ネイリストとして働いているけれど、そろそろ独立して自分のサロンを持ちたい。そんな思いを抱いているものの、一方で「新規で開業するにしても、一体何から始めればいいんだろう?」、「集客ってどうすればいいの?」と不安なことも多いはず。
今回はネイルサロンを開業するにあたって必要なもの、集客の方法などを紹介します。
ネイルサロン開業にあたって必要なもの
「開業したい!」という熱意は大切ですが、事前準備が不十分なままで取り掛かるのは要注意。失敗しないために、開業するにあたって用意すべきものをひとつひとつ見ていきましょう。
場所
開業コストを抑えるのに有効なのは、自宅の一室やリビングの一部を使った自宅サロンから始めること。ネイルサロンはテーブルや椅子、ネイル用品といったものがあれば十分なので、スペースも最小限で済みます。
サロンの雰囲気作りに妥協したくない方は、インテリアや内装にこだわるのも良いでしょう。追加で資金は必要となりますが、壁紙や照明、家具などをもとに自分好みのサロンを作ることができます。
また、自宅ならではのアットホーム感も大きなアピールポイント。「サロンに行く」というよりも「誰かのおうちにお邪魔する」という感覚になるため、お客様との距離感は近くなることでしょう。ひとりひとりのお客様と友好関係を築きやすいサロン作りが可能です。
一方できちんと整備が整っていなければ、サロンに生活感が漂ってしまいます。清潔感を維持できるようサロンの空間作りを徹底する、リビングの一部を利用する場合はパーテーションを使って区切るといった工夫が必要です。
▷過去記事:ネイリストとアイリストの独立、どれが正解?自宅で開業する「ホームサロン」のメリット・デメリット
また、ネイルサロンのためにマンションやビルの一室を契約し、サロンとする方法もあります。費用はもちろん自宅サロンよりも多くなりますが、部屋すべてが最初からサロンとして利用できるため、整備をする負担が少なくなります。借りる際には予め商業目的であること、多くの人が出入りすることをオーナーに伝えておくことが必要です。
そして自宅サロンは防犯上、住所を簡単に公開できません。しかしマンションやビルを借りたサロンであれば住所が記載できるため、信頼度につながるほか、「近くだから行ってみよう」という来店のきっかけにもなります。コストやその他の負担を踏まえ、自分に合った形式で場所を決めましょう。
資格
ネイリストの資格は国家資格ではないため、保持していなくてもサロンの開業ができない……といったわけではありません。
しかし、お客様に満足いただける施術をするには、経験や技術、専門知識は必要不可欠。過去にはネイルの基礎知識がないことから薬品で怪我をさせてしまった、本来ならば避けるべき施術がきっかけで爪の状態を悪化させてしまった事例もあります。
お客様の怪我を防ぐことはもちろん、ご満足いただける施術を行うためにも以下のネイルの資格試験は取得しておきましょう。
【JNECネイリスト技能検定試験】
内閣府の認定を受けた団体(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)が主催し、正しい技術と知識の向上を目的とした検定試験です。実技試験と筆記試験を行い、基本的な技術と知識が中心の3級、サロンで実際に営業を行う際に必要な技術、知識が中心の2級、トップレベルのネイリストとして通用する技術と知識が中心の1級の三段階にわかれています。
【JNAジェルネイル技能検定試験】
先述した検定試験の、ジェルネイルに特化した試験です。ジェルネイルが近年需要が高まっているため、こちらも取得していることが望ましいでしょう。
【ネイルサロン衛生管理士】
ネイルサロンにおける衛生管理の向上を目的とした資格です。講習を受けた後、確認テストや解説、成績発表を行います。
施術後のトラブルを防ぐためにも、危機管理のひとつとして取得しておきましょう。
届出
メイクをしたり、髪をカットするサロンでは保健所への届出が必要となりますが、ネイルサロンを開業する際に必要になるのは「開業届」のみです。忘れずにしっかりと届出を税務署まで提出しておきましょう。
あれば集客に役立つ!用意しておくと便利なもの
ネイルサロンに限らず、店舗は開業すれば終わりというわけではありません。開業後、お客様に知っていただく、お越しいただくためには集客を行う必要があります。続いて、集客に役立つものを見てみましょう。
Instagramのアカウント
ネイルはInstagramを使った投稿に最適です。「#nail」や「#秋冬ネイル」といったハッシュタグを使い、ネイルが好きなお客様に届く工夫を行いましょう。
そして施術を行ったお客様には「Instagramへアップしてもよろしいでしょうか」と一言かけることで、お客様との間にコミュニケーションが生まれることもあります。
名刺
サロン名や電話番号、Instagramのアカウント名などを書いた名刺は新規のお客様へのアピールに有効です。ただ作るのではなく、「結婚式やパーティーにぴったりなネイルが得意です」と具体的なアピールを入れたり、名刺を持参していただいた方にはサービスを提供するなど、お客様に「行ってみたい」と思わせる工夫をしましょう。
あこがれの自分だけのサロン。失敗しないためにも十分な準備を。
自分だけのサロンは多くの人にとってあこがれのもの。しかし、しっかりと準備を行わなければ、トラブルが起こって閉店せざるを得ないかもしれません。
少しでも多くのお客様に満足いただけるよう、開業までに「必要なものは何か」、「今用意できるものは何か」を把握し、妥協することなく着実に準備を行なっていきましょう。