店舗の雰囲気作りや店内の雑音を消すために欠かせないBGM。今ではApple MusicやSpotifyのような個人向け音楽配信サービスが登場し、店舗で利用しているところも見掛けるようになりましたが、実は店舗での利用は禁止されています。
今回はApple Musicの店舗利用についての問題点と、解決方法を解説していきます。
◆ Apple Musicとは
Apple MusicはAppleが提供している個人向けの音楽配信サービスです。いわゆるサブスク型のサービスで1億曲以上の楽曲を自由に聴くことができます。日本ではiPhoneユーザーが多いため非常に多くのユーザーが契約をして利用をしています。
また、Apple Musicは機能性も優れているのが特徴です。再生した楽曲をAIが分析し、おススメの音楽を提案してくれる「For You」や、ダウンロードしてオフライン再生できる機能などが備わっています。
◆ Apple Musicは個人利用のみ
Apple Musicは個人向けの音楽配信サービスです。商用利用はAppleの利用規約で禁止されています。店舗での利用は商用利用にあたるため使うことができません。
– お客様は、個人的、非商用目的での使用に限って本サービスと本コンテンツを利用することができます (以下の App Store コンテンツのセクションに明記されているか、Apple が別途特定したものを除く) 。
(Apple メディアサービス利用規約>B. 本サービスの利用>すべてのサービス より引用)
Apple Music以外にもSpotify、Amazon Music、LINE MUSIC、AWAなどの個人向け音楽配信サービスも商用利用はできません。商用利用のための権利処理がされていないためです。同様にYouTubeなどの動画配信サービスも商用利用はできません。
これらのサービスを店舗などで商用利用をすると不正利用となり、法的措置が取られる可能性が出てきてしまいます。
◆ 不正利用に対する法的措置
ここでは法的措置となってしまった事例の紹介をします。
2019年にJASRACが福岡市内の飲食店に対し訴訟を起こし損害賠償の判決が出ています。この店舗では音楽を許諾を得ずに流していたため、JASRACが店舗に対し書面・電話・訪問などによって度々警告しましたが受け入れられず、民事調停が申し立てられても出頭しませんでした。その結果、訴訟となり、約40万円の損害賠償と差し止めが認容されました。
(参考元:https://www.jasrac.or.jp/smt/release/19/191126_1.html)
損害賠償だけでなく、店名も公開されているため、店の大きなイメージダウンとなります。
◆ 権利処理がされている店舗BGMサービス
そこで注目を浴びているのが、店舗向けBGMサービスの存在です。従来は有線放送ぐらいしか選択肢がありませんでしたが、最近はApple Musicと同様にアプリで提供するサービスが出てきています。
個人向け音楽配信サービスと使い勝手が似ているものが多く、商用利用の権利処理もされているため安心して気軽に利用ができます。
◆ おすすめは「モンスター・チャンネル」
幾つかある店舗BGMサービスの中でもおすすめは「モンスター・チャンネル」です。
モンスター・チャンネルは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末にアプリをインストールすることで利用でき、普段から個人向け音楽配信サービスを利用している人であれば迷わずに使えます。店舗利用に適した1,000チャンネルが用意されており、業種や業態からBGMを選ぶことができます。
JASRACとも契約しており、料金の中に商用利用のために必要な権利料が全て含まれています。その料金自体も従来の有線放送の半額以下と非常にリーズナブルです。
メールアドレスだけで登録できる14日間の無料トライアルもあります。
◆ Apple Musicは商用利用できないため注意しよう
Apple Musicの商用利用について解説してきました。
Apple Musicは利用規約、そして著作権上、商用利用は禁止されています。利用料を払っているからと、商用利用してしまうと権利侵害にあたります。権利処理がされている店舗向けBGMサービスの利用を検討しましょう。