ハサミは美容師の命!今さら聞けないカッティングシザーの手入れ法。

ハサミといえば美容師の命であり、大切な相棒です。サービスの質に直結するアイテムだからこそ、手入れを怠らず、常に最高の状態で使いたいですよね。

今回は、美容師になったばかりの方にはもちろん、「改めて知りたい」という方にとっても役に立つ、ハサミの大切なチェックポイントやお手入れ方法をご紹介します。

 

あなたのハサミは大丈夫?チェックポイントと起こるトラブル

汚れ、サビはハサミの天敵です。汚れやサビを少しでも放置していれば、切れ味が悪化しカットのスピードが落ちる他、お客様の髪を傷めてしまう可能性まであります。「切られた時に痛かった」、「髪の毛をハサミで引っ張られた」なんていうクレームは、美容師としては命取りです。

それに、せっかくご来店していただいたお客様の髪に枝毛や切れ毛を作ってしまうわけにはいきません。カット中の違和感に気付く前に、以下のポイントを日々チェックして、ハサミの状態を維持することが大切です。

 

▼ 乾いたティッシュが綺麗に切れるか
ティッシュを使えば簡単に切れ味の確認ができます。お客様の髪を引っ張ってしまうことがないか、すきバサミのチェックには特に重要です。

 

▼ ハサミの汚れを拭き取ることができるか
簡単に落ちない汚れには要注意。サビてしまう一歩前かもしれません。

 

▼ 開閉はスムーズか
刃やネジに問題があればスムーズに開閉できません。ハサミの開閉に注意をしておけばカット時の負担を軽減でき、腱鞘炎の予防にもなります。

 

セルフメンテナンスの方法と注意点

セルフメンテナンスの必須アイテムは刃の拭き取りを行う「セーム革」、ハサミの開閉をスムーズにし、汚れを落とすための「油」の2点です。どちらもハサミに付属されていることが多いですが、自分に合ったものを使うのがベストです。

 

▼ ハサミを拭くのに欠かせない「セーム革」

「セーム革」は汚れが無く、柔らかいものを用意しましょう。汚れたものを使ってしまうと、ハサミに細かい傷がついてしまいます。

もしも汚れていたら、時間はかかりますが中性洗剤でやさしく揉み洗いし、絞らずに日陰でじっくりと干したり、低温でアイロンにかけることで再利用できます。絞ると革の繊維が硬くなり消耗が早くなってしまうので、新しく購入しましょう。

セーム革・画像
(出典:e.m.WEBSHOP

▼ スムーズなハサミの動きと汚れ落としには「油」

「油」はお客様に直接触れるものであるため、安全性が高いものを選びましょう。汚れを簡単に落とすことができるスプレータイプのものを好んで使う方もいるそうです。

ハサミ・油
(出典:ハサミ屋はやし【通販サイト】

 

メンテナンスの手順

それではメンテナンスの作業について紹介します。手を切らないよう、十分注意してください。

 1. 拭き洗い

まずは親指と人差し指で2、3枚に折り重ねたセーム革を持ち、根元から刃先の方向に向かって動かして汚れを落とします。ハサミにこびりついた汚れを落とすのと同時に、目に見えない小さな「バリ」=「返り刃」を取り除きます。

この「返り刃」は長い間そのままにしておくほど取り除くことが難しくなり、切れ味の低下を引き起こします。毎日のメンテナンスが非常に重要ということが分かりますね。

拭いても落ちない汚れは熱いお湯で洗い流し、再度セーム革を使って水分を残さないよう拭き取る必要があります。ここで熱いお湯を使うのは、水やぬるま湯よりも汚れが落ちやすく、蒸発の早さからハサミ本体に水分が残りにくいためです。

この時、すきバサミには歯ブラシを使うのも有効です。クシとクシの間に挟まった細かい髪の毛を取り除くのにとても便利です。

 

 2. 油をさす

続いて、油を補給します。ハサミの刃を開いた状態でネジの下部分、更にそこから手元に寄った「触点」に1〜2滴。ネジ部分には1滴。ネジ部分から刃先に向かっての部分にも表面と裏面、それぞれ1〜2滴の油を補給します。

次に、全体的にオイルが行き渡るよう、まんべんなくセーム革を使って馴染ませます。皮脂や頭皮の汚れが溜まりやすい「触点」を綺麗にし、油で開閉をスムーズにするこの工程はハサミの寿命に大きく関わっています。ハサミを長く大切に使うためにも、特に丁寧に行いましょう。

ハサミ・触点
(出典:シザーズプライム

更に全体の汚れと油が残らないよう、最初の工程と同じく2、3枚に折り重ねたセーム革で拭き取っていきます。セーム革がきちんと刃に当たるよう、反対側の刃も同様にして親指を刃に軽く押し当てるのがポイントです。

 

 3. ネジを調整する

最後に、ハサミを数回開閉してネジの硬さを確認します。適切な硬さを保つことで、お客様の髪を噛んでしまったり、刃が強くあたり過ぎることを避けられます。

最適な締め具合はハサミのメーカーによって異なりますが、一般的には刃をゆっくりと閉じた時に、刃の中心辺りからそれぞれの刃同士が擦れ合いを感じる程度の強さが適しているとされています。

この他にも、ハサミを無理に押し切るように使用していると刃に大きな負担をかけることになってしまいます。普段の使用についても今一度振り返ってみましょう。

 

目指すは「自分の技術を最大限に引き出してくれる」ハサミ

ヘアカット用のハサミは高価で、気軽に何個も購入できるものではありません。しかしなによりも美容師として、メンテナンスを大切にし、手に馴染んだハサミを長く使い続けることは大切です。自分の道具を大切にする美容師さんはカットも優しく、お客様からの信頼もきっと集められるはずです。

どんなに忙しくても、1日の仕事を終えた時点でのハサミの状態の確認は忘れてはいけません。最低限でも「水分がハサミに残っていないか」、「毛髪がハサミに付着していないか」の2点に注意しておきましょう。

さあ、あなたも不十分なハサミの手入れが原因のトラブルを避け、よりお客様にご満足いただけるカットを目指しましょう!