オンラインを利用したアートレンタル・販売サービスとして、空間体験のなかに「確かな豊かさ」と「新鮮な驚き」をもたらしている「clubFm」。
インタビュー後編では、COOの佐々木真純さんに、店舗がアート作品を選ぶ際のポイントについて語っていただきました。
(前編はコチラ)
多様なニーズに応えるために、〈個性〉あるお店を育てよう
ー企業オフィスや一般家庭にもclubFmのサービスを提供されているそうですが、接客業での利用事例としてはどのような業種が多いですか?
接客業に絞ると、カフェや美容院など、基本的には個人自営のお店を中心に幅広く利用していただいています。チェーン店で取り入れていただいた事例はまだないですが、店舗ごとのカラーが変わって面白いと思う。それこそ、「吉野家」さんみたいな超大手にclubFmを利用してもらえたら面白いのに(笑)
ーたしかに!現代アートのある牛丼屋さんは行ってみたいです(笑)
でしょ? アートだからといって気負わずに、カジュアルに取り入れてみてほしいですね。
ーでは、「モダンでスタイリッシュな美容サロンには、度肝を抜くようなアヴァンギャルド」、「小規模なカフェには、ほっとするようなイラストレーション」といったように、ムードやシーン毎にお勧めしたい作品はあったりしますか?
こちらとしては、「カフェにはこういうのが合うから…」とか。「オフィスにはこれだろ!」とか、そういう基準で作品を集めているわけではないですね。作家の個性というのは本当に幅広いですから、「業種」や「ムード」だけで作品を選ぶのではなく、作品のコンセプトやバックグラウンドも気にすると、作品を選ぶ幅がぐっと広がります。
というのも、ありきたりのチョイスでは満たされない部分に訴えかけていくのがやはりアートの力だと思いますし、そんなワクワクする空間作りのお手伝いをさせていただきたいというのが、我々の思いなんです。
「雑味」こそ「豊かさ」
ーなるほど。これがひと昔前の話だったら、ある程度アートの「見方」や「好み」にもお決まりの方向性があったなかで、いかに海外で評価の高い作品を資産として持つかがポイントだったのでしょうね。
はい。それはそれでとても大切なアートの見方です。基準を持たずにモノゴトを判断することは簡単なことではないですから。
オフィスや店舗用に作品を選ぶ際にも、ある種の絵を飾れば「当たり障り」や「間違い」がないということもあると思いますよ。極端なことを言えば、「社長の地元の山の絵」を飾ったりとかね(笑)
ー(笑)
とは言うものの、ギャラリー運営者としては、これだけニーズが多様化している時代なので当たり障りのない最大公約数的なアートはナンセンスだと思っていますし、お店の側でもこれからは〈個性〉をどんどん発信して差別化を図るといいと思います。
あとは「続けること」が重要ですね。だからこそ導入のためのコストを低く設定している。clubFmだったら一生モノのでかい買い物をするわけではなくて、「1日コーヒー1杯」の値段で済むのだから、「雑味」こそ「豊かさ」と思って次々と新しいアート作品を試してみるといいと思いますね。
驚きの再現性!「オンラインコンシェルジュ」で事前に仕上がりイメージをチェック!
ー「雑味こそ豊かさ」とは、新鮮な視点ですね。では、その「空間の豊かさ」のアピールする手段として、clubFmが取り入れている施策などありましたら教えてください。
「オンラインコンシェルジュ」というサービスをclubFmのホームページに用意しています。簡単に言えば、ユーザーに室内写真を用意していただき、こちらからおすすめの作品を実際の設置イメージとともに提案させていただくサービスです。
いまの部屋や店内の空間に、アート作品がどうマッチングするかが事前にわかるため、「これなら!」という作品選びに役立てていただけると思います。
ーまさに「空間コンサルタント」といったサービスですね。
そうですね。さらには次のアップデートで、オンラインコンシェルジュにVR(バーチャルリアリティー)機能を利用したシュミレーター機能を新たに加えることが決定しています。これは先日公開したばかりのシステムなのですが…
そう言って、実際のサービス概要を見せてくださった佐々木さん。
このVRシュミレーター機能が、本当にすごいんです!!
そこでOMISE Lab編集部は現在、この新機能を利用した実店舗の総合プロデュース企画を急きょ準備中です。
今後の展開がますます注目されるclubFm。これからも引き続き要チェックです!