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カラオケにも著作権がある!?「演奏権」を侵害しないために知っておくべきこと。

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店舗の空間演出のため、欠かせない要素であるBGM。それだけでなく、店舗によってはカラオケを設置しているお店も少なくないはず。そんな、普段私たちにとって馴染み深いカラオケで、楽曲の無断使用から演奏権が問われたケースがあります。

2017年2月、JASRAC管理楽曲をカラオケで長期にわたって無断利用したとして、著作権侵害の罪に問われた飲食店経営者に対し、懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決が言い渡されました。今回のケースで注目すべきポイントは、著作権に含まれている「演奏権」。知らず知らずのうちに店舗でカラオケを使っていたら、「演奏権」を侵害してしまった……といったことがないよう、あらためて「著作権」について知っておきましょう。

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あらためて知っておきたい、演奏権の基礎知識

演奏権とは、著作権に含まれている権利であり、著作権者に断りのないまま、公衆に向けて楽曲を演奏することはできません。ここでいう著作権者とは、作詞家・作曲家から著作権の管理委託を受けているJASRACのことを指しています。

法律的に見ると、「カラオケで歌を歌う」行為は、「公衆に向け、直接楽曲を演奏する」ということでもあるため、演奏権を有する著作権者の許可が必要となります。そこで飲食店が無許可でカラオケを利用すると、演奏権、著作権の侵害にあたります。

通常であれば、著作者に対して許可を得る代わりとして使用料を支払うことが義務付けられており、その著作権使用料は楽曲の著作権を管理しているJASRACへと支払う必要があるのです。

2014年には、JASRACがカラオケの著作物利用許諾契約を締結していない飲食店に向けてカラオケ機器をリースしている会社を対象に、カラオケの使用禁止(差止め)と損害賠償を求める訴えを起こしました。このとき、JASRACは営業している店舗ではなく、そこへリース機器を収めている業者を訴えたのです。

JASRACはこの会社に対して、カラオケリース事業者の法的責任の内容を説明、リース先店舗における著作権侵害の解消を図るよう求めていましたが、リースを行っていた企業はカラオケ装置の使用を停止するなどの措置をとることもなく、リース業務を継続。そのためJASRACは注意義務を履行せず、適正にリース業務を行っている他のカラオケリース事業者との公平の観点からも放置できないと判断し、著作権侵害を解消するための訴訟に踏み切ったのです。

 

カラオケと著作権を考えるうえで無視できない、「カラオケ法理」

では、カラオケが演奏権を侵害する危険性について、より詳しくみていきましょう。カラオケと演奏権の関係性について避けて通れない事例として、「カラオケ法理」というものがあります。

「カラオケ法理」とは、かつてカラオケスナック店の著作権侵害が問われた「クラブキャッツアイ事件」の最高裁判決に由来します。JASRACは著作権侵害を理由にカラオケスナックを訴えましたが、店舗側は「カラオケを利用している(著作権に触れている)のはお客様である」と主張しました。

しかし、最高裁判所は店舗側に対し「店舗側はカラオケを営業の一部として利用し、お客様を呼ぶことで営業上の利益を上げていた」ことから、「カラオケ機器を設置していた店舗の経営者が著作権を侵害している」と判断。店舗側が著作権の侵害主体であるとし、損害賠償を命じる有罪判決を下したのです。

そもそも著作権者は、公衆に演奏を直接見せたり、聞かせることを目的としており、上演または演奏する権利を独占的に保有しているため、著作権者以外の者は、著作権者の許可なくこれを行うことはできません。そのため、スナックでカラオケ伴奏のもとでお客様が歌うことは、公衆に直接聴かせることを目的としており、演奏することに該当するのです。

実際にはお客様が歌唱しても、著作権法38条に、「営利を目的とせず」、かつ「聴衆から料金を取らない場合」には、公に演奏(歌唱)できるとされているため、著作権法には触れません。

しかし、この「カラオケ法理」という考え方が生まれたきっかけとなった「クラブキャッツアイ事件」ではお客様が単独で歌唱している状況であっても、経営者は著作権侵害の主体となるのか、という点が最大の争点となりました。結果的に、「カラオケ法理」では著作権を直接侵害していない者であっても、著作権侵害行為を管理したうえに利益を利ていることが指摘されることとなったのです。

冒頭の事例において飲食店の経営者側が著作権の侵害だと見なされたのも、この「カラオケ法理」の考え方によるものです。

 

トラブルが発生する前に、できることはある。

今回の事例では、演奏権に焦点をおいて争われた「クラブキャッツアイ事件」を例に挙げて、演奏権について解説しました。

演奏権は著作権に含まれており、今回冒頭で挙げた事例のようにカラオケを歌うことがこの問題に該当するため、店側は著作権料を支払わなければいけなかったのです。店のBGMだけでなく、カラオケでも著作権があることを認知しておくことは大切です。「知らず知らずのうちに著作権を侵害していた……」という状況に陥る前に、利用許諾契約を結ぶ・利用料を支払うといった形できちんと手続きを済ませておくことが望ましいでしょう。

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