「将来自分のレストランをオープンさせたい」「おしゃれなカフェを開きたい」という思いのもと飲食店を開業するには、必ず「食品衛生責任者」という資格保有者が必要になってきます。
飲食店は、安全な「食品」と「場所」を提供する義務があり、特定の資格や許可を取得する必要もあります。その中でも、店舗の衛生面を管理する「食品衛生責任者」は必ず各店舗1名以上、定めて置かなければいけません。
今回はこの「食品衛生責任者」の資格を取得するための細かな取り決めや、講習の参加方法、申し込み方法について解説します。
食品衛生責任者の役割とは
飲食店の食品衛生責任者は主に、営業者の指示に従い食品衛生上の管理運営に当たります。
食中毒の発生防止のため、施設の衛生管理に気をつけたり、危害防止措置が必要な場合は営業者に対して改善を申し出たりします。従業員に対しても、衛生管理方法を徹底・指導する立場にあり、また自身の食品衛生に関する新しい知識の習得のために定期的に講習会参加が必要とされます。
講習の全国標準化により、どの都道府県で受講しても時間・内容・資格が同一になったので、希望する場所で受講をして、法令の改廃に気をつけたり、違反行為のないように努めたりしなくてはなりません。
食品衛生協会の資格を取るには
受講要領
受講するのに住所地、勤務地、従事経験の有無、学歴等は問いません。ただし、現役の高校生は受講できません(東京都は17歳以上ならOK)。栄養士や調理師などの資格保有者には食品衛生責任者の講習は免除されます。また、外国人の方は、日本語が理解できて、在留カード、永住者証明書を持っている方に限り、受講することができます。
講習は午前9時45分から午後4時30分までの6時間の間で行われ、途中12時45分から午後1時30分の45分間は昼休み。内容は衛生法規2時間、公衆衛生学1時間、食品衛生学3時間の講習を受講後、その日のうちに修了証がもらえます。
修了証に有効期限はありませんが、その後も地域によっては1年に1回など定期的に講習を受けることが義務付けられているので、確認を怠らずに!
申し込み方法
申し込みはオンラインや電話での受付は無く、郵便による先着順のみで受け付けています。各開催会場が満席になり次第、締め切りとなりますので、必ず日程表も確認してみてください。1か月半~2か月先の定員が既に満席という場合もあるそうです。できれば早めに申し込みをしたほうがいいですね。
急ぎの場合は、講習開催頻度が高い首都圏や他の都道府県で受講することもおすすめです。申込書は各都道府県の食品衛生協会のホームページからダウンロードするか、保健所の窓口で受け取ることができるので、早めに用意しましょう。
▶︎公式ホームページ:公益社団法人日本食品衛生協会
【用意するもの】
- 封筒2枚、82円切手2枚、申込書
【申込方法】
- 申込書を見本に沿って記載してください。
- 封筒2枚にそれぞれ82円切手を貼り、1枚は協会のあて名を記入、もう1枚は返信用封筒となるので、あなたの住所を記入してください。
- 協会宛の封筒に、申込書と返信用封筒を同封してポストに投函してください。
- 協会で受付後、返信用封筒で受付票が郵送されてきます。
- 講習会の日に受講料1万円(地域によっては9千円)を持って行くのもお忘れなく!
受講後
受講修了後、受講修了証(食品衛生責任者手帳)をもらうことができます。無くさないよう大切に保管してください。もし修了証を無くしてしまったり、公的な氏名変更があったりした場合は、再交付申請書が利用できるようです。取得した道府県の食品衛生協会に申し出ましょう。
また、店舗の食品衛生責任者になる場合は、事業所や店舗のお客様に見えるところに食品衛生者名を掲示する義務があります。各会場で衛生責任者プレート(700円)を購入し、自身の名前を記入の上、店舗に掲示してください。また、条例で決められたサイズを守っていれば、必ずしも市販のプレートを使用しなくてもいいそうです。パソコンなどで自作したものでもOK!
まとめ
食品衛生責任者の資格取得方法を説明しました。1日で簡単に取ることができる資格ですが、内容は食品衛生関係法令や食品を衛生的に取り扱うための重要なものです。
衛生管理を怠ると、店舗の信頼にも関わる重大な事故にもつながりかねません。より安全な「食品」と「場所」をお客さんに提供できるよう、取得後も定期的に講習を重ね、店舗の衛生管理に取り組んでいきましょう。
参考URL:
「レストラン開業:食品衛生責任者プレートの掲示はお忘れなく」