海外でも話題のUberEats(ウーバーイーツ)とは? 基礎知識とメリットを紹介

人気の飲食店の宅配メニューを簡単に注文できるサービス、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」。こちらはもともと配車サービス「Uber」を世界規模で展開していたUberによるサービスであり、既に海外では頻繁に利用されていました。

そんなUber Eatsは2016年9月29日、ついに日本でもサービスが開始されました。サービス開始当初、配達エリアは東京の渋谷区、港区のみに限られていましたが、現在は23区全域のほか、大阪や愛知、福岡といった都市部でも利用ができるようになっています。

年々利用者も増加しているUber Eatsですが、「具体的にはどんなことができるのか」、「参加するメリットは?」など、このサービスについて知らないために導入に踏み切れない人も多いはず。今回はそんなUber Eatsについて、基礎知識や今後の展開を解説します。

今更聞けない、UberEatsの基礎知識。

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改めて、UberEatsについて基礎知識をおさえておきましょう。UberEatsとは、Uberが提携したレストランなどの料理を、パートナー配達員が利用者の指定した場所に届けるフードデリバリーサービスです。

UberEatsは利用者、飲食店、個人ドライバーの3者をつなぐ仕組みを提供し、昨年12月にカナダのトロントを皮切りにサービスを拡大。世界規模で見ると約3,000店以上が提携しており、東京は8カ国34都市目となります。

このサービスでは、「マクドナルド」や「大戸屋」をはじめ、焼肉店の「焼肉トラジ」、モダン精進料理の「宗胡」など有名店も数多く参加しており、150以上の店と提携しています。そのため、利用者は数百円の惣菜から高級ステーキまで、幅広いラインナップのメニューを来店時とほぼ同じ価格で注文することができます。提携している店舗のなかには行列のできる人気店もあるため、「気になっていたけどなかなか行けなかった」と来店に踏み切れなかったお客様を新たに獲得する可能性も生まれたのです。

また、Uber Eatsは、配達エリア内であればどこでも配達が可能です。たとえば配達先としてお花見をしている公園などを指定すれば、配達員が注文した商品を届けてくれます。さらに料金の支払いはクレジットカードに限定されているため、わずらわしい現金のやりとりもありません。その気軽さも、利用者が拡大している理由のひとつでしょう。

登録するためには?

Uber Eatsに登録するためには、審査を受けなければいけません。まずは公式サイトから以下のような必要事項を入力し、申請を行います。

【必要事項】

・申請者の名前

・店舗の名前

・店舗の住所

・メニューの種類やジャンル

・週あたりの推定配達件数

・店舗スタッフが配達も行うのか否か

入力した情報をもとに審査が行われた後、Uber Eats側から提携の連絡が来て初めてUber Eatsを利用することが可能となります。

初期費用や手数料は?

Uber Eatsを店舗側が利用する場合、初期費用や月額費用は必要ありません

しかし、Uber Eatsでの配達を行うためには、タブレット端末とインターネット環境が必須です。タブレット端末をすでに所持しており、インターネット環境が整っている店舗は問題ありませんが、いずれの条件も満たしていない店舗では、LTE/4G回線のタブレット端末を月額1,700円でレンタルすることも可能です。

また、手数料は売り上げ総額の35%をUber Eatsに支払う形となります。決して安くない額だからこそ、店舗で提供しているメニューに副菜を追加したうえで配達を行うなど、価格やメニュー設定は注意が必要です。

原価率と値上げ問題

Uber Eatsを利用してデリバリーを行うためには、テイクアウト容器も欠かせません。特に配達時には蓋を二重にする、容器を固定するために紙製のトレーを使うといった包装をしなければ、お客様の手元に届いたときにはひどい状況になっている……なんて事態も起こりうるでしょう。手数料とは別にこのような包装にかかるコストも考慮すると、メニューの原価率は慎重に設定しなければ利益はわずかになってしまいます。

少しでも利益率を上げようと、店舗によっては手数料分の利益を上乗せした金額でUber Eatsの配達を行なっているケースも見られます。それを割高に感じる人がいる一方、提供までのスピードや注文の手軽さ、少数でも注文できる使い勝手の良さから、日常的にUber Eatsを使う人も少なくありません。

原価率の調整をするためにも、使う食材の値段を見直すほか、ロス率を下げるよう意識しましょう。しかし、「包装を簡易なものにする」「食材の質を下げる」といった取り組みはサービスの低下を招き、お客様離れが起こるリスクも。決して無理のない範囲で原価率の見直しを行いましょう。

関連記事:【初心者向け解説】原価率の出し方を1から学ぼう

UberEatsの特徴は、パートナー配達員システムにあった。

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Uber Eatsはユーザーと飲食店をつなぐ“出前”アプリですが、ユニークな特徴といえば、デリバリーシステムでしょう。品物を利用者のもとに運ぶ「パートナー配達員」は、サービスへと登録した一般の人。空いた時間を利用して配達業務を行っている配達員は、年々増加しています。そしてUberは、今後も随時配達員の増加に向け注力していく意向を示しています。

それほどまでに多くの配達員が生まれていますが、当然ながら、希望すれば誰しもが配達員になれるわけではありません。説明会に参加することはもちろん、「18歳以上か」「使用するスクーターは保険に加入しているのか」といった条件をクリアし、審査に通って初めて「パートナー配達員」の登録が完了。配達用の専用の保温・保冷バッグやスマートフォン用のバッテリー、ホルダーを支給されます。

自分のスケジュールで自由に働ける、簡単にお小遣い稼ぎができることから配達員を目指す人が多い一方、Uberは身分証明書の確認や審査など条件も定めているのです。

また、近年では配達員が冷え切ったりこぼれた状態のメニューを届けることが大きな問題となっています。もしも状態が悪い商品を配達することになれば、配達員だけでなく店舗の信用も著しく失ってしまうでしょう。それを防ぐためにも、店舗側で「商品の梱包を徹底する」「配達員にスムーズな受け渡しができるよう、事前にある程度メニューを作っておく」といった対策をしておくのも有効です。

UberEatsに参加するメリットって?実際に聞いてみた。

ここまではUber Eatsのサービスそのものに注目してきましたが、実際にUberEatsへ参加している店舗の声はどういったものなのでしょうか。

以前にもOMISE Labでお話を伺ったカフェ「factory」(2018年6月に閉店、現在は「factory byBULK HOMME」としてリニューアルオープン)もUber Eatsに参加している店舗のひとつ。当時オーナーだった西原典夫さんに参加後の印象などをお聞きしました。

過去記事:「個人自営店はゆるく、長く」渋谷のカフェ【factory】がつくり出すつながりの輪。

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「UberEatsには、日本でのサービスが開始されたときから参加しています。

参加してみて感じたメリットは、売り上げが増加したことですね。お客様からオーダーが入ると端末に表示され、受注した後にオーダー分を用意すると配達員の方が取りに来られるシステムがすごくよくできています。その場で手を止めることもありませんし、店内のスペースを使わずに売り上げが増えるのは、店舗にとって非常に大きいメリットなのではないかと思います。」

店舗がUberEatsと提携するメリットの1つは、端末のデポジットやテイクアウト用の容器といったほんのわずかな初期投資だけでデリバリーサービスを始められる点にあります。配達ができる人を雇う、スクーターなど配達時に使う設備を整えるためのリソースが無くとも、来店以外での売り上げ拡大が期待できるのです。ランチタイムの収益アップだけでなく、先に述べたように新規顧客層の開拓にも繋がる可能性があります。

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また、factoryではUberEatsを利用したお客様に対し、お手紙を添えています。こうすることで、直接お客様と触れ合う機会がないテイクアウトであっても店舗のPRができるのです。

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「UberEatsに参加した当初の印象としては、配達員のなかにも丁寧な方や無愛想な方など、むらがあることでした。あくまでもUberEatsはプラットホームである以上、配達員に対して研修を徹底するのが難しいのではないかと思いました。現在ではそういったことも少なくなっているようには感じています。

参加へのデメリットは特に当店では感じられませんが、端末に慣れていない方はオペレーションの追加や受注の際に戸惑ってしまうかもしれません。」

その他一般的なデメリットとして、UberEatsの配達員は普段から専門的に働いているわけではないため、道に迷ったり、オペレーションが上手くできなかったりといったトラブルが発生することもないとはいえません。このようなトラブルにより、良好な状態で商品を届けられないと店舗の信用を失ってしまう可能性もあるのです。

つまり、UberEatsへの参加はコストをかけずにデリバリーサービスを始められ、主にランチタイムの売上アップにつながる一方、端末の操作に慣れていないと配達員の方へのオペレーションがスムーズにいかず、お客様へのお届けの際のトラブルにも発展しやすいのも確か。メリット、デメリット双方を認識したうえで、賢く参加を検討してみるといいでしょう。

海外旅行先でも簡単に料理を注文できる。UberEatsで訪日観光客のお客様を増やすチャンスを!

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すでに配達エリア内をUberEats専用ボックスを背負った自転車に乗った配達員たちを目にした人も多いのではないでしょうか。今回、日本でのサービス開始にあたり、提携した店の6割以上が初めて宅配業務を始めたといいます。

また、UberEatsのアプリは世界中ですでに使われているため、海外旅行先でも変わらずにサービスを利用できます。つまり、訪日観光客も日本でUberEatsを利用できるので、世界中の方から店舗を知ってもらえるのです。UberEatsをきっかけに、新たな顧客を獲得したいと考えているお店にはチャンスであることは間違いありません。

今後は対応エリアも拡大する予定であり、それに伴いさらなる利用者の増加も見込まれています。少しでも興味がある場合、UberEatsでデリバリーを始めてみてはいかがでしょうか。