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ネットの普及により便利に発展した昨今、自宅にいながら簡単にショッピングを楽しんだり、1つの端末にたくさんの書籍を集約することができたりと、ネット社会ならではの便利な生活が一般的となりました。

それにより実店舗の生き残りをかけた地域密着術が重要となり、現在各地で様々な実験がなされています。

そして今もっとも注目を集めているのが、「出会い」「発見」「利便性」を可能にする異業種同士がミックスした「融合店舗」です。

ここに来れば、なにかが見つかる。異業種ミックスのもたらす「一石二鳥」のワクワク感

プラス アイコン plus

融合店舗は異業種の商品を取り扱うことで、お客様に新たなライフスタイルの提案をすることが可能となります。

「ソファに座りコーヒーを飲みながら家電を選ぶことができる」、「1カ所でショッピングとカフェを同時に楽しむことができる」など、その人の生活空間を新たに演出することができます。これはまさに「一石二鳥」のワクワク感と言えるでしょう。

また膨大な情報量のネットでは、商品をピンポイントで検索する必要がある上に、レコメンド機能で提示される商品やサービスも過去の閲覧履歴からあぶり出されたものである以上、「偶然の出会い」というものが起こりにくくなっています。

そんなネットショップとは真逆のアピールを持っているのが実店舗の空間。実際に店舗へ足を運ぶことにより、ネットショッピングでは知り得ないサービスを提供したり、お客様に「体感してもらう」ということが可能です。手に取り試してみることでわかること、求めていたもの以外に出会うことができる「発見」の要素、目的とは違ったものに惹かれる「意外性」など、リアルな店舗空間でしか味わえない楽しさを生み出します。

「コンビニ+ドラッグストア」、「TSUTAYA+スタバ」大企業ならではの持ち味を「プラス」

さて、融合店舗のもたらす「一石二鳥」感をもっとも鮮明に表しているのが、大規模チェーン店同士のコラボ店舗です。

特にファミリーマートは積極的に異業種とのコラボを繰り広げており、2014年6月には大手ドラッグストアコクミンと提携した融合店舗「ファミリーマート+コクミンドラッグ」の一号店を小岩にOPENさせました。これはまさに、コンビニの利便性とドラッグストアの専門性が掛け合わされた、融合店舗ならではの持ち味を発揮した例と言えるでしょう。

さらには大手スーパーマーケット企業であるイズミヤがファミリーマートのフランチャイズチェーン加盟店となって、コンビニ+スーパーの融合店舗の展開をしています。できたての総菜や生鮮食品などのほか、コンビニの商品、24時間営業といったサービスを1カ所で提供することで利便性を高めています。

Collaboration Cooperation Partnership Corporate Concept

Collaboration Cooperation Partnership Corporate Concept

そしてTSUTAYA+スタバは全国に25店舗を展開。大手企業同士のコラボによって今流行りのブックカフェを作り上げたこの試みは、好きなコーヒーを楽しみながら購入前の本をゆっくりと選ぶことができ、土日は座席を取るのが困難なほどの人気ぶりです。大手企業同士がコラボすることで話題性は一気に高まり、実際に足を運ぶことで、今までにない利便性や意外性を提供し利用者を増やしています。

大企業同士だからこそなし得るサービスの提供は、まるで最小単位のデパートのようですね!

これは面白い!個性的な融合店舗10選

▼ 書籍×カフェ×家電(二子玉川、蔦屋家電

https://instagram.com/p/9S9fbGhVom/

エリア利用者による「地域に欲しい施設」アンケートで、1位が映画館、2位が家電量販店と他の地域にはない意外な結果を出している二子玉川。23区の中でもっとも人口の多い世田谷では、映画館や家電量販店といった大型施設を構える立地がなく不足状態にあります。そういった背景からライフスタイルを一変させる全く新しいタイプの家電店が誕生しました。

▼ 家電×アパレル(新宿東口、ビックロ

https://instagram.com/p/9JFWIdtbMw/

2012年にビックカメラとユニクロのコラボレーションによって爆誕した、大型融合店舗の先駆けと言える存在。家電とアパレルを一緒に提案することで、よりリアルな生活空間の演出と提案をしています。「ようこそ、TOKYOの、新名所へ。」というキャッチコピーに恥じることなく、訪日外国人の集客にも成功を収めています。

▼ 音楽×書籍(渋谷、HMV&BOOKS TOKYO

あの渋谷HMVが書籍販売との複合店舗として帰って来る!!2015年11月19日にオープン予定のこの店舗には、音楽や書籍の販売はもちろん、イベントスペースも設置。ミニライブやトークショーを開催し、カルチャーファンをターゲットとした新たなスポットとなっています。

▼ カラコン専門店×メイク(渋谷、ダズショップ

https://instagram.com/p/8w5jyFTFWX

近年、若年層を中心に定着した市場となっているカラーコンタクト。そこにメイク要素を加えることで、さらなるファッション性を高めることに成功しています。

▼ トータルビューティー×カフェ(M.SLASH×DUOCAFE

美容室、ネイルサロン、スパといったトータルビューティーと、それをサポートするビューティーカフェの融合店舗は、新しい美容習慣の提案が期待できます。

▼ アパレル×ダイニング・カフェ(銀座、Tommy Bahama

https://instagram.com/p/8-oiAmtOuG/

ショップスペースとダイニング・カフェスペースを併設。ブランドの持つハワイアンなカラーを、併設するレストランでも表現しています。「衣食住」という異なるレイヤーを1カ所で展開することにより、店舗体験を豊かなものとし、新たな発見を生み出します。

▼ 鉄道模型専門店×カフェ(埼玉、ポポンデッタ×鉄道カフェ STEAM LOCOMOTIVES

https://instagram.com/p/2yYm-WLiHM/

異業種でありながらも特定のジャンルに限定したコラボは、そのジャンルの根強いファン層をターゲットにしたファンベースの構築となっています。

▼ ペットサロン×不動産仲介(PET&LIFE

ペットと一緒に生活するための安心空間と情報の提供という今までにないジャンルで、新たなライフスタイルの提案を可能としています。

▼ 携帯スマホショップ×スマホ修理、アクセサリー(Y!mobile×COVER GARAGE

意外とないスマホショップと修理アクセサリー専門の融合店舗。異業種でありながら同ジャンルがコラボすることで、より一層ユーザーの購買意欲を駆り立て、集客効果を高めることを可能とします。

▼ 美容室×バー(和光市、美容室 B・e-u・p×Bar Casha

昼は美容室、夜はバーと利用目的で使い分けられる時間型の融合店舗は、消費者のニーズに合わせた有効的な店舗だと言えます。

まとめ

「出会い」「発見」「利便性」と言った生活における感覚的な要素を含め、様々なサービスを提供する異業種同士がミックスした融合店舗。

地域利用者の意見に寄り添い、新たなライフスタイルを提案するだけでなく、これからのライフスタイルを多面的にサポートすることで、今後はさらなる価値を生み出していくことでしょう。

皆さんも、参考事例を研究しながら、あなただけの繁盛店をぜひ作ってくださいね!

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magazine 編集部

magazine 編集部

店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。