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気温が高く湿気が多い夏は細菌が増殖しやすく、1年のうちでもっとも食中毒対策に力を入れなければならない季節です。

調理設備が整っている環境でも、年間1,000件ほどの食中毒が発生しています。

飲食店にとって、自分の店鋪から食中毒患者を出してしまうのは大きな信用を失ってしまうため、注意しなければいけません。

そこで今回は、見落としてしまいがちな食中毒が発生しやすいポイントを紹介します。

食中毒が発生しやすい、6つの落とし穴

食中毒

食中毒の主な原因は、細菌かウィルスによるものです。ウィルスは食品の中で発生・増殖することはありませんが、細菌は温度・水分・栄養の条件がそろうと、みるみるうちに増殖していきます。

とくに高温多湿である夏は細菌にとって最適な環境であるため、細菌が発生しやすいのです。

1:食材を常温のまま放置している

食材は、室温(20度〜)から体温程度の温度においたまま放置しておくと食材の中の細菌が増殖しやすくなり、食中毒が発生する確率が高くなってしまいます。

よく使用する食材を、作業台の上に置いたままにしている店舗も多いかもしれませんが、できるだけこまめに冷蔵庫にしまい、10度以下の環境で保存することをすすめます。

ソースやスープなどをしまうときはバットに移し、粗熱をとってから蓋をしてしまいましょう。

2:生の食材を素手で触っている

生肉や魚を、素手で調理することがある店鋪も要注意。黄色ブドウ球菌が付着するおそれがあるうえに、この菌は加熱しても死亡しません。ビニールの手袋を使用しましょう。

また、素手でおにぎりを握る、サラダを盛りつけるなどの行為も要注意。トングや箸などを使用し、できるだけ触れないように心がけましょう。

3:すべての食材を同じまな板・包丁を使って調理する

生肉や魚などの調理と、野菜の調理を同じ器具で行うと、細菌やウィルスが食材に移りやすくなります。食材別によって、使用する調理器具を使い分けましょう

また、使用したあとのまな板はタンパク質が入らないようにぬるま湯で洗い流し、中性洗剤を使用して包丁の傷に沿ってスポンジでこすります。最後に熱湯をかけるか煮沸をし、使用前にアルコール消毒をするよう心がけてください。

4:冷凍した食材の解凍が不十分

冷凍保存した食材を使用するとき、解凍が不十分であると、加熱したときに熱が通りにくくなってしまいます。食材を冷凍しても細菌が死ぬことはないので、使用するときは十分に解凍してから使い、火が通っているかよく確かめましょう。

5:スポンジやふきんなどは、毎日同じものを使用している

食器に触れるスポンジやふきん、ダスターなどを清潔にしていなければ、食材の管理に気をつけていても無駄になってしまいます。スポンジやふきんは毎日きちんと新しいものに換え、清潔で乾いたものが使えるようにしましょう。

6:体調の悪いスタッフが無理をして出勤している

ノロウィルスなど、感染症の疑いがある場合は出勤停止とし、その他体調不良を訴えるスタッフには無理に出勤させないようにし、家族に体調の悪い人がいないかも確認します。

また、怪我で十分な手洗いができないスタッフには、直接食品を扱わないポジションで働いてもらうなどの対策を行うことをすすめます。

1年に1度の健康診断、定期的な検便の提出も実施し、スタッフの健康チェックを欠かさず行うことが大切です。

持ち込まない・増やさない・殺菌の3つで対策!

食中毒

食中毒の対策の基本的な対策は食中毒の原因をつけない・持ち込まないように手洗いをし、清潔な環境にすること、正しく食材を保管して食品中の細菌を増やさないこと、使用前に殺菌・加熱をして細菌を殺すことの3つです。

夏だけに限らず、飲食店は年中通して対策をしておきたい食中毒。この機会に、もう一度見直してみましょう!

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。