1年のうち、最も雨が多い時期はいつかご存知でしょうか?そう聞かれてぱっと思いつくのは、「梅雨」である6月頃かもしれません。しかし、気象庁のデータによれば、2016年で降水量が最も多かった月は8月の414mm、次に多いのは9月の287mmです。まさにこれから、雨が多い季節がやってくるのです。
しかし、雨が降っているとついつい人は外出を控えてしまいがち。お店としては、集客が思うように望めないマイナス要素となってしまうことでしょう。それでも、雨の日だからこそ得するサービスがあれば、「雨だけど行ってみようかな」とお客様がお店へ足を運ぶきっかけ作りにもなります。雨だからこそできる集客方法に取り組めば、急激な集客人数の減少を防ぐことができるのです。
今回はお店が実践すべき雨の日対策を、実例を交えてご紹介します。
参照:http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2016&month=01&day=&view=a1
雨天でも「外出したくなる特典」を!
出かけようとしても、窓から雨空が見えたところで「やっぱり家にいようかな」とお客様は思われることでしょう。何か「出かけたくなる」「寄りたくなる」理由がなければ、雨の日にわざわざ傘を差して出かける動機作りには至りません。雨の日にお店にきていただくには、その “理由”を提供することが大切です。
そんな時に行いたいのが、店舗に来店されたお客様を対象に「雨の日限定サービス」。内容としては、下記のようなものが多くみられます。
飲食店でのサービス例
・トッピング1品の無料サービス
・ドリンクのおかわり1杯無料
・特定のメニューの割引、増量
・雨の日限定メニューの提供
雨の日に追加メニューのサービスを行えば、「これまで追加してなかったけど、美味しかったからまたトッピングしてみようかな」という新たな発見が生まれます。追加メニューを試す機会により、雨の日以外の売り上げアップにもつながります。
また、雨の日だけ食べられるメニューを開発することもおすすめ。「雨が降ったから、あのメニューが食べられる」とお客様の中でイメージが生まれ、自然と雨の日にお客様が来店されることでしょう。
飲食店以外 でのサービス一覧
・サンプルのプレゼント
・お荷物や靴への防水スプレーをかけるサービス
・ポイントカード2倍
・マッサージメニューなど、オプションメニューのサービス
この他にも大手百貨店では、「雨の日は荷物が面倒だ」というお客様の懸念を解消するために、購入いただいた品物をご自宅へ無料で送付する“雨の日宅配サービス”もありました。このような「雨の日ならではのお悩み」に向き合い、どうすればお客様の満足度が高くなるかを今一度考えてみましょう。
そんな雨の日サービスは、お客様が知らなければ意味がありません。LINE@やSNSなどを通し、雨の日サービスを実施していることをお知らせしておきましょう。
▶︎過去記事:メッセージのやり取りだけじゃない!集客のヒントはLINE@にあった。【店長のためのWeb集客術】
突然雨が降ってきた!そんな時こそ「一目でわかるサービス告知」でお客様はやってくる。
外出先で突然雨が降り出したら、「どこかで雨宿りをしたいな……」と考えるお客様もいらっしゃるはず。そんな時こそ、最初から来店を考えていたお客様以外の獲得につなげるためにも、「雨の日サービス」を行っていることをぱっと見てわかるようにしましょう。「雨宿り目的だったけど、サービスまで受けられるなんて嬉しい!」という印象はお店選びの大きな決め手にもなります。そのためにも、看板に「雨の日割引あります」、「タオルの貸し出しをしています」といったサービス内容のアピールをしてみてはいかがでしょうか。
また、雨の日限定で食べ放題、飲み放題サービスを行う店舗もあります。雨の日に集客が伸び悩むと、気になるのは食材のロス。しかし食べ放題、飲み放題にすればお客様の獲得につながり、ロスを減らすことができます。
雨の日サービスを行う際に気をつけたいのが、「サービス適用の条件」です。実際に雨の日サービスを行っている店舗では「雨が止んでもOK」、「朝9時の時点で降水確率が50%を超えていたらOK」、「小雨でもOK」といった条件を事前に提示しています。
店舗側も天候をこまめにチェックしながら、サービス適用となるのかを判断し、スタッフ間で共有するようにしましょう。サービスが適用されているお客様とされていないお客様がいた場合、重大なクレームとなってしまいます。
雨の日に来店されたお客様のため、揃えておきたいグッズ
雨に遭われたお客様は、服が濡れたことで風邪を引いてしまうかもしれません。そんなお客様に対し、店舗では以下のようなグッズをご用意してはいかがでしょうか。
濡れた体を拭けるタオル
飲食店ではおしぼりの提供をサービスとしていますが、さらにもう1枚、乾いたタオルがあれば一層嬉しいもの。提供後に都度洗ったり、棚に保管しておく必要があるため、時間やタオルの数に余裕を持って備えておきましょう。
雨で冷えた足元を温めるブランケット
冷えたままでは、とてもリラックスのできる状態ではありません。どれだけのサービスがあろうと、お客様もすぐに席を立ってしまいたくなるものです。
そこで導入したいのがブランケットのサービス。ブランケットの貸し出しサービスは、カフェやサロン以外に実施しているお店が少なく、他店との差別化にもなります。
折りたたみ傘にも嬉しい傘立て
足元が濡れてしまう雨の日、店先に水たまりがあっては入店をためらってしまうもの。吸水性の高い玄関マットの使用や、モップでこまめに清掃することも重要ですが、傘立てからのしずくも厄介です。
特に問題なのが、折りたたみ傘。通常の傘立てには入れることが難しいため、地面に置かれがち。そのため床には水たまりができ、見た目にも足元に傘が置かれている光景はあまり気持ちのいいものではありません。そんな時には、「折りたたみ用の傘立て」を設置するのも良いでしょう。
出典:http://www.askul.co.jp/p/2664126/
傘立てを設置するスペースが確保できない場合は傘袋を用意し、お客様に傘を持ち込んでいただく方法もあります。しかし、使用済みの傘袋を捨てるゴミ箱からあふれる傘袋は見た目も良くないもの。適度にゴミを回収するよう意識しなければいけません。
その他にも傘の水滴落としを設置するなど、規模やコストに合わせて店舗に合った方法を考えて導入するのがおすすめです。
傘の貸し出しサービス
家にはコンビニで買った傘がもうあるから、また買うのはもったいない……そんな思いをされるお客様もいるかもしれません。だからこそ、お客様に傘をお貸しするサービスを導入してみてはいかがでしょうか。
しかし、ここで懸念となるのは、「傘の返却」。せっかく用意した傘が返却されず、新たに傘を用意して……ときりがないように思えるかもしれません。そんなお悩みには「次回来店時に傘をお持ちの方にはワンドリンクサービス」といったサービスが有効。再来店を促しつつ、傘の返却率も上がるのは店舗にとって嬉しいことばかりです。
マイナスな気分の雨の日こそ、新たなお客様との出会いを。
ちょっとした雨宿りでお越しになるお客様には、大きな売り上げは見込めないかもしれません。それでも間違いなく新たな顧客創造の大きなチャンスです。雨の日にふらっと立ち寄ったお客様を、晴れの日でも寄ってもらえるようにするためにも、こうした雨の日サービスはとても有効です。ぜひ、試してみてください。