【TOEICよりもマインドセット】いま、ホテル経営者に求められるインバウンド対策とは?

増加の一途をたどる訪日外国人をターゲットにした「インバウンドビジネス」が話題になっています。

押し寄せる国際化の波に向け、英語対策をしなくてはならない…そんな風に日々感じている経営者さんも多いのではないのでしょうか?

今回は、2015年12月にホテル業界に特化したオンライン英会話学習プログラムをリリースしたビズメイツ株式会社の代表取締役社長、鈴木 伸明氏と最高品質責任者である伊藤 日加氏をお相手に、日々の業務のなかで、無理なく英語学習を進めていくための「心がけ」とはなんなのかを伺ってきました。

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(写真左:伊藤日加氏、写真右: 鈴木伸明氏)

Bizmates代表・鈴木伸明氏、伊藤日加氏インタビュー

ー 今回ビズメイツでホテル業界に特化したオンライン英会話学習プログラムをリリースされるということですが、この開発・展開に至った経緯などを教えてください。

(鈴木伸明氏:以下鈴木)そうですね。英語という観点で言うと、これまでは”日本人が海外に行って、現地のスタッフと一緒に仕事をするために必要な言語”という位置づけでの需要が高かったのですが、ここ最近は円安のトレンドもあって、観光やビジネスなどで外国の方が日本を訪れる機会が増え、国内で英語を必要とする方が増えていると思います

また、2020年の東京五輪や、ラグビーW杯など、これからもより一層訪日外国人は増えることが見込まれている中で、外国人の方との接点が一番多いホテルやレストラン、ショップといった業種に特化した英語スキル向上へのニーズが高まっていて、そのようなお問い合わせを多数頂き、今回このような専用の学習プログラムをオリジナルで開発いたしました。

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ニーズとしては、3つの中でもホテルの導入率が一番高くメインターゲットにもなっているんですが、ホテルの中にレストラン・ショップが併設している場合もありますから、そうした空間への応用も含めた学習プログラムとなっています。

ー ホテル業界特有の英会話スキルに対するニーズについて、具体的にどのような場面での問い合わせがありましたか?

(伊藤日加氏:以下伊藤)たとえば外資系のホテルなどであれば、だいたい英語が話せる従業員の方が数人はいるんですが、ホテル業界全体で見るとまだ少ないのが現状です。また、そのように英語を話せる方も「きっちりとした英語」になりがちで「フレンドリーさ」がない場合が多いんですよね。

日本人のフォーマルな接客をそのまま英語にしてしまっているので、「フレンドリーさ」や「お客様を楽しませる」といったマインドが足りてなくて、リラックスしに来ている外国人の方にはあまり合わないんです。

お客様を”エンターテイン”するという感覚でいけば、実は英語力そのものが高い必要はなくて、さりげない一言を付け加えるだけでお客様のウケ方は変わってきますし、満足度も変わっていくんですよね。

業務経験者が教える実践ホテル英語

ーホテル業界に特化した教材と、従来のビジネス向け教材との違いはどんなところにあるのでしょうか?

(伊藤)具体的にTOEICの点数や英検でのレベルはどのくらい必要ですか、とよく聞かれるんですけど、点数アップや級の向上だけに集中してしまっていて、「何のために英語が必要なのか」という目的意識を忘れてしまっている場合がけっこう多いんですよね。

うちの教材は「ホテルで必要な英語を学べる」ことを主眼に置いているのではなくて、実務レベルで顧客満足度をあげることを狙いにしています。ホテルに来ていただいた外国人のお客様に満足していただいて、お友達に紹介してもらう、ファンになってリピートカスタマーになってもらう、そして最終的に売上げの向上につなげるためにはどうすればいいのか? そういうところにフォーカスしているんです。

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(伊藤)そのためには、必ずしも高いレベルの英語力は必要ではなくて、Bizmatesでは“friendly small talk”が重要だと考えています。

たとえば、フロントでのチェックイン場面一つとってみても、”Just a moment please.”(少々お待ちください)の一言だけでお客様をお待たせするのではなくて、”How was your flight?”(フライトはいかがでしたか?)と相手の長旅に対して気配りをみせたり、”You can see the garden from your room.”(お庭の見えるお部屋ですよ)など、お部屋の雰囲気を簡単に説明してあげたりすることで、その部屋の価値ってちょっと上がるんですよね。

そして最後に、”Please enjoy your stay Mr. 〇〇!”(滞在をお楽しみになってくださいね)と名前を呼びかけるみたいに、本当に簡単な一言を付け加えるだけで、サービス力は全然違ってきますし、お客様の満足度も飛躍的に上がるんですよね。

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(鈴木)レッスンの特色で言えば、オンラインで講師と直接コミュニケーションを取ることができます。なので、自己学習するだけのeラーニングなどよりも圧倒的に学習意欲は高まりますし、実際にホテル業界やショップ・レストランでの実務経験がある講師を選択してレッスンを受講できますので、まさに実践に即した学習・スキルアップが可能となります。

グローバリゼーションは「待つ」ものではない。自ら向かっていくのだ!

ー ホテルでの実務経験がある方が講師だと、業界ならではのマインドやフレーズ、語彙をお持ちなので安心でよね。一方で、これまでの日本のホテルマンとしてのプライドを持っている方や、日本のホテル業界の特徴や日本人的なマインドでの接客、例えば、ある種一言を付け加えるのがぶしつけなのではないかという配慮、一歩引いた接客が良いとされていたようにも思います。オンライン英語学習をされるお客様はやはり「自分のサービス力を高めたい」という思いで、登録されるんですか?

(伊藤)これは誰でもそうですが、将来のことについて、大事なのはわかっているんだけど、今すぐ動くのが億劫だったりして実際に行動に移せないことも多いですよね。英会話の学習もまさにそうした感覚があるので、ただ利便性が高いツールがあって簡単に学習できます、ということだけではお客様は行動に移さないんです。

やはり大切なのは、「英語が必要なのは、お客様にご満足していただくため」というマインドセットなんです。そのために、モチベーションを高めるセミナーなども行っています。

(鈴木)日本に来る外国人が増えていくに従って、英語ができないとビジネスにならない、ということを現場の担当者も研修の担当者も認識し始めています。

ただ、とにかく従業員に英語スキルを身につけてもらいたい研修担当者と、研修をやらされていると感じる現場担当者の間で、まだ意識に乖離があるように思います。でも今後、現場の方が実務で必要なスキルであることを痛感するにつれ、どんどん意識も変化していくのではないでしょうか。

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ー やはり点数というよりはマインドセットが重要ということなんですね。

(伊藤) そうですね。実際には高いレベルは求められていません。英検1級を取得すれば、あるいはTOEICで800点を越えていればホテルでの実務や接客がうまくいくということではありません。英語力が高い人でも低い人でも、マインドセットがないと実務はできません。「英語力だけじゃないんですよ」ってところが大切なんですよね。

プログラムの特色として、マインドセットの部分を重視しているので、元々のスキルの差に関係なく、英語力が高い人でも低い人でも学習できる内容になっているんです。

ー Bizmatesでは、ホテル向けの教材に加えて、自己学習ツールとして教材に連動した講義形式の動画レッスンも提供しているんですよね?

(伊藤) そうですね、インプット・アウトプットの効果が高まるツールも提供していて、実際に予習や実践として使っていただけます。「宿題」となるとどうしても学校時代のことを思い出しがちですが、ビジネスパーソンが机でテキストに向かうというイメージは湧かないですし、現実的ではないですよね。

しかし、動画であればスマホなどでも見ることができますよね。動画でレッスンについてあらかじめ簡単に予習することができれば、より効果的にレッスンを進めることができます。動画上でも実際のホテルの実務に基づいたコンテンツを提供していて、スタッフとゲストのやり取りを会話形式で体感できるように工夫しています。

ー他にも、オンラインならではのメリットはどんなところに隠されているのでしょうか? 例えば、料金体系ですとか。

(鈴木) ビズメイツの料金体系をみて、オンライン英会話の中では若干高めに設定されていると感じられる方もいらっしゃると思いますが、毎日受講された場合、レッスン料金は一回300円前後とスクール通学などよりもかなり安く、続けやすい価格体系となっておりますので、費用対効果も非常に高いと実感していただけると思っています。

これまでの通学型の英会話スクールは高い料金と低い達成感、というネガティブなイメージがあったかと思います。レッスン料金が高いので、エグゼクティブクラスの方しか受講し続けることができない。そして効果が実感できない。しかし、オンライン英会話ならばリーズナブルに、かつ、自由な時間に受講可能です。20代の若い方でも、エグゼクティブの方でも受講できるインフラとしての英会話サービスを提供していきたいと思っています。

ー 今後の方針として、ホテル業界以外にもターゲットを細分化して取り組まれることはお考えでしょうか。

(鈴木) 現状でも、進捗状況やレベルに合わせた核となるプログラムには共通の教材を用意しています。それに加えて、プレゼンテーションやミーティングなどスキルフォーカスしたプログラムを組み込んだり、マーケティングや経理などの様々な職種・業界のニーズに対応した商品も開発していきたいなと思っています。汎用的なものから専門的なものへ、この2つを両輪としてパッケージ化していく予定です。

「仕事に使える英語」を楽しく学ぶ

ー 英会話スキル向上を目指す日本のホテル業界へのアドバイスや提言などがあればお聞かせください。

(伊藤) 「英語力を上げる」という考え方だと、数年かかるもので道のりは長くなってしまいますが、目的意識や意味があると感じられれば道のりは格段に短くなると思います。そういった点ではホテルでの英語はすごいはっきりしていますよね。そうした目的意識がないと、途中で挫折したり、諦めてしまう方も多いです。

また、一般的な英語教材と比較してみても、本当に効果があるのか疑問に思う人もいるかもしれません。だからこそ、しっかりとした目標設定やマインドセットを持った上で、それらと連動性がある教材を使いながら、それを楽しむということが重要なんです。

レッスンでは、実務通りのロールプレイングをすることもできますし、実際に自分が働いているホテルの名前やレストランのメニューなどが教材に組み込まれているのでモチベーションも格段に向上するんですよね。

(鈴木) 英語学習が目的になると退屈になってしまいます。高校生時代に挫折した経験を持っている方や、苦手意識を持っている方も当然いらっしゃいます。でも、自分のホテルが教材に組み込まれていて、自分の仕事のため、お客様に喜んでいただくためという観点で英語を学習していると、目的も果たせて、モチベーションを維持できるようになっていきます。そして何より効果を実感できます。漫然とスクールに通ったり、テキストを広げて、という学習よりもモチベーション維持が容易で楽しく学ぶことができるんです。

これはBizmatesのサービスの特徴なんですが、「仕事で使う英語」という用途に限定しているので、モチベーション維持も簡単ですし、目標達成がはっきりしている分、道のりも短くなっています。またビジネスパーソンとして共通の体験を講師が持っていることも大きな強みになると考えています。

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ー 最後に、まさに今インバウンド対策が求められている日本のホテル業界や接客業界への提言などあれば教えて下さい。

(伊藤)”globalization”(グローバル化)という言葉自体はよく聞くんですけど、実は数十年も前から”globalization is coming!”(グローバリゼーションがやってくる)と言われ続けていますよね。とはいっても、英語を避けようとすれば逃げる道はいくらでもあるんです(笑)。

だからこそ、グローバリゼーションはやってくるのを「待つ」のではなくて、自分から向かっていかなければならない。ホテルでもそうしたマインドが必要です。逃げるのではなく、積極的に挑戦する。そして挑戦の先にはさらなる高みやビジネスチャンスが待っているはずです。

ー 「楽しく挑戦すること」が鍵になりそうですね。本日はありがとうございました!


編集後記

「英語」と聞くとどうしても苦手意識を持ってしまうという人もいるでしょうが、マインドセットの部分から外国人接客を見つめ直せば、実はハードルはそれほど高くないのだ。そんなことを教えてくれるインタビューでした。

あとはただ「きっかけ」ひとつあれば、インバウンドを機に大きなビジネスチャンスが広がるはずです。そして、そのタイミングが訪れているのはきっとホテル業界だけではないはず。

皆さんも、ビズメイツで楽しく英語学習を開始されてはいかがでしょうか?