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夏といえば、商店街や神社のお祭り、花火大会などイベントごとが多い季節。人が集まるイベントごとにはたくさんの屋台がお店を出しますが、まさに夏の風物詩とも言える光景です。

このようなイベントでの出店は、集客につながる大きなチャンスです。たとえば“屋台限定メニュー”を用意すれば、「限定」に弱いお客様はついつい注文をしてしまうだけでなく、「気に入ったからお店にも行ってみよう」とそれまで店舗を知らなかったお客様が来店するきっかけづくりになります。

しかしこのようなイベントに出店するうえでは、衛生面に関して許可を得るなど多くのプロセスを踏まなければいけません。では、実際にはどんな作業をすることが求められるのでしょうか。注意するべきポイントを見てみましょう。

(注意:今回の記事は東京都福祉保健局・保健所が公表する資料の情報をもとにしています。自治体によって判断基準や要件が変わることがあるため、詳しくは各地方自治体へお問い合わせください。)


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出店にあたり、完璧にしないといけないものリスト

排水、冷蔵、格納などに関する施設の要件

屋台のお店の施設には、構造や設備に細かい決まりがあります。数日間の屋台の場合は簡単な構造の施設にするようにデザインする方が多いことでしょう。とはいえ、たとえ簡単な作りでも、以下のようなルールを守らないといけません。

①構造 お店には屋根と側壁はあるか。設備はすべてお店の中に収まることは可能か。
②給水設備 蛇口が付いた、容量18ℓ以上のフタ付きの容器があるか。使用する水は、水道法の基準を満たしているものか。
③洗浄設備 器具類の洗浄、そして手洗いができる設備はあるか。
④排水設備 排水容器は備えられているか。
⑤冷蔵設備 材料をきちんと収納できるだけの冷蔵設備はあるか。
⑥格納設備 食器・器具・容器などを衛生的に保管する収納設備はあるか。
⑦食器類 食器類は使い切りのものか。
⑧廃棄物用設備 廃棄物を衛生的に処理できる容器は備えてあるか。
⑨消毒設備 消毒液など、手を消毒するものはあるか。

 

調理前・調理後のチェック項目

屋台で出店をする場合、衛生上の観点から守るべき項目があります。どれも当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、問題を防ぐためにも今一度見返してみましょう。

【調理をする前に】
・爪を短く切っていますか?
・トイレに行った後は手を洗い、消毒を行いましたか?
・屋台のお店の周辺は清潔ですか?
・屋台のお店の水や消毒液は補充してありますか?

【調理中に】
・食事の調理/加工/製造はすべて屋台のお店内で行っていますか?
・食品/器具/容器は衛生的に使っていますか?
・調理者は清潔な服を着用していますか?

【片付けの時に】
・使用済みの食器は営業者の責任で処理していますか?
・使用済みの食器から汚れた液や悪臭は漏れていませんか?

ひとつひとつの項目を3つのシーンでチェックをしてみましょう。食中毒などの問題が発生してからでは遅いのです。「できていなかった」、「見落としていた」なんてことがないように、入念に確認することが大切です。

 

販売するものにも決まりが!取り扱いの食品の原則

お祭りでは、基本的に野外での調理となりますが、そこで扱うべき食品にも明確な決まりが存在します。以下のような決まりを徹底しましょう。

【生ものは絶対にダメ】

ところてんやかき氷などの特別な食品を除き、生もの(お客さんへ食事を出す直前に加熱できるもの以外)の提供は、基本的に禁止されています。お寿司や刺身をはじめ、ハンバーガーなどに入れるトマトやレタスなどの生野菜も取り扱いができない対象です。

【仕込みってどのようにやればいい?】

食材を切るといった仕込み作業は、屋台のスペースでは行えません。仕込みは営業許可を得ている店舗などの場所で行い、仕込みで切り刻んだ材料は、調理するまで冷蔵しておく必要があります。

 

保健所への手続きの流れ

出店をするためには、保健所の手続きをしなければいけません。その手続きは、簡単に分けて以下の3つのような流れになります。

保健所へ相談→書類の提出→出店当日

まずは出店するエリアを管轄している保健所から指導を受けてください。その際に「行事開催届」「臨時出店届」の書類をもらい、提出する必要があります。

そして書類の提出時に「臨時出店届」に受理印をもらいます。この届は出店時、店頭の見えるところに貼り出しておかないといけません。

 

コストを考慮したメニュー作り

屋台や出店の定番といえば、焼きそばやたこ焼き、かき氷などをイメージする方も多いはず。一方で、少ない材料で簡単に出来るメニューがあるのも屋台の特徴といえるでしょう。ここではお客様が食べやすく、簡単に調理ができるメニューを紹介します。

 

材料費を格安に抑えるなら:揚げパスタ

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“揚げパスタ”は、乾麺の状態のパスタをそのまま油で揚げるだけの簡単フード。パスタではなく、マカロニでも美味しく食べることができます。丈の長いコップを使えば、片手で持てますし、食べ歩きをするお祭りではお客様にとっても嬉しい一品です。

 

とろとろのバターが香ばしい:じゃがバター

屋台の定番、“じゃがバター”。「ほくほくに茹で上がったジャガイモに、とろとろのバターを乗せれば出来上がり」という手軽さがありながらも、多くの人に好まれるメニューです。調理の際は、じゃがいもをまとめ買いすることで、コストを大幅に削減できます。

 

西日本では誰もが知っている:はしまき

西日本において広く知られている“はしまき”は、天かすを乗せた溶き粉を鉄板で焼き、それを箸でクルクルっと巻いている点に特徴があります。そして“はしまき”のトッピングにはお好み焼きのように、紅しょうが、キムチ、かつお節、ソースなどが使われています。お客様にとっては、手も汚れずに片手で食べられるのが嬉しい一品です。

 

衛生面に注意しながら、より良い屋台の出店を目指そう。

今回は主に衛生面に関する観点から、屋台を出店するための注意点をご紹介しました。お店を出店するにしても、手続きや衛生面からもたくさんのステップを踏む必要があり、いずれもしっかり守らなければ、後々に大問題になりかねません。

問題を未然に防ぐためにも、ひとつひとつの手続きと衛生管理を徹底し、充実しながらも店舗の集客につながるような屋台の出店になるように努めましょう。

参考資料:東京都福祉保健局・保健所『臨時出店者が出店する場合には・・・』


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magazine 編集部

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。