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美容室のマネジメントに欠かせない「管理美容師」の資格取得方法

飲食店を開業する場合、安全に事業が取り計らえるよう「食品衛生責任者」「防火責任者」といった資格の保持が必須となりますが、美容室を開業する場合も同様の資格が必要になります。今回は美容室の開業に必要な「管理美容師」の役割や資格取得について説明していきます。

感染症などからサロンを守る、管理美容師

美容室ではハサミを使い髪をカットします。もし、細菌が付着したままのハサミでお客さんの肌を傷つけるようなことがあれば、それが原因で感染症を引き起こすことが考えられます。ほかにも、カラーリングに使う強酸性の溶液も取り扱いますが、こういった薬剤も適切に使用しなければ、お客さんの頭皮に大きなダメージを与えてしまいます。

このような事態を防ぐために、各サロンでは「管理美容師」の有資格者を配置して、ハサミなどの器具の消毒、タオルなど使用済みリネン類の交換、洗浄といった管理を引き受け、一緒に働く美容師にも同様のタスクを守るよう指示を出します。

以上のことから、感染症などのリスクを回避するために、美容室では公衆衛生に対する正しい知識を身に付けたスタッフの存在が欠かせないものとなります。現在、職員が2名以上いる美容室では最低1名の管理美容師を置くことが法律で定められています。

管理美容師になるための2つの条件

管理美容師になるためには以下の条件を満たさなくてはなりません。

1.美容師としての実務経験が3年以上あること
2.都道府県知事指定による講習会を修了していること

実務経験については、やはり清掃、消毒作業といった日々のOJTを通じて初めて見えてくるものがあります。講習会では「衛生管理総論」「店舗の構造設備」「店舗の衛生管理」「従業者の健康管理」「消毒法とその用途」「美容業務に使用する医薬部外品等」「事故等の対応」などの分野を計18時間かけて学びます。覚えるべき範囲は多岐に渡りますが、資格取得のための試験は設けられていません。

資格取得までの流れ

前項の資格取得条件を満たしたら、主催者である公益財団法人理容師美容師試験研修センターの公式ホームページを通じて申し込みます。

管理美容師(または管理理容師)資格取得の該当ページにアクセスした後、都道府県、美容または理容、開催回(会場)を選択します。WEB上でも正式エントリー可能ですが、必要書類一式を印刷し主催者宛てに郵送する形でも受け付けてくれます。

カリキュラムは公衆衛生が4時間、美容所の衛生管理が14時間(計18時間)もあるため、受講は3日間に分散されます。基本的に美容室や床屋が休みとなる月曜日または火曜日に、3週間に渡り開催されますが、東京都のように3日間連続で組まれることが多い地域もあります。また各地会場には定員が設けられているため、希望者は早めに申し込むようにしてください。

無事エントリーが終わると、講習開始の約1週間前までに自宅へ受講者票が送られてきます。すべての講習を無事に修了し、修了証書が発行される流れです。受講料金は16,000円ですが、過去に値下げされたことや一部の自治体では異なる場合もあるため、主催者のHPで確認するようにしましょう。

公益財団法人理容師美容師試験研修センター
http://www.rbc.or.jp/workshop/

管理美容師になるメリット

管理美容師になるメリットは、現在個人で美容室を経営している人が、将来的にスタッフを増やしてお店を拡大させたいときに有利に働く点です。個人経営(美容師1名のみ)の場合は管理美容師の配置は義務ではありませんが、取得しておいた方が無難と言えるでしょう。

また、いま現在管理美容師の資格を持っている人は、転職の際に有利に働くこともあります。衛生管理の意識が高い経験者は、どのサロンでも需要が高い人材となります。美容師として長く働いていきたい人にとっては、持っていて決して損になることはない資格です。

コロナ禍で衛生管理に対する意識の徹底が求められる

ハサミやタオル、薬剤の取り扱いはどこの店舗でも細心の注意を払っています。しかし、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大から、より多角的な衛生管理が求められるようになりました。

ほかの飲食店舗や商業施設でもすでに導入されているように、入店時の検温、手指の消毒、施術時のマスクの着用、室内の定期的な換気、アクリル板などを用いたウイルスの飛散防止などを徹底することで、お客さんや従業員の感染症を防ぐ必要があります。いざクラスター(集団感染)が発生すれば、店舗は数日間にわたり使用できなくなるため、お店によっては事業継続が危ぶまれることも考えられます。

いまだ新型コロナウイルスの収束が見えてこない現状を鑑みると、管理美容師による現場の指揮・統率には非常に重大な役割があります。

信頼できる美容室のシンボルとして働く

「管理美容師」は2010年の民主党政権時代に事業仕分けの対象になったこともあり、実効性の乏しい資格とみられることもありましたが、いまのところ存続しています。冷静に考えると、お客さんそして働くスタッフが安心できる環境を整えることは、コンプライアンス(法令遵守)に厳しい昨今、当たり前のことです。社会に対する責任から、管理美容師の認知度やステータスはもっと向上すべきだと言えるでしょう。

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