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こだわりの内装工事。店舗の顔となるカウンター工事に迫る。【経験ゼロからの開業日記#5】

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「お店を持ちたい」。そう思い立っても、新規開業のためのノウハウを持っていないために諦めてしまう人が多いかもしれません。しかし、必要な知識を身につけ、コツコツと準備を進めていけば開業することは不可能ではありません。

デザイナー大谷秀映さんが1から店舗をリノベーションするカフェ兼アクセサリー雑貨店、「ZAGURI」の開業準備の様子を密着レポート。11月のオープンに向けて、配線むき出しの内装が徐々に仕上がっていく経過を写真とともにレポートします!

連載「経験ゼロからの開業日記」5回目のテーマは「こだわりの内装工事」です!

必要な内装工事費はどれくらい?工事費を抑えるために知っておきたいポイント。

一般的に、飲食店の内装工事費の相場は、シンプルな仕様の場合で坪単価30〜50万円程度だと言われています。こちらはあくまでも相場なので、これよりも安く済ませることも十分可能です。では、どのようにすれば内装工事費を抑えることができるのでしょうか。

内装工事を行う際、飲食店は厨房に多くの費用を必要としますが、厨房付きの居抜き物件を探すことができれば、コストの削減を叶えられます。

また、複数の業者に見積もりを取ることは、工事費を下げるために必須です。これは、複数の業者に競争をさせることで価格が適正化していくためです。個別で見積もりを取らず、見積比較サービスを無料で実施しているサイトを利用してみるのもよいでしょう。

優先するのはデザインか、建築費か……。坪単価30〜50万円が相場といわれる内装工事費。

優先するのはデザインか、建築費か……。坪単価30〜50万円が相場といわれる内装工事費。

ただ、どうしても予算に収まらない場合もあります。そんな時は、内装工事会社に減額案を提示してもらいましょう。ここで注意したいのがVE案(バリユーエンジニアリング)として提案してもらうこと。つまり、単に機能を落としてコストを下げるのではなく、機能はそのまま維持しながら、知恵と工夫によってコストを下げる方法のことです。優良な会社であれば、その様なVEノウハウを多く保有しているので対応してくれるはずです。

後は依頼する相手が設計デザイン会社か工務店かといった違いで、建築費用やデザイン、仕上がりも変わります。とにかく建築費を抑えたいのであれば工務店施工に。若干割高になったとしても、デザイン性を重視したいのであれば設計会社に発注するのがよいでしょう。

店の顔となるカウンター作り

一般的に内装工事をする際のポイントは上記の通りですが、お店作りにおいて強いこだわりを持つ大谷さんは、自らの手で内装工事を手がけました。

細かいパーツにまで随所にこだわっている大谷さんですが、特に手をかけているのがカウンター。通常であればカウンターなどの大型設備は専門家に発注するところですが、これも自力で作り上げます。

(大谷)「カウンターは店の真ん中に位置するため店の顔。非常に重要な役割を果たします。大きな造作となるためやり直しが効かず機能的にもデザイン的にも失敗できません」

スケルトン化した店内に、カウンターの枠組みを作っていきます。まずはブロック塀をとりあえず20個買い、積んでみたそうです。

(大谷)「実物大設計でより正確な寸法が行えるようになったので、材料の精査をしました。床埋め込みコンクリアンカー12本、鉄芯16本、ブロック77個が必要となり、メインカウンターは6段重ねで120cm弱のハイトに。キッチンカウンターの背面は2mハイトまでステンレス板を貼ることにしました」

難関だった最初のカウンターのブロック積み。トータルで約80個のブロックをカウンターに使っています。

難関だった最初のカウンターのブロック積み。トータルで約80個のブロックをカウンターに使っています。

大谷さん曰く、最初のカウンターのブロック積みが難関だったそうです。

(大谷)「ホームセンターでブロックを30個ほど購入し、軽トラで往復3時間、3回に分けて運びました。合計80個あまりのブロックを一段ずつ、セメントが乾いてから積み、鉄骨を溶接しながらという作業を行いました。運搬と積み上げには1週間もの期間を費やしています。もう執念で積み上げましたよ」

また、カウンターの天板を乗せるのに、水平を出す作業時には、大変な苦労を重ねたと語ります。

(大谷)「削っては天板を置いて傾きを直す作業の繰り返しで、半日かかってしまいました。毎回、破片や火花が飛び散って熱いし怖いし、ビビりながらの作業でした」

火花を散らしての作業。

火花を散らしての作業。

パーツだけではなく、細部にまでこだわる大谷さん。カウンターの表面は完成していたものの、「お客さんからは見えない部分ですが、手抜きしたくはありませんから」と、カウンターの裏面にもきっちりとセメントを塗ることに。

緻密に計算して、狂いのないカウンターを作るためにシュミレーション、そして練習してから本番用のカウンター材を発注。

緻密に計算して、狂いのないカウンターを作るためにシュミレーション、そして練習してから本番用のカウンター材を発注。

いよいよカウンター板を設置する段階にきたのですが、いろんな板材を見て回り、色合いや木目がしっくりきたものをチョイス。失敗は許されないために、練習用の瑞材を使ってシュミレーションすることに。

(大谷)「これだけの厚みのあるタモ材は大変高価です。やり直しがきかない作業のため気を使います」

5cm厚の重量級のタモ無垢材。一人では持ち上げることができないほどの重さ(70〜80kg位)。

5cm厚の重量級のタモ無垢材。一人では持ち上げることができないほどの重さ(70〜80kg位)。

ここで無事成功し、本番用のカウンター材を発注しました。

(大谷)「カウンター材に塗る塗料は、自然の木の良さはそのままに、撥水性・防汚性・耐久性・メンテナンス性などにも優れている面からドイツ製のオスモカラーに決めました」

ついに完成した、こだわりのカウンター

かなり重量のあるカウンター材を乗せるため、頑丈に積み上げたブロックが威力を発揮。ブロック積みの土台であってもビクともしないどっしりとした作りのカウンターができあがりました。レベルを見るために水平機能付きの非常に便利なメジャーが大活躍し、ベルトサンダーで何度か研磨して表面を仕上げ、最後はオスモカラーを塗って完成。一寸の狂いもなく、プロ顔負けの美しいカウンターとなっています。

仕上がったカウンター。塗り方も簡単、スポンジ状のハケで綺麗に塗りました。

仕上がったカウンター。塗り方も簡単、スポンジ状のハケで綺麗に塗りました。

苦労の甲斐もあり、こだわりのカウンターは無事大谷さん自らの手で作り上げることができました。次回は、大谷さんが唯一プロにお任せした水回りについてのお話です。

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