新型コロナウイルスの感染拡大により、営業自粛や時短営業を強いられている外食産業。そのような状況の中、テイクアウトやデリバリーに光明を見出す店舗が増えてきていますが、経営難に直面する飲食店を応援しようと、Instagramはお気に入りのお店のメニューを注文できる新機能を追加しました。今回は、注文機能の使い方から運用のポイントまでまとめて解説していきます。
便利かつ幅広いお店で使えるInstagramの料理注文機能
2020年7月24日、Instagramはスタンプやアクションボタンを通じて、飲食店から料理を注文できる機能を追加しました。新型コロナウイルスの影響で集客難にあえぐ個人経営主を支援する目的から、本国アメリカやカナダでは本年4月に試験的に導入されていましたが、この夏ついに日本に上陸。順次取り扱い店舗が増えていく見込みです。
設定やサービスの利用は無料のため、普段からInstagramでお店のPRをしている経営者ならば使わない手はありません。ただし、この料理注文機能を使うためには以下2つの条件を満たす必要があります。
1.ビジネスアカウントを設定していること
2.Uber Eatsなど対象パートナーの加盟店であること
上記の対象パートナーとは、デリバリーを担当する業者を指します。Uber Eats以外にも、出前館、ヒトサラ、Picks、TableCheck、PayPayピックアップ、EPARKテイクアウト、menu、Rettyが対象パートナーの加盟店となります(2020年7月16日現在)。
以上2つの条件を満たすと、自社のアカウントに「料理を注文する」アクションボタンを設置することが可能で、ページの閲覧者はスマートフォンなどをタップしながら手軽にメニューを選ぶことができます。設定方法は以下のとおりとなります。
1.Instagramプロフィールにアクセス 2.[プロフィールを編集]をタップする 3.[ビジネスの公開情報]で[アクションボタン]をタップする 4.[ボタンを選択]で[料理を注文]を選択する 5.ビジネスへの料理の注文で提携するパートナーを選択する。提携するパートナーが未設定の場合は、パートナーのWEBサイト上に記載された指示に従い入力 6.選択した料理の注文のサービスに使用するWEBサイトのリンクを追加する 7.WEBサイトを入力したら[完了]をタップする |
さらに、ストーリーズ投稿で「料理を注文」スタンプを表示させることも可能です。料理注文機能においては、フォロワー数関係なしにリンクを貼ることが可能です。手順は以下のとおり。
1.ストーリーズにアップロードする写真や動画を選択 2.[料理を注文]スタンプを選択する 3.料理の注文で提携するパートナーを追加する。提携するパートナーが未設定の場合は、パートナーのWEBサイト上に記載された指示に従い入力 4.料理の注文のサービスで提携するパートナーのリンクを追加する 5.WEBサイトを入力したら[完了]をタップする 6.ストーリーズで表示する位置に「料理を注文」スタンプを移動。スタンプをタップして色を変更することも可能 7.ストーリーズをシェアする |
1件のストーリーズに追加できる「料理を注文」スタンプは1個のみで、利用者のストーリーズで「料理を注文」スタンプが再シェアされても、お知らせは届きません。閲覧者は自分のストーリーズで「料理を注文」スタンプを再シェアすることができます。
前々章でお伝えしたビジネスアカウントの設定について説明します。
画面右上の設定ボタンから、アカウントのビジネスプロフィールへの切り替え(「Switch to Business Profile」と表示)をタップします。続いて、住所、電話番号、営業時間、WEBサイトのURLなどの情報を入力します。その後はお店の店内写真やフードなどのコンテンツを投稿すれば、自動的にフォロワーに告知される仕組みです。
ビジネスアカウントでは、投稿内容に対するフォロワーのリアクションを確認できるため、
販売促進や営業戦略面においても効果を発揮します。末永く、定期的にコンテンツの投稿を続けていくことで、お店のブランディングや認知度向上に大きく貢献してくれるはず。できるだけ多くの利用客をフォローするよう、目指してみてください。
Instagramを始めて料理注文機能も付けたけど、いまいちアクセスが伸びず集客につながっていない…… そう感じる経営者も多いことでしょう。ここではフォロワー数を増やし、うまく売り上げにつながるコツを取り上げていきます。
特に飲食店の場合、料理の写真をいかに“おいしそう”に見せるかは大変重要なポイント。お店によってはプロのフォトグラファーに依頼するケースもありますが、写真撮影の基本的な知識や画像を加工するアプリを使えるようになれば、未経験者でも十分魅力的なコンテンツを作ることができます。
被写体をフォーカスする距離、角度、高さに加え、照明(光の当て方)が重要なポイントで、自身の感覚でよいので、ある程度統一感を持たせて撮影するようにしましょう。
それでも、より写真をカッコよく見せたいという人は画像加工アプリを使いましょう。30種類以上のライブフィルターの中からベストな1枚を選ぶことができる「Foodie」や、料理の見栄えに特化した処理ができる、その名も「おいしくなるカメラ」。加工や編集した内容を保存でき、コンテンツに統一感を持たせる「VSCO」などがあります。このほかフリーで使えるアプリもたくさんあるので、自分に合った使いやすいアプリを選ぶようにしましょう。
ハッシュタグを付ける場合、何も考えず無難なキーワードを選びがちです。しかし、ありふれたキーワードでは、すでに同じハッシュタグが付けられている可能性が高く、無数の投稿の中から見てもらえる可能性はグンと低くなります。ここでは、ユニークさを加えてみましょう。
例えば、洋菓子屋がメニューのケーキを投稿する場合、「#ケーキ」では不十分です。「#いちごのケーキ」とか、「#ケーキ ○○区」「#ケーキ 駅前」など、より商品やサービスの内容に踏み込んだキーワードや地域性を加えることが大事です。
お店のメニューやサービスを知ってもらうためには、定期的な投稿が必要です。新装開店など店自体が模様替えをしたとき、新しいメニューを販売開始したときなどは、必ずPRするようにしましょう。
ここで注意したいのは、投稿の頻度。Instagramを始めたばかりの人がつい陥ってしまいがちなのは、もの珍しさに加え気合いが入りすぎて、1日に何度も投稿してしまうケース。過度な投稿が目立つと、フォロワーにしつこいと思われ、お店のマイナスイメージにつながりかねないため避けるようにしましょう。目安としては2日に1回のペース。もしくは「週に○回」と自身で上限を決めるのがおすすめです。
投稿した内容に「いいね」をくれた人や、フォローしてくれた相手に対して相互フォローの関係になるなど、何かしら“お返し”をするようにしましょう。特にコメントしてくれた相手については、きちんと返信することが大事です。
飲食店の口コミ・レビューサイトを見ても、苦情や感謝のコメントにきちんと回答しているお店も多数見受けられますが、そういった真摯な姿勢は利用者のみならず、ほかの閲覧者にも好印象を与えます。とにかく感謝の気持ちを忘れず、コミュニケーションを図ることを心がけましょう。
今後、飲食店でのテイクアウトやデリバリーのサービスは、より活発になるとみられます。お店のPRをビジュアルで最大限に表現できるInstagramの料理注文機能を使って、お客さんへ料理と一緒に楽しい話題までも提供できるよう、ぜひチャレンジしてみてください。
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