【飲食店 開業】保健所OKを出すための11のチェックリスト

飲食店を開業する際、避けては通れないのが保健所による店舗のチェック。せっかく開業資金を貯め、メニューや広告などを用意したとしても、オープン前に保健所から「飲食店営業許可」を得られなければ、お店はオープンできません。

もしも審査に引っかかってしまえば、開店日が予定より遅れてしまう可能性もあります。そうならないためにも、事前に「どこをどう見られるか」を把握し、一発OKを目指しましょう!

細かい点は各自治体によって変わりますが、基本を押さえておけば「開店日に間に合わない」などのトラブルを避けることができます。今回は忘れてはいけない最低限の、保健所からOKをもらうために重要なポイントを紹介します。

保健所の検査内容とは

飲食店営業許可は、事前に申請をすればどんな店舗でも通るわけではありません。設備や衛生管理、人員などにおいて規定項目を満たしている必要があります。

食品衛生責任者の配置

飲食店をはじめ、食品に関係する営業を行う場合は食品衛生責任者の設置と義務が定められています。食品衛生責任者はオーナー自らがなることも、従業員の中から選任することも可能です。

食品衛生責任者になるには、各都道府県の食品衛生協会で6時間以上の養成講習会を受講する必要があります。ただし、栄養士や調理師などの資格を保有していれば、講習を受講せずとも食品衛生責任者になれるケースもあります。

なお、スケジュールの都合で受講できない場合や、受講希望者が多く講習の予約が取れない場合は、申請後一定期間以内に食品衛生責任者を設置することを約束する誓約書を保健所に提出しましょう。こうすれば、オープンに間に合わない場合であっても、誓約書に記載された期間内に食品衛生責任者を設置すれば、飲食店営業許可申請は受理されます。

関連記事:【飲食店を開業するなら】食品衛生責任者の資格取得方法を知ろう

建物の検査

飲食店のオープンにあたり、保健所は厨房内の衛生面や安全面をはじめ、営業するうえで問題がないか、事前にチェックします。細かいポイントは保健所ごとに異なるため、あらかじめどのような点が確認されるのか把握しておくと良いでしょう。

意外と見落としがち?保健所が見ている11のポイント

1:店舗スペースの用途はきっちりとわけましょう

保健所

店舗は営業専用のものとし、住居や営業に関係のない場所と仕切りなどで完全に区画することが定められています。

規模によってこの項目が適用されるかどうかは自治体によって変わるようですが、一定程度の客数を見込むのであれば、調理場とホールが何の仕切りなしに続いている、オーナーの住居スペースと店内スペースが混同しているなど状態はNGとなります。

2:掃除しやすい床ですか?

保健所

飲食店の場合、店内の調理スペースはコンクリートまたはタイルなどの耐水性材料を用い、水捌けが良い構造となるよう、勾配をつけていることが望ましいとされています。

排水をよくするためには、1/50から1/100程度の床勾配をつけるようにしましょう。

3:掃除しやすい内壁ですか?

保健所

内壁も床と同様に、清掃しやすい構造である必要があります。店内の内壁は汚れがわかりやすいように明色なものとし、床面から1メートル以上の高さまでは防火の効果が得られる耐水性材料を用いましょう。

調理場の場合は床に食べ物が落ちたり、油分が多く飛んだりする可能性も高いため、水を使った清掃を前提としています。

4:店内は明るいですか?

保健所

店内は、自然光を十分に取り入れることのできる構造とし、100ルクス以上の明るさが求められます。

ルクスというのは照明から発せられている明るさではなく、照明によって照らされている場所の明るさを指します。そのため、明るい照明を使っていても、部屋全体が暗ければ意味がないので注意しましょう。

100ルクスとは、だいたい街灯の下くらいの照度を目安として考えるようです。

5:店内の換気は十分ですか?

保健所

店内は、換気が十分行われる構造とし、必要に応じ強制換気装置を設けることが義務づけられています。

強制換気装置というのはすなわち換気扇のこと。ガスを使う調理場はもちろんのこと、万が一のためにもホールへの設置も必要です。また、換気扇はシャッター付きのものが求められています。

6:ネズミやゴキブリなどへの対策は?

保健所

店舗内には、ねずみ、害虫などの侵入を防止する設備が必要とされています。

衛生的な観点からネズミや、ゴキブリをはじめとする害虫類が簡単に店内に入れないよう、網戸や換気扇のシャッター、排水口の金網などの設置を求められています。なお、ホウ酸団子などは「設備」には入らないため、注意しましょう。

7:着替える場所はちゃんとある?

保健所

店舗には、従業員専用の更衣室や更衣ロッカーなど、着替えるためのスペースを設けることが定められています。

衛生的な観点から、更衣室と調理場が同じ場所にあるのは飲食店ではNGです。更衣室にはロッカーがあったほうがよいですが、着替えを置いておくカゴなどでもOKが出る可能性が高いようです。

8:ちゃんとしたトイレが用意されていますか?

保健所

店舗内には、施設の衛生上影響のない位置に、従業員数に応じた数のトイレを設けることが定められています。またトイレの中には、ねずみや害虫などの侵入を防止する設備や、消毒剤を備えた流水式の手洗い設備があることが義務づけられています。

もしもトイレが食品庫や調理場のすぐ近くにあれば、感染症が広がってしまうリスクがあります。

また手洗い設備に関してですが、石鹸などの周りに雑菌がつくようなタイプの「消毒剤」はNGになることがあります。できるだけ、液体洗剤を使用しましょう。

9:従業員の手洗い設備はありますか?

保健所チェック

調理場には、従業員が清潔に手洗いをし、消毒する設備があることが求められます。また、シンクは2槽あること(もしくは1槽シンクの場合、食器洗浄機を備えてあること)、お湯が出ることが条件となっていることが多いようです。

10:食器や食品を清潔に保管できる環境ですか?

保健所

食器や食品をしまう設備にはきちんと扉がついており、清潔に保管できる環境が整っていることが求められます。これは「食品衛生法」に基づいており、グラスや食器はきちんと食器棚にしまうことが義務づけられています。

営業中は食器を別の場所に出しておいてもかまいませんが、営業が終わったらきちんと収納する必要があります。

11:衛生的なゴミ箱はありますか?

保健所

衛生的に利用することができ、ふたがついているゴミ箱を用意する必要があります。今後ずっと利用することも考え、頑丈なゴミ箱の用意が望ましいでしょう。

検査から開業までの流れ

保健所から飲食店営業許可書を取得するためには、申請書類の準備や必要な手続きを進める必要があります。見直しが発生する可能性も踏まえ、開業希望日から逆算した、余裕を持ったスケジュールを組むよう意識しましょう。

必要な書類

1.飲食店営業許可申請書
住所や名前、食品衛生責任者などの必要事項を記入します。保健所の窓口でもらえますが、各保健所のホームページでもダウンロードが可能です。

2.営業設備の大要・配置図
店舗の設備の概要や配置、建築様式や機器を記入する書類です。営業設備の配置図は、定規を使って正確に書くようにしましょう。

3.水質検査成績書(貯水槽(タンク)水・井戸水を利用する場合)
お店で使用する水が貯水槽の水や井戸水の場合、必要です。店舗を管理する大家さんから取得できるため、依頼しておきましょう。また、許可を得た後も、年に1回以上水質検査を行う必要があります。

4.登記事項証明書(法人の場合)
営業許可を申請するのが法人の場合に必要な書類です。個人事業主であれば、準備しなくても問題ありません。

5.食品衛生責任者の資格を証明するもの
先述の通り、開業のためには食品衛生責任者の資格を有することが必須です。食品衛生責任者手帳や、調理師・栄養士の免許証を提示しましょう。

申請から開業までの手順

1.事前相談
基準を満たしているかどうか、事前に必要書類を保健所に持参し、相談します。

2.店舗検査の日程打ち合わせ
申請者と保健所の担当者で、店舗検査日を決定します。タイミングによっては申請翌日に店舗検査となる一方、スケジュールの都合で数週間先になる可能性もあります。

3.確認検査
保健所の担当者が、実際に店舗を見て検査基準を満たしているのか確認します。もしも不適事項があれば、改善を行いあらためて再検査を受けなければなりません。

4.営業許可書の交付
検査で問題がなかった場合、保健所から営業許可書が交付されます。状況によって許可書の交付までにかかる時間が異なるため、あらかじめ保健所に確認をしておくのがおすすめです。交付された営業許可書は、店内の目立つ場所に掲示しておきましょう。

なお、営業許可書は一度取得すれば良いわけではありません。期間満了前に許可更新の申請手続きが必要です。満了日の約1ヶ月前に必要書類を保健所に提出しましょう。

開業前だけでなく、開業後も定期的なチェックを

保健所のチェック項目は細かいものも多く、厳しいと感じてしまいます。しかし、不備のある状態で営業を開始し、食中毒や感染症などを広めてしまう危険を防ぐためにも、開業前はもちろん、開業後にもきちんとチェックをしましょう。

ここで紹介したものは一例であり、各地域によって項目は変わります。開業する店舗の該当地区のチェック項目を調べ、それを確認しながら準備を進めましょう。

しっかりと衛生チェックをし、安全・安心な飲食店を目指してくださいね!

同時期に考えておきたい、店舗BGMの著作権侵害

店舗を経営するのであれば、保健所チェックと同時期に注意が必要なことに店舗BGMの著作権問題があります。

iPodやパソコンなどから複製した音楽を無断で店内のBGMとして使用することはれっきとした違法行為。JASRACから催告を受けた結果、罰せられてしまった店鋪や施設は、数多くあります。そうなる前に、早めにBGMを流す手段を考えておきましょう。

モンスター・ラボの音楽配信サービス「モンスター・チャンネル」は、各店舗に代わってJASRACへの著作権使用料を支払っているため、著作権の心配なしにさまざまなBGMを利用できます。14日間の無料体験版もご用意しています。ぜひ、こちらも御覧ください。

モンスター・チャンネル