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店舗運営にはアルバイトの力が欠かせません。だからこそ、突然スタッフが姿を消して連絡がつかなくなる“バックレ”のダメージは計り知れないもの。

また、バックレだけでなく、多忙な中シフトを空けて待っている面接の“ドタキャン”もお店にとっては大打撃。連絡をしてくるならまだマシな方で、何の連絡もなく30分待たされた挙句、約束をすっぽかされることもあります。

このような事態を防ぐために、お店側はどのような対策をすればいいのか、今回は事例とともに紹介していきます。

 

実際にあったドタキャン・バックレ事例

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まずは、都内のコンビニで店長を務めるHさんに、実際にあったドタキャン・バックレのエピソードをお聞きしました。

(Hさん)先日、就職活動が終了したばかりの大学4年生の女の子にドタキャンされました。日時の決定などはメールでやり取りをしていたのですが、文面も丁寧で返信も早く、「しっかりした子だな」と実際に会うのを楽しみにしていました。

しかし、当日の面接時刻5分前に体調が悪いとの連絡が……。すぐにドタキャンされたんだと察したものの、期待していただけにとてもがっかりしましたね。

「しっかりした子」という面接時の印象を大きく裏切られたHさんでしたが、この種のトラブルを起こすのはなにも若い子に限ったことではありません。

Hさんの職場でバックレトラブルを起こしたのは、30代の主婦。採用してから1週間が経った日、シフトに入っているはずなのに、彼女は一向に姿を現さず、10分ほど待ってから電話をしても、相手の携帯電話の電源は入っていなかったと言います。

ちょうど忙しい時間帯で人手が足りなくなりそうになったのですが、前のシフトに入っていた女の子が自発的に「残る」と言ってくれて助かりました。その子に申し訳なく感じるとともに、バックレた方の仕事への責任感のなさに怒りを覚えました。

お店を運営していれば、この店長のような経験をされた方は少なくないでしょう。

面接をドタキャンするのも仕事をバックレるのも、アルバイトの立場からすれば気軽な気持ちかもしれませんが、お店にとってはときに死活問題に。小さなお店であれば、スタッフが一人バックレたためにその日は臨時休業しなくてはいけなくなるでしょう。

では、このような事態を防ぐためにお店側で何か対策は打てるのでしょうか。

 

対策その1:面接のドタキャン防止には“すぐに”、“直接”連絡を

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そこで、この3年でバイトのバックレはゼロ、面接のドタキャンも年に1回あるかどうかという、都内飲食店で副店長を務めるDさんに話を伺いました。

まず面接のキャンセルについては、“スピード”と“直接連絡”が重要だと語ってくれました。

(Dさん)面接のドタキャンは、たいてい他の仕事が見つかったり、あるいは働く意欲がなくなったりしたときに起こると思っています。なので、私は応募があったらできるだけ早く返事をして、できるだけ早い日程で面接を組みます。

朝に来た応募者をその日の夕方に面接したこともあるというDさん。応募から面接までの日程が空くほど、応募者のお店で働く意欲は薄まるので、スピードを大事にしているのです。

また、応募者とダイレクトにコミュニケーションをとることも重要なことだと言います。

うちの店は求人サイトで募集をしているのですが、そのサイトでする面接日時の予約って、最近の若い子にとっては“仮予約”ぐらいの感覚だと私は思っています。他の予定が入ったら簡単にキャンセルしたり、日時を変更したりしてしまう。

だから、私は応募が入ったらまず応募者に電話して、できればその場で面接日時を決めてしまいますね。ちゃんと画面の向こうにも人がいるんだぞって教えてあげる(笑)。メールじゃなくて、電話ですね。

“すぐに”、“直接”連絡することで応募者をやる気のあるうちに捕まえられているDさん。採用難に苦しむお店も真似できる試みかもしれません。

 

対策その2:バックレ防止にはスタッフと良い関係を作ることが大事

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それでは、バイトのバックレにはどう対策すればいいのでしょうか?先述した副店長のDさんに伺ったところ、意識しているのは“会話の量”と“仕事上のコミュニケーション”だとの答えが。

(Dさん)多くの飲食店は、バイトがいるから成り立っています。だから、お客様だけでなくてスタッフも純粋に「お店に来たい」と思ってもらうことが最優先で、最重要だと私は思っています。

そのためのツールが、“会話”だとDさんは話します。入った時からとにかく相手の話を聞いて、一緒にいて楽しいと思ってもらえる関係値を作ることを重視するそうです。確かに、スタッフに「またこのお店に来たい」「この仲間と働きたい」と思ってもらえれば、いきなりいなくなるなんてことはなくなるでしょう。

さらに、“仕事上のコミュニケーション”での心遣いをDさんは強調しました。

お金以外のところで、仕事のモチベーションを作ること。そうでなければ時給が高いところを見つけたらすぐいなくなります。自分が特に意識してたのは「この人の力になりたい」と思ってもらえる人間になることです。

そのために、Dさんは以下のようなことを仕事上の会話の中で気をつけていたそうです。

・接客でいいところがあればすぐ褒める

・スタッフの改善点を見つけたら「レベル1クリア、次はレベル2だね」と、ステップアップしてるように見せる

・嫌な客、面倒そうな客がいたら、「自分が行くから対応に行かなくていいよ」と声かける

・仕事終わりに、「いてくれて助かった」と言う

たとえアルバイトを始めて日が浅かったとしても、これだけの心遣いをしてもらえれば、きっとスタッフもバックレようとは思わないのではないでしょうか。Dさんが副店長として勤務している3年間、アルバイトが全員円満に辞めていったということがそれを証明しています。

 

お店側からのアプローチで、ドタキャン・バックレは減らせる

バックレやドタキャンは唐突に起きるものですが、そこにまったく前兆がないわけではありません。自分の立場で考えると、何も不満のない職場をバックレようとは思わないはずです。

大切なのは、アルバイトや応募者がそういった行動を起こすまでのお店側のアプローチ。面接前は“スピード”と“直接連絡”。アルバイトが入ってからは“会話の量”と“仕事上のコミュニケーション”を重視するDさんのやり方を見習ってみてはいかがでしょうか。

 


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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。