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「うっかり違反していた」では済まされない!最低賃金について知っておくべきポイント。

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店舗運営において、多くの方を悩ませている“人材不足”の課題。募集時に高い時給を設定すれば応募数は多くなるかもしれませんが、店舗の利益を踏まえるとそう簡単にできることでもありません。一方で、利益を考えて低い時給を設定すれば、応募そのものが少なくなってしまう……まさに、どうにもこうにもいかない状況です。

さらに採用時に気をつけておきたいものといえば、“最低賃金”。各都道府県別に定められている最低賃金は労働者の生活水準の向上を目的に年々引き上げられています。実際に平成28年10月1日に“最低賃金法”が改正された東京都では、最低賃金が907円から932円となりましたが、この最低賃金以下で人材を募集することは原則としてできません。

今回はこの最低賃金について、知っておくべき注意点を紹介します。すでにご存知の方も、内容を改めて知りたい方も、今一度確認しておきましょう。

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改めて知っておきたい! 最低賃金法の基礎知識。

最低賃金は“最低賃金法”という法律で最低限度額が定められており、雇用する側は最低賃金以上の給与を労働者に対して支払わなければいけません。この最低賃金は雇用形態に関わらず、すべての労働者に適用されます。

 

最低賃金の種類

最低賃金はふたつの種類に分けられます。ひとつめは、それぞれの都道府県で定められている“地域別最低賃金”。こちらは正社員、パートタイマー、派遣社員、アルバイトなど、雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されています。

一方で“特定(産業別)最低賃金”は特定地域内かつ、特定の産業での労働者が対象です。地域や産業の詳細は厚生労働省ホームページの「特定最低賃金の全国一覧」にて確認が可能です。こちらに該当する場合は2種類の最低賃金のうち、高いほうの最低賃金が適用されます。

 

違反すると、どんな罰則があるの?

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もしも最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合、最低賃金額との差額を支払わなければいけません。たとえ従業員と店舗の間で合意があったとしても、それは無効となります。いかなる事情があったとしても、定められた最低賃金は支払う義務が発生することを把握しておきましょう。

最低賃金を下回る賃金しか支払わず、なおかつ最低賃金額との差額を支払わない場合には罰則として50万円以下の罰金が課せられます。(特定(産業別)最低賃金未満であれば30万円以下の罰金)

さらに、違反行為は店舗のマイナスイメージにもつながります。「最低賃金以下で労働者を働かせる」という印象が一度でも生じてしまえば、その後店舗で働こうとする人はいなくなってしまいます。最低賃金の違反によって失うものは金銭的な罰則だけではなく、信用も失うことになるのです。

 

対象外のケース

原則としてスタッフには最低賃金以上の賃金を支払わなければいけない決まりとなっていますが、各都道府県の労働局長の許可を得ることで最低賃金が減額されるケースもあります。以下のように一般の労働者よりも著しく労働能力が低い場合、一律の最低賃金を適用すると逆に雇用機会を狭めるおそれがあるため、厚生労働省によって特例が認められています。

■精神または身体の障害で著しく労働能力が低い方
■試用期間中の方
■基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける方のうち厚生労働省令で定める方
■軽易な業務に従事する方
■断続的労働に従事する方

この最低賃金について減額の特例許可を受けるためには、許可申請書の作成と提出が求められます。減額が認められるケースによって準備する書類も異なるため、最低賃金の減額の特例許可申請書の記入要領を確認したうえでしっかりと申請を行いましょう。

 

違反していませんか? 最低賃金のチェック方法

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最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本給と諸手当です。賞与や結婚手当といった臨時に支払われるもの、通勤手当や残業代は含まれません。

また、最低賃金額の改定を知らず、「最低賃金よりも低い給与で求人情報を出してしまった」、「最低賃金額を割ったままの給与を支払い続けていた」といった形でうっかり違反をしてしまう事例も過去には見られます。「うちに限ってそんなことは……」と考えている方も、改めて計算方法を把握したうえで確認をしてみましょう。日給や週給、月給制であれば対象賃金額を時間額に換算し、適用される最低賃金額との比較が求められます。

※2017年3月時点での東京都の最低賃金:932円での算出

【時間給の場合】
時間給≧最低賃金額(時間額)

時間給の場合、時間給と最低賃金額を比較します。以下のように、東京都においてスタッフが時給800円で働いている場合、最低賃金を下回っていることになります。

(例)時給800円<東京都の最低賃金額932円=最低賃金未満

【日給の場合】
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
※ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、日給≧最低賃金額(日額)

(例)東京都において所定労働時間8時間、日給8,000円での勤務
日給を所定時間額で割って時間額に換算し、最低賃金額と比較します。
日給8,000円÷8時間=1,000円>東京都の最低賃金額932円=最低賃金以上

【月給の場合】
月給÷1ヶ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

(例)東京都で所定労働時間7時間(日)、1ヶ月の所定労働時間150時間、基本給120,000円、職務手当25,000円、通勤手当5,000円、時間外手当35,000円=185,000円

1.合計金額より最低賃金の対象とならない通勤手当、時間外手当を除きます。
月給185,000円−(通勤手当5,000円+時間外手当35,000円)=145,000円

2.この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較します。
145,000円÷1ヶ月の所定労働時間150時間=967円>東京都の最低賃金額932円=最低賃金以上

 

トラブルを避けるためにも、毎年の最低賃金の改定をチェックしよう。

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最低賃金は毎年、10月頃に改定されています。「いつの間にか自分の住む地域の最低賃金が引き上げられていた」という確認不足から、知らないうちに違反してしまっていた……なんてことは絶対に避けましょう。店舗側とスタッフ側、お互いに気持ち良く働けることができるよう、しっかりと確認しておくことが大切なのです。

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