントを探す方法になることでしょう。