新型コロナ対策。店舗の経費削減、家賃交渉術とは?

現在、新型コロナウイルスの感染拡大は、経済活動に大きな影響を与えています。中でも個人店舗経営者は、客足が滞り、売上の減少から苦しい日々が続いているでしょう。

今回は、この危機的状況を少しでも緩和するために、個人店舗の「経費削減方法」にスポットをあて紹介します。光熱費や人件費といった変動費の削減はもちろん、記事後半では、店舗のコスト最適化サービスを手がける株式会社アクトプロ様へ伺った「家賃交渉」をテーマに解説します。

個人店舗の変動費削減

売上に伴って支払い額が変動する経費を変動費といいます。人件費や光熱費、宣伝広告費や販売手数料などが含まれます。最適な変動費の目安は、合計で売上の60~70%といわれています。

変動費の削減は、時に店舗の提供価値に影響を与えてしまうため、注意が必要です。例えば、代表的な変動費のひとつに売上原価があります。仕入れに使う材料を安価なものにし、材料費を下げることで売上原価を下げることができます。しかし、安価な材料を使用することで、飲食店であればお客様に提供する料理の質が低下してしまうことが考えられます。

ここでは店舗の提供価値を下げずに、変動費を削減するために有効な取り組みを紹介しましょう。

水道光熱費

電気代、ガス代、水道代、全てに共通して実施していただきたいのが、料金プランの見直しです。中でも店舗開業にあたり、不動産の方からおすすめされたプランを使用している方は、一度現在の料金プランを他社と比較し、最適なものを検討してみましょう。

また、水道光熱費は意識の徹底で削減可能です。例えば電気代であれば、白熱灯、蛍光灯をLEDに取り替えるだけで、月の消費電力を大幅に抑えられるはず。ただし、光は店内の雰囲気に直結するため、色合いの選択には注意してください。

ガス代の削減には、調理器具の見直しが効果的です。熱伝導の良い鍋などを使用することで、ガス代の節約につながります。店内の使用機器を見直すという点では、食器洗浄機の導入もおすすめです。節水効果や人件費の削減も期待できます。

普段は意識していない水道光熱費の削減も、こまめに使用頻度を下げるなど、長期的な視点で最適なコストに抑えましょう。

発行代・郵送代

事務作業で発生する書面の発行代や郵送代は些細な金額ではあるものの、積み重なれば大きな出費となります。これまでは紙での処理を行なっていた店舗も、WEB上での書類のやりとりを行うクラウドサービスを使用することで、ペーパーレス化した事務作業が可能となり、各種経費を削減できるでしょう。

人件費

客足が少ない現在、アルバイトを雇っている店舗では「シフトの組み方」と「オペレーションの改善」が有効的です。過剰なスタッフの配置や闇雲なシフト変更をせずに、過去の売上データや売上予測から、最適な人数の割り出しと配置を行いましょう。無計画な人件費の削減は、サービスの質を低下させてしまう恐れがあります。

また、少ない人数でも店舗運営が効率的に行えるようオペレーションを見直しましょう。顧客との接点を拡大するためにテイクアウトを導入した飲食店であれば、顧客の導線確保や接客方法を徹底し、客足が増加する時期に向けたファンの拡大を狙うべきです。

アクトプロに聞く、店舗のコスト最適化

店舗運営にかかる経費には、上記で紹介した変動費の他にも固定費があります。固定費とは、売上の変動にかかわらず支払い額が常に一定である経費です。一般的に店舗の固定費は売上の15〜20%に抑えるのが最適とされています。中でも固定費の多くを占める家賃・テナント料は、店舗運営において大きな経費です。しかし変動費とは異なり、固定費やテナント料は大家さんとの交渉が求められます。

そこで今回は、店舗のコスト最適化を支援する株式会社アクトプロの小笠原様に、個人店舗の家賃交渉や、アフターコロナに向けた取り組みについてお聞きしました。

株式会社アクトプロでは、企業・店舗のコスト最適化サービスをはじめ、お客様の出退店を支援するマッチング仲介サービス、コールセンター、外貨両替をメイン事業としています。
中でもコスト最適化サービスは、業界内TOPクラスの実績をもとにした情報力で最適化を実現し、完全成果報酬で取り組みを行っています。
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個人店舗の家賃交渉と注意点

まずは個人店舗が自身で家賃交渉を行う際のポイントと注意点についてお聞きしました。

小笠原氏:個人店舗自ら行う家賃交渉は、決してできないものではありません。コロナの現状を踏まえると、むしろ家主側から心配の声がきているケースもあるようです。

これまでの経験からすると、個人の場合は、できるだけ家主に訪問し対面で交渉する方がいいと思います。困難な場合、メールや手紙ではなく、せめて電話で現状を詳細に伝えることが肝心です。

家主が個人事業主であったり、不動産経営者の場合、しっかり誠意を伝えるのが一番ですね。一方で家主が大手企業の場合、削減できないこともあります。短期・長期に関係なく家主に合わせた交渉が重要です。

よく家主様からの返答としてあるのが、保証金から相殺、もしくは数ヶ月分の家賃支払いを待ち、コロナ終息後に分割で支払うといった提案です。

交渉時の注意点

小笠原氏:自分の都合ばかりを押し付けてはいけません。コロナのタイミングで、売上の減少は大いにあり得るため交渉の余地はありますが、本来は売上と賃料は関係ないものですので、あまり自分たちの都合ばかりを押し付けてはいけません

辛いのは家主も同じ

小笠原氏:単純に場所がよくリーシングするのに自信がある家主であれば、次の借り手があり心配ないかと思いますが、現状は家主側も経営が辛い状態なのは一緒です。

弊社に問い合わせいただける方の中には、今年の2月に契約したばかりの店舗を抱えているケースもあります。開業したはいいが、コロナの影響で売上が全然上がらず、資金的に撤退を余儀なくされる店舗もあるでしょう。こういった場合、仮に抜けられてしまうと、次のテナントに向け準備もできないですよね。

本来70%以上稼働している建物が、抜けすぎて30%に落ち込んでしまうと、困惑してしまう。家主側からしても店舗の状況が大丈夫か、逆に死活問題になりかねない状態といえます。状況次第ではありますが、焦っている家主の方も相当いらっしゃるかとは思います。

コスト最適化サービスを利用するメリットとは

小笠原氏:弊社では簡単なお悩み相談から受け、業務委託の関係から現状を全てお聞きしサポートしています。コストが相場より高いから下げる、だけでは不動産鑑定士の方の力ですみます。あくまで協議で決める内容ですので、双方が納得して初めて削減できるため、現状を踏まえた取引が要になります。

また個人店舗経営者の中には、最適なコストの相場を理解している方は少ないと思います。たとえば月の電気代が、果たして他と比べて正しいのか。よくあるのが、店舗を借りる際に一緒に不動産から紹介される光熱費の「最安値」。これって何を持って最安値なのか、根拠がわかりませんよね。

そういった「情報量」の部分が、個人の方には限界があり、制限されてしまいます。コスト最適化サービスは、実績に基づく情報量を担保したものになります。

アフターコロナに向けた店舗の開業とアドバイス

アクトプロでは、コスト最適化サービスに加え、店舗の出退店を支援するマッチング仲介サービス「退去NAVI」を運営しています。

アフターコロナに向けた店舗の動きや、今後の店舗運営のポイントについてご紹介します。

コロナ収束に向け、開業を目指す個人が増えている

小笠原氏:店舗の中で、運営継続ができず撤退したい方は増えています。しかし逆に、開業を進める方からの問い合わせも増えているんです。

事実、退去NAVIへの会員登録数がここ数日(2020年4月時点)で200件ほど増加しています。これまで月の新規登録者数は大体40件ほどでしたので、かなり増えていますね。比率で見ると、出店と退店の割合は半々くらい。

コロナで撤退するお店は多いと思うので、通常空かなかった場所(優良一等地など)が増えることが予想できるからです。ピンチをチャンスに捉え動き出している方が、企業だけでなく個人の方も増えているんですね。

アフターコロナに向け、今後は大量の出店が予想されます。コロナで受けたダメージを回収するために、企業も多く動き出すでしょう。個人の店舗の方であれば、物件情報を迅速に取集する必要があります。しかし物件情報には限界があるため、業種業界に合わせた情報が集約している部分を探し、そことのパイプを作るのが一番早いです。

「今」個人店舗が意識するべきポイント

小笠原氏:闇雲に店舗経営を耐えるのではなく、どれくらいまで経営を維持できるのかをしっかり計算して考える必要があります。今やるべきは、国の施策が日々変わり、県や市単位での制度も変化する中、まずはそういった情報を全て収集することです。家主への家賃交渉時にも、交渉材料として補助制度を提案するなど、使えるものは全て使うべきです。

そうしたことを全て踏まえた上で、いつまで経営が続けられるのか、資金運用を計算しましょう。たとえば3店舗経営している方が、現状のままだと3店舗全ての経営が困難になる場合は、2店舗を存続するために1店舗を撤退するといった考えをしなければなりません。

徹底的な情報収集と、撤退コストや今後の資金運用を計算しながら、リスク分散をすることが重要です。

計画的な資金運用と情報収集を

飲食店はもちろん、その他業種業界かぎらず、個人店舗経営者は苦しい日々が続いています。アフターコロナに向け、今は経費削減のために計画的な資金運用をし、政府や各自治体が提示している制度・助成金を有効活用しましょう。現状の分析と家主との信頼関係、根拠となる情報収集を徹底することで、家賃交渉の可能性も生まれます。 今回紹介した経費削減方法の他に、店舗BGMのコストを削減したい方には「モンスター・チャンネル」がおすすめです。水道光熱費同様に、店舗BGMもコストを比較し、最適なものを検討してください。