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新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、人との接触を避けるソーシャルディスタンスが提唱されています。この結果、飲食店におけるテイクアウトやデリバリーのサービスが台頭してきましたが、このようなサービスが十分に認知され機能していくためには「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は欠かせません。

こちらでは、DXの基本的な概念と、店舗経営者がいまDXに取り組むべき理由について解説していくとともに、DXを後押しするサービスツールをご紹介していきます。

効率化を超えて収益向上につなげるプロセスこそが「DX」の意義

DX

「DX」とは、既存の手法やサービスを、テクノロジーの力によってより便利なものに進歩させ、効率化を図ると同時に人々の生活を豊かなものに変えていこうとする概念を指します。

例えば、今では全国的に普及している交通系ICカード。改札機のパネルにタッチするだけで、ノンストップで改札を通り抜けることができますが、ひと昔前までは、財布から現金を取り出し券売機で切符を買う。そして、改札口にいる駅員に切符を見せてパンチを入れてもらい入場する流れが当たり前でした。通勤・通学のラッシュ時には切符売り場や改札口は混み合い、電車に乗るまでに時間を要していましたが、交通系ICカードの登場によって、圧倒的な時間短縮と作業効率化を達成できるようになりました。

飲食店においても同様で、経費計算ソフトを導入するだけでも、日々の売り上げの計上や確定申告といった業務を正確かつスピーディに行うことができます。ただ単純に効率化をアップさせるだけではなく、省略された時間を有効に使い、新たなメニュー開発や店内インテリアの見直しなどサービス向上につなげることができます。

機材さえ導入すれば、誰にでも効率化を図ることは可能ですが、それだけでは不十分です。鉄道会社と異なり、リピーターになってもらうためにも、飲食店は顧客とのつながりは極めて重要です。浮いた時間で利用客と向き合う時間を確保し、それによって収益を上げていくことは、単なる「デジタル化」と一線を画すDXのメリットと言えることでしょう。

飲食店経営におけるDXのメリット

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次に、具体的に飲食店がDXを導入することで生まれるメリットを考えてみましょう。まずは上記で述べたとおり、業務の効率化。時間短縮だけでなく、出入金のほか人や商品の流れといった情報をビッグデータに取り入れることで、仕入れや人員配置などを計画的に行うことが可能となり、店舗経営の根本的な改善にも寄与します。

キャッシュレス化は利用客に大きなメリットをもたらします。電子マネーやクレジットカードの利用によって会計がスピーディになり、特にランチタイムや人の出入りが激しいファストフード系の店舗ではその効果をフルに発揮できることでしょう。最近では、会計を利用客同士で割り勘できる送金アプリも登場しています。こういった機器への対応も可能ならば、忘年会や歓送迎会シーズンの集客率向上も望めるでしょう。

また、現金を直接手で触れなくて済むため、衛生面においても大きなメリットがあります。個人で経営している店舗では、調理から配膳、会計を一人でこなすことはめずらしくありません。しかし、会計を終える度に手を洗い、消毒するのも手間がかかり、次第に衛生管理がおざなりになってしまうことも考えられます。新型コロナウイルスの感染リスクを減らす意味でも、人や物との間で不用意な接触を避ける配慮は必要です。

店舗経営のDXを後押しするサービスツール

ここからは、実際に店舗経営のDXを進める際に役立つサービスツールを4つご紹介していきます。

1. SHOP FORCE

SHOP FORCE

画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000010275.html

店舗経営のDXを手がける「SHOP FORCE」(ショップフォース)は、飲食店やアパレルなどの小売店を中心に導入実績を伸ばしています。

コロナ禍の時代、オンラインショップの普及によって、人と人とのコミュニケーションが希薄になっていくことが懸念されますが、「SHOP FORCE」では従来の店頭におけるポイント付与に加え、デリバリーやオンラインショップ利用時でもポイント付与が可能で、店舗やブランドの価値向上に寄与しています。

公式サイト:https://shopforce.jp/

2. オシテン

オシテン

画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000057654.html

飲食店DX化支援プラットフォーム「オシテン」は、WEBサイト上で気に入った店舗のポイントを購入すると、各店舗へと分配されるという新しい視点で飲食店を支援するサービスです。

ポイントを授与された店舗は、料理教室の開催や店舗主催の飲食会への招待、お店秘伝のレシピ紹介など、従来の飲食店のサービスでは考えられないような特典を支援者に還元する画期的なシステムになっています。

公式サイト:https://bornrex.oshiten.com/restaurant.teaser

3. BenTo Go

BenTo Go

画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000057625.html

新型コロナウイルスの影響からテイクアウトを始めた飲食店は数多くありますが、その情報が十分に周知されているとは言えません。テイクアウト可能な情報を無料で発信できる「BenTo Go」(ベントーゴー)では、スマートフォンの地図アプリを開くと店舗一覧が表示されます。

ユーザーはスマホの画面上で利用したい店舗を選び、購入したい商品を予約すればその商品を店頭で受け取ることができます。

公式サイト:https://lp.bento-go.store/

4. おもちかえり.com

おもちかえり.com

画像出典:https://www.atpress.ne.jp/news/215590

テイクアウト支援サービス「おもちかえり.com」では、店舗はテイクアウト可能なメニューをWEBサイトに登録し、ユーザーは希望の商品をオンラインで注文します。

希望する時間にできたての料理を提供できるほか、注文から決済まですべてWEB上で完結できるため、店舗側としてはドタキャンによる料金の未払いやフードロスの発生といったリスクをなくすことが見込めます。

公式サイト:https://omochikaeri.com/

経済産業省による「IT導入補助金」も活用できる

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日々の業務の効率化および生産性を向上させるため、経済産業省と独立行政法人中小企業基盤整備機構では中小事業主を対象にITツール導入への補助金を支給しています。飲食業のほか、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育、製造業、建設業も対象となっており、幅広い業態で事業者を支援する施策となっています。

補助金の支給額はA型(30~150万円未満)とB型(150~450万円)で異なります。ITリテラシーの低い事業主向けに、経産省が指定したIT導入支援事業者による機器のレクチャーやアフターフォローといったサポートを受けることも可能です。また2020年は、新型コロナウイルスの影響で甚大な被害を受けた事業主向けの特別枠(C型)も用意されており、補助率の拡大や、IT機器のレンタル費用の補助、申請前に購入した機器も補助の対象として認める緩和措置の実施など、より手厚い支援内容となっています。

全都道府県で自粛要請が解除されたものの、新型コロナウイルスの新規感染者数は、ここに来て徐々に増えてきています。コロナ禍の影響がいまだ色濃く残る中、このような支援は飲食店経営者にとっても大きな手助けとなるはずです。ただし、補助金の交付を受けるにはいくつかの条件があるため、詳しくは以下のホームページで確認するようにしてください。

IT導入補助金2020:https://www.it-hojo.jp/

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magazine 編集部

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。