具材や調理方法など、自分好みに合わせたメニューを作り出す「カスタマイズスタイル」が人気を集めています。
そんなカスタマイズスタイルの大きな魅力とは、なんといっても自分好みの組み合わせを探す点にあります。「前とは違う組み合わせをしてみよう」、「新しく追加された具材を試したい」といった形でお客様が何度も足を運びたくなるきっかけ作りにもなることでしょう。
今回はリピーターを獲得する要因にもなるカスタマイズスタイルの事例を踏まえ、注意しておきたいポイントなどを紹介します。
カスタマイズスタイルはなぜ人気?
カスタマイズスタイルはアメリカで広く発展を続けてきました。アメリカでカスタマイズスタイルが広まった理由のひとつは、さまざまな食文化の人にも対応ができる点。宗教上の理由で豚肉や牛肉が食べられない人も自分の食べられる食材をもとに選ぶことができるため、どんなお客様も商品を味わえます。
次第にスターバックスコーヒーやサブウェイをはじめ、多くのチェーン店がカスタマイズスタイルを取り入れるようになり、次第に「食べられるもの」よりも「食べたいもの」を選ぶ形で楽しむ人が多くなりました。
海外でカスタマイズスタイルを取り入れている店舗は近年、日本にも拡大を始めています。海外の流行に敏感な若い女性を中心に、新しくオープンしたカスタマイズスタイルの店舗は多くのお客様を獲得しているのです。
カスタマイズスタイルの事例を見てみよう
では、実際にどんなカスタマイズスタイルの店舗が注目を集めているのでしょうか。日本国内にオープンした店舗の事例を見てみましょう。
THE COUNTER
2017年3月にオープンした「THE COUNTER」はハンバーガーをカスタマイズできる店舗です。パティ、パンズ、ソースをはじめ約80種類にもなる食材が用意されており、その組み合わせは100万通り以上にものぼるとされています。その豊富なバリエーションは、お客様にとって何度も通いたくなる魅力であることは間違いないでしょう。
BAR AMARENA
ショーケースに並べられた肉や魚介をもとに、自分好みの量や調理方法でメイン料理をオーダーできる「BAR AMARENA」。旬の食材が準備されており、その時期にあった料理を楽しむことができます。
また、多彩なメニューだけでなく、腕利きのシェフのアドバイスによる一品を味わえます。完全にお客様に任せるのではなく、迷ってしまうお客様とコミュニケーションをとりながら最適なものを提供できるようにするのも、カスタマイズスタイルを取り入れるうえで重要です。
800°DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA
2016年、新宿にオープンした「800°DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA」はピザをカスタマイズできる店舗として人気を集めています。
ピザに使用できる具材は40種類以上であり、その中には日本オリジナルの具材も多くあります。組み合わせに迷った場合でも、おすすめのピザをオーダーすることも可能です。
この店舗の売りは、なんといっても800°に温められた窯で焼き上げられること。およそ90秒で焼き上げられるため、お会計をしている間に焼きたてのピザを味わえるのは、お客様にとっても嬉しいポイントです。
CRISP SALAD WORKS
スプーンで食べられるようにカットした具材によるチョップドサラダを提供する「CRISP SALAD WORKS」。保存料などは一切使わず、ほぼすべての食材を店舗で調理しています。
ベースとなる野菜を決めた後、追加できるトッピングは約30種類。クルトンやナッツのほか、鶏肉やサーモンといった具材も用意されています。追加料金を支払うことでプレミアムのトッピングが選べる形式となっているように、リッチメニューを提供する際は追加料金を設けてみるのも良いでしょう。
カスタマイズスタイルで気になるのは、やはりコスト。
数十種類に及ぶ具材を用意するにあたり、気になるのはコスト。多くの食材があることでロスが生じ、結果的にコストがかかってしまうのではないか……と思う方もいるはずです。
そこで大切なのは、具材のニーズを押さえておくこと。人気の高い具材はそれだけ多くのお客様から注文を受けるため、多くの量を準備しておく必要があります。一方で人気が高くない具材は準備しても残ってしまうため、できる限り具材そのものを入れ替えることを意識しておきましょう。
また、カスタマイズスタイルで忘れてはならないのは、お客様とのコミュニケーション。さまざまな具材を選ぶ際、どれがいいのか迷われるお客様も少なくありません。そんなときは積極的におすすめの組み合わせを店舗側からお伝えできるよう、スタッフ間で共有しておきましょう。そうすることで、他のお客様をお待たせすることなく、オーダーをお聞きできます。
カスタマイズスタイルで、お客様に選ぶ楽しさを提供しよう。
日本でも少しずつ増えているカスタマイズスタイルの店舗。具材の準備やオーダーなど、難しいようにも思えるかもしれませんが、何度も通いたくなるとお客様に思わせることができるのも確か。
食材や調理方法を選べる自由さは、お客様にとって大きな魅力。これまでに成功している事例をもとに、ヒントを得てみてはいかがでしょうか。