店舗経営者にとって、「万引き対策」は悩みの種。万引き被害はお店の利益を圧迫し、最悪の場合倒産してしまうことも……。「なんとかして万引きを未然に防ぎたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、万引きの実情から具体的な対策方法まで詳しく紹介します。防犯の参考にして頂ければ幸いです。
年間約4615億円にも及ぶ万引きの実情
2010年に万引防止官民合同会議で発表された全国万引犯罪防止機構の調査 (推計値)によると、国内の万引被害額は年間約4615億円に上ると言われています。1日あたりおよそ12.6億円であり、その損失が売価に上乗せになっていると仮定した場合、日本においては4人家族一世帯あたり年間1万4726円を負担している計算になるそうです。それほど万引きによる被害額が大きいということがわかると思います。
では、いかにして万引きを防げば良いのでしょうか? 以下で「万引き犯の犯行方法と対策」「万引きを防ぐ防犯グッズ」を見ていきましょう。
万引き犯の犯行方法と対策
万引き犯には以下のような犯行方法を取るといいます。それぞれ対策方法について解説していきましょう(『防犯のセキュリティハウス』および神奈川県警『万引き防止のガイドライン』を参考)。
店内を徘徊している
店内を不審に徘徊し、店員の目の届かないところで未精算品を盗むという犯行です。対策としては、不審な行動が見られたら「何かお探しでしょうか。何かございましたら、遠慮なくお声掛けください」と声を掛けるなどの方法があります。
多数の衣類を試着室に持ち込む
試着室を利用する際に多数の衣類を持ち込み、その中の数点を万引きするという犯行です。対策としては、「恐れ入りますが、試着室への商品の持ち込みは○点までとさせていただいております」「ご試着はいかがでしょうか?」などといった声掛けを行うようにしましょう。
トイレに未精算の商品を持ち込む
トイレに未精算の商品を持ち込み、そのままカバンなどに忍ばせて万引きをするという犯行です。対策としては、「ご精算前の商品をトイレに持ち込まないよう、ご協力をお願いいたします」と声を掛けましょう。
人垣をつくり一人が万引きをする
実行犯一人を人垣で囲み、死角を作ってカバンなどに商品を忍ばせるという犯行です。対策としては、「来店客の目を見て挨拶をする」などの方法が効果的です。
店の中と外で共謀して万引きをする
従業員の目を盗み、店内から窓を介して店外の共犯者に商品を渡すという犯行です。対策としては、窓を開けると警報装置が鳴る仕組みをつくるなどの方法があります。
そのほか、店舗側ができる具体的対策については以下で解説します。
これで変わる!万引きを防ぐ防犯グッズ
防犯カメラの設置
まず対策として考えられるのが、防犯カメラの設置です。防犯カメラを設置することで、万引き犯の犯行を抑止することができます。クラウド型の防犯カメラ・監視カメラであるSafie(セーフィー)は、本体1万9800円、月額1200円~という金額でカメラを導入可能です。スマホやタブレットからでもチェックできるので、店内の様子をいつでもどこでも店内を確認できます。詳しくは過去記事も参考にしてください(スマホから監視カメラをチェックできるサービス『セーフィー』に聞く、映像が店舗の未来を変えるとは?)。
NTT東日本の万引き対策サービス「AIガードマン」は、不審行動を検知できるAIを搭載したカメラが来店客を監視し、AIクラウドに検知場所や静止画などの情報を蓄積。クラウド上から店舗スタッフが持つスマートフォンに通知します。これにより、店舗スタッフが不審者に対して「声掛け」を実施でき、万引きを抑止できるのです。
※以下のページでは、店舗のフロアなどを参考に導入した際の料金を確認できます。店舗フロアや年間の被害金額などを入れ、自店でかかる料金を計算してみましょう。
※防犯カメラに関しては以下の記事でも詳しく解説していますので、導入を検討している際には参考にしてみてください。
【店舗別】トラブルを防ぐために設置しておきたい防犯カメラのポイント。
ミラーの配置
万引き対策のためには、店舗のレイアウトも重要になってきます。レジを設置する場所も大切です。レジを置く場所を「全体が見える場所」に設置しましょう。ポイントは店内に死角を作らないことです。加えて棚の配置も工夫し、通路の奥まで見渡せるようにしましょう。
その上でどうしても死角になりやすい場所には、近くに従業員を配置し、常に警戒するようにしてください。死角となる場所に向けてミラーを設置するのも効果的です。
上記の防犯グッズを設置した上で、来店客に対して声掛けを行うことが有効です。店内を見て回り、来店客には「いらっしゃいませ」と声を掛けます。また、不審な行動が見られる来店客に対しては、「何かお探しですか?」と声掛けを行ってください。
スタッフ一同で万引きへの意識を高めよう
万引きの被害を減らすためには、防犯カメラやグッズを導入するのも大切ですが、まずは店舗巡回や声掛けといった対策が必要になります。店舗スタッフの協力なしに、万引きを抑えることはできないのです。
そのためにも、社員の万引きに対する意識を高めることが重要になってきます。教育体制を整え、万引きを抑止していきましょう。
【参考記事】
神奈川県警察_万引き防止のガイドライン
万引きの実態と防止対策|防犯のセキュリティハウス