「クッション言葉」を自然に用いて気持ちの良い接客を!

飲食店やアパレル販売、化粧品販売などで接客をしている人や、これまで接客はやったことがなかったけれど、最近始めたという人であれば、日々言葉づかいを含めた接客マナーに気をつけていると思います。

しかし、いざ自分自身の接客を振り返ってみると、本当にこれで合っているのかな、変な言葉づかいをしていないかな、と少し不安になりませんか?自分自身の接客スキルを上げるためにも、そして何より、より自信をもって接客ができるようになるためにも、今一度接客マナーを学んでおきましょう。

今回は、その一環として「クッション言葉」という、接客時に使うととても便利な言葉づかいに注目したいと思います。この「クッション言葉」をマスターすれば、接客の質が格段に上がりますよ。

 

クッション言葉とは?

接客の場面においてはもちろん、日常でも使えると便利な言葉である「クッション言葉」。どういったものなのかというと、会話の初めにつけることで直接的ではない・やわらかい表現に変化し、相手に丁寧な印象を与えることができる言葉です。

接客をしている時、お客様に対して「お願い/依頼」をする、または「謝罪/お断り」をするといった、少し言葉づかいに気をつけなければいけない場面がありますよね。そんな時、クッション言葉を使うことができれば、言いにくいことも多少スムーズに伝えられるようになります。

 

明日から使えるクッション言葉集

言いにくいことが少しでもスムーズに、お客様に対して失礼なく伝えられるクッション言葉。さっそく学んで、接客シーンに活かしていきましょう!

 

「お願い・依頼」をするときのクッション言葉

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お客様に対して何かお願いしなければいけない時って、ありますよね。例えば、書類に必要事項を記入してもらう時や、場所や席の移動をお願いする時など、接客シーンでは日常茶飯事かと思います。そんな時にとっても便利なクッション言葉をご紹介します。

▼ 「お手数ですが」

「お手数ですが、こちらの書類に必要事項をご記入ください」……といったように、「お手数ですが」をつけることで、本当に手をわずらわせて申し訳ないけれど、という気持ちが伝わってきますよね。お客様に何かをしてもらわないといけない場面では、この「お手数ですが」というクッション言葉がとても汎用性が高く便利です。

▼ 「よろしければ」「差し支えなければ」

お客様に少し聞きにくいことを聞きたいときに使えるクッション言葉です。「よろしければ、ご来店くださった理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」というように、お客様の内側に少し踏み込んだ質問をするにはとても便利です。他にも、「差し支えなければ、お悩みについてお聞かせください」といった、アパレルや化粧品、薬などの販売でお客様によく尋ねることについても使えます。

▼ 「恐れ入りますが」

一見、謝罪の言葉にも受け取られがちですが、「恐れ入りますが、もう少々お待ちいただけますでしょうか」など、お客様に感謝の気持ちを添えて何かをお願いするときに用いるクッション言葉です。飲食店ではお客様が自ら進んで下膳してくださった時、アパレルであれば服を畳んでくださった時など、「本当はしなくてもいいことをしてくれた」時には、「ありがとうございます」よりも「恐れ入ります」のほうが丁寧な感謝の表現になるということも覚えておいてください。

「謝罪・お断り」をするときのクッション言葉

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〜謝罪編〜

お客様に謝る、謝罪をする場面は、接客業において日々訪れるもの。お客様を少し待たせてしまったり、お客様の希望するものがなかったりした場合は、こちら側に非がなくとも謝罪をしなければいけません。そんな時、より丁寧な印象になるクッション言葉を使えば、お客様が受ける印象も違ってきますよ。

▼ 「ご不便をおかけしまして」

お客様にご購入いただいた商品がすぐに壊れてしまった時や、お客様の依頼への対応に不備があった時などに使うとよいクッション言葉です。例えば、「ご不便をおかけしまして誠に申し訳ございません。早急に対応させていただきます」というような使い方ができます。ただ「申し訳ございません」と謝るよりも、「ご不便をおかけしまして」と初めにつけた方がとても丁寧な印象になりますね。

 

〜お断り編〜

お客様の依頼に対して、どうしても対応できない場合ってありますよね。そもそもその商品を扱っていなかったり、サービスをしていなかったりといったこともありますし、お客様が少々無理を言われる場合も少なくないでしょう。そんな時に使えるクッション言葉をご紹介します。

▼ 「あいにくですが」「申し訳ございませんが」

「あいにくですが、当店ではご希望の商品の取り扱いがございません」「申し訳ございませんが、お客様のご要望には添いかねます」という風に使います。「本当は、希望に応えたいのだけれど……」という感じが伝わってきますよね。お客様の依頼に応えられない場合は、このクッション言葉をつかってお断りすると良いでしょう。

 

要注意!クッション言葉の不自然な用い方

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クッション言葉は、接客シーンにおいてとても便利な言葉だということがお分かりいただけたかと思います。ぜひ日々のお仕事で使っていただきたいのですが、少し気をつけなければいけないこともあります。クッション言葉はその便利さと使い勝手の良さから、使いすぎると逆に印象が悪くなってしまうこともあるのです。

▼ 同じクッション言葉を多用する

クッション言葉に限らず、同じ言葉を何度も何度も言われると少しイラッとしますよね。会話においても文章においても、同じ言葉を多用する、乱用することは避けたいものです。また、何度も何度もクッション言葉を使うことで、お客様が委縮してしまうこともあります。

「恐れ入りますが、こちらのお席でお願いできますでしょうか?」「恐れ入りますが、ご注文の際はこちらのベルでお呼びくださいませ。」

「恐れ入りますが、メニューを下げてもよろしいでしょうか?」

いかがですか?飲食店でよく聞く言葉づかいかと思いますが、こうも「恐れ入りますが」が連続して使われてしまうと、お客様にとっては、自分が何か悪いことをしているような気持ちになってしまうかもしれません。同じクッション言葉を多用すると、せっかく丁寧な印象になる言葉も反対に相手に不快感を与えてしまうものに変わってしまうのです。

▼ 謝る必要のないときに謝ってしまう

特にこちら側に非がなく、お客様に不快な思いをさせていなければ、当然謝る必要はありません。しかしながら、接客のシーンではこのように必要のない謝罪が割と多くみられるのです。

「申し訳ございませんが、こちらにご記入いただけますでしょうか」

「申し訳ございませんが、ご記入いただいた用紙を回収させていただきます」

「申し訳ございませんが、ご記入いただいた内容をもとにコースのご案内をさせていただきます」

用紙に記入してもらうこと、その用紙を回収すること、お客様の回答をもとにコースの案内をすること……これらはどれも、謝る必要はない行為ですよね。それなのにこうも「申し訳ございませんが」と謝っていては、まるでお客様が悪者のようです。こういう場合は、

「お手数ですが、こちらにご記入いただけますでしょうか?」「ご記入いただきありがとうございます。用紙を回収させていただきます。」

「用紙を拝見いたしました。こちらの内容をもとにコースをご案内いたします。」

これでOKです。謝罪にまつわるクッション言葉は、何度も使うと逆に信用が下がってしまうということは気をつけなければいけませんね。

 

まとめ

接客業をするうえでとても大切になる、言葉づかい。日々気をつけてはいるけれど、本当はしっかりできているのか少し不安……という人は少なくないと思います。今回ご紹介したクッション言葉は、様々な接客シーンでとっても有効活用できるものですから、ぜひ日々の業務に活用していただきたく思います。

また、ご紹介したクッション言葉はほんの一例なので、これをきっかけにクッション言葉について勉強してみるのも良いですね。ただし、多用や乱用は禁物です。丁寧な言い回しを心がけたつもりが、意図せず相手を不快にさせてしまうこともあるので、使い方には注意しましょう。