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在庫や仕入れで売上が全く変わってしまう小売業。できれば少ない投資で多くの売上アップを図りたいのは、小売業に関わっている人なら誰でも考える理想です。しかし実際は思うように売上が伸びないということもよくある話。

小売業の利益を上げる時に鍵となるのが「在庫回転率(商品回転率)」です。そんな小売業の基礎ともいえる「在庫回転率(商品回転率)」の算出方法や、実際の利益をアップする方法について解説します。


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在庫回転率(商品回転率)とは

「在庫回転率(商品回転率)」とは、抱えている在庫がどのようなペースで回っているかを数値化したもので、より具体的に言うと「企業が持つ平均在庫が一定期間に何回売れたかという回数」です。

例えば、「在庫回転率が1年で3回」というのは一年間かけて在庫が3回入れ替わっていることを指します。この在庫回転率が高ければ高いほど、売れている商品ということになります。

在庫回転率を算出するメリット

無駄なコストの削減

在庫回転率を算出することで、仕入れから販売までの速度を把握することができます。在庫がどれだけ早く売れるかを数値化してわかりやすく比較することができれば、仕入数をより的確に予測することが可能となり、過剰在庫となりうる無駄なコストの削減にもつながります。

商品の品質維持

また、在庫管理で特に気をつけなければならないのが「商品の劣化」です。例えば食品を取り扱う場合、賞味期限が切れたものは不良品として処分することとなり、利益の損失につながってしまいます。商品の品質維持のためにも、在庫回転率を正しく把握して在庫高を適正に保ち続ける必要があるのです。

在庫回転率の計算式

在庫回転率の出し方は「一定期間においての売上高 ÷ 平均在庫」で算出します。

売上高が1000、平均在庫が100とすると、この計算式にあてはめると、在庫回転率は10となります。期間を一年間として計算した場合には「一年間の在庫回転率は10回」ということになります。

よりシビアに算出したい場合には平均在庫を「(期首棚卸高+期末棚卸高)÷2」に置き換えて計算します。

算出した在庫回転率によって、商品をいかに効率よく販売しているかが見える化されることにより、仕入れや販売の参考にすることができるのです。

ただし一概に数字が高ければいいということでもありません。業種や取り扱う商材によって、理想的な在庫回転率は変わってきます。

在庫回転率の基準

在庫管理率が高ければいいというわけではないのは、低ければ商品の回転率が悪く、売り上げるペースが遅い一方で、高すぎる場合は、在庫切れを起こしてしまう可能性が高くなるためです。回転率が高い商品は、人気商品でもあります。欲しいと思ったお客様に在庫切れが多い印象をあたえることは小売業にはマイナスです。

また適正な基準を考える上で重要な点は商品の消費期限の問題です。

在庫回転率が1年で10回と算出された場合、ここから、ひとつの商品が売り上げるまでの在庫の平均期間を算出することができます。

在庫の平均期間=365日(1年の場合)÷ 10 = 36.5日

この計算からわかるのが36.5日で商品が1つ売れるということです。もし生鮮食品であれば、36.5日では売れる前に腐ってしまいますし、腐らないものでもシーズン商品などはそのシーズンのうちに売らなければ売り上げが極端に下ることを考慮するとワンシーズン以上の数値が出た場合、やはり在庫過多へとつながります。

在庫回転率を向上させる3つのポイント

1. 定期的に在庫回転率を求め、正確な数値を把握する

適正な在庫回転率に近づけるためには、在庫回転率を定期的にチェックする必要があります。最低でも月に1度、できるなら毎日取り組むといいでしょう。

細かく在庫回転率を把握することで、商品の売り上げの細かい動きも見逃さず、仕入れに反映させるなど、販売効率を上げるための対策を練ることができます。

2.売れ筋商品・死に筋商品を見極め、テコ入れを加える

調査しているうちに、在庫回転率が低い死に筋商品を見つけた場合、その商品についてテコ入れが必要になります。在庫回転率は売上高を平均在庫で割った数値なので、売上高を上げるか、平均在庫を下げることによってテコ入れすることになります。

売上高を上げるためには購入者を増やす必要があるので、お客様と商品とのつながりを太くします。具体的には、店頭であれば目につきにくかった場所からつきやすい目線の棚に移動させたり、広告や宣伝、ポップなどでお客様に商品に興味を持ってもらう方法です。

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また平均在庫を減らす場合には、仕入れを徐々に減らします。代わりに売れ筋商品をリサーチし、売り上げにつながる商品へ注力することで、無駄なく投資することが可能になります。

3.同業種で成功している競合店を参考にする

在庫回転率の向上のために、同業種で成功している競合店を参考にするのもいいでしょう。在庫回転率が低いということは、保管している場所のコストがかかるということ。あまり長期間在庫が残る商品は、たとえ消費期限や流行がなくても、仕入れについて一考が必要です。

商材や業界を研究し、経営をスリム化しよう

在庫回転率(商品回転率)について理解し、データを把握していれば、小売業の経営に役立ちます。無駄を省き、経営をスリム化するためにも、扱う商材や業界を研究してみましょう。

売れ筋商品をより拡大し、売れない商品は縮小するための情報として、適正な在庫回転率は重要です。安定した経営を行うためにも在庫回転率を把握するようにしましょう。

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。