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もしも注文した料理や飲み物に入り込んだ髪の毛や虫を見つけたら……言うまでもなく、お客様の嫌悪感はとてつもないでしょう。たとえ故意ではなかったとしても、お客様を不快にさせてしまうことは間違いありません。

髪の毛や虫などの異物は、混入経路を自分でコントロールできないため、完全にゼロにすることは難しいもの。とはいえ、極力入らないようにする努力は必要不可欠です。

この記事では、普段からできる異物混入の対策と、お客様からクレームをいただいた際の対処法について紹介していきます。

異物混入対策の第一歩は、日々の衛生管理を徹底すること!

国民生活センターに寄せられた異物混入に関する相談件数は約16.000件以上(2009年度以降累計)にも及び、そのうち「異物によって口内を切った」「歯が欠けた」など、怪我を伴うものは約3,000件。

髪の毛や虫類、食材梱包材の一部にとどまらず、金属片やガラス片をはじめとする異物が、お客様に提供する料理に混入したケースは年々増加傾向にあります。

※詳しくはこちら→国民生活センター「食品の異物混入に関する相談の概要」

混入した異物が原因で、お客様の体調が悪くなったり、怪我をされることはあってはならないことです。

実際に異物混入が発生すれば、店舗名とともにSNSや口コミサイトによってクレームが大多数に拡散されることもあります。たとえば、まるか食品株式会社が販売する「ペヤング」や、マクドナルドの「チキンナゲット」。商品に異物が入っていたことをSNSに投稿されたことで、商品の全回収はもちろん、謝罪会見を開く事態になりました。

SNSや口コミサイトには爆発的な拡散力があるため、一度投稿されるだけで、店舗の信用・信頼を大きく失うことになりかねません。

そうならない為にも、毎日の徹底した衛生管理が必要です。さっそく、異物混入を防ぐためにどういったことに気をつければいいのか探っていきましょう。

個人の身だしなみを整える

キッチンやホールで人が対応する以上、毛髪などが混入する可能性はゼロではありません。その為にも、身だしなみを整えることが大切。清潔感を印象付けるだけでなく、異物混入も防げます。

ピアスや指輪などのアクセサリー類を外すのはもちろん、ユニホームのほつれは、修繕・交換を行います。そのままにしておくと、糸くずなどがふとした時に外れ、料理に混入する可能性があります。

着替える際には、制服やエプロンにローラーがけを行い、チリやホコリを取り除きましょう。また、髪の毛をブラッシングし、ヘアワックスやヘアゴムでまとめると、料理や飲み物への混入を防ぐことができます。

こうした身だしなみは、自分自身だけではなく、他の従業員にも徹底させることが大切。店舗内のルールとして、全体に共有しておくといいでしょう。

店舗の掃除は定期的に

どこからともなくやってくる、コバエやゴキブリ。

虫の混入を防ぐためには、食品から出たクズや生ゴミを素早く片付け、匂いが漏れないよう袋を二重にするといった対策が効果的。また、ゴミ箱に貼り付けるタイプの防虫剤を活用するのもおすすめです。

また、冷蔵庫やコンロなど、大型調理器具の周りは掃除が難しいものですが、隙間に熱湯を流すだけでも効果は抜群。毎日の掃除が難しい箇所でも、スケジュールを立て、定期的に清掃するようにしましょう。

異物混入のクレームが!どう対応すれば良い?

どんなに毎日の衛生管理を徹底しても、異物混入の発生が発生することもあるでしょう。そんなときは、「丁寧な謝罪」と「気持ちよくお店を楽しんでもらう」ことを心がけた対応が求められています。

まずは丁寧な謝罪。そしてお客様の要望をよく聞くこと。

「ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」
「大変失礼いたしました。深くお詫び申し上げます」

異物が入っていたことにクレームを受けたら、まずはていねいに謝罪をしましょう。そして、お客様からお話を伺い、事実確認を行います。

異物混入を発見したお客様は、少なからず怒りや不快な気持ちを抱いています。二次的なクレームを生まないためにも、表情や態度、言葉づかいには注意が必要です。些細な部分をきちんとすることで、お客様は誠心誠意対応されている印象を持つはずです。

話を聞く際の態度としては、うつむかず、背筋を伸ばすことを心がけましょう。また、横柄な態度に見えてしまうため、後ろで手を組むのは避けるべきです。

そして、お客様がお話しされているときは、言葉を遮らず、最後までよく聞くこと。適度に返事やあいづちを返すことで、店舗側がお話に耳を傾けている姿勢を見せられます。

また、謝罪をしてもお客様の怒りがおさまらない場合や、解決策がわからない場合は、店舗責任者である店長やリーダーに対応してもらいましょう。

代わりの料理をお出しする

謝罪後は、「同じ料理を作りなおして提供する」、「お代は頂かない」といった対応が一般的です。料理を再度提供する際には、できる限り早く。キッチンと連携し、お待たせしないようにしましょう。

場合によっては、悪質なクレーマーの場合も……。

お客様の中には、異物混入という店舗側のミスに漬け込み、金銭の要求や脅迫をしてくる悪質なクレーマーも少なからず存在します。また、実際には店舗に訪れていないにもかかわらず、嘘をでっちあげ、返金を求める詐欺行為も過去には見られています。

そうしたお客様への対応マニュアルは以下の通りです。事実確認やお客様の情報を提示してもらうことで、その後の対応も容易になります。


・レシートの確認
・店長やリーダーなど、上の人間に確認をとる
・お客様の詳細な情報を聞く(名前や電話番号はもちろん、可能なら住所や勤務先も)
・悪質な場合は、警察に連絡を

飲食店側に非があったとしても、従業員に暴言を吐く、謝罪として土下座を強要するといった度が過ぎた行為は、“強要罪”“威力業務妨害罪”にあたります。

大声で怒鳴るなど他のお客様にも迷惑がかかる態度や、問題が収束しそうにないと感じた場合には、速やかに警察や警備会社に連絡しましょう。理不尽な要求に、我慢して対応することはありません。

※クレーマーへの対処方法の詳しい記事はこちら→ クレーマーかも?と思ったときの対応マニュアル【飲食店編】

異物混入対策には、「再発防止」と「従業員へのマニュアルの共有」を。

繰り返しになりますが、異物混入をゼロにするのはとても難しいこと。

「どこで混入したのか」、「再発防止の為には、なにができるのか」。異物混入が起こった際には、きちんと原因を突き止め、再発防止のために何ができるか考えてみきましょう。ひとつずつ原因を解決していくことで、異物混入の頻度も少なくなります。

この記事を参考に、今一度、異物混入に関するマニュアルを他の従業員と共有してみてはいかがでしょうか?

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。