メタルも「癒しの音楽」になる!?知っておきたい「α波」のはなし

α波」という単語を聞いたことがあるでしょうか。ヒーリング音楽、リラックス音楽といったジャンルの音楽によく用いられ、「α波が出ている」といわれている音楽を集めたCDも発売されています。

しかし、α波とは具体的にどのようなもので、どのような効果があるのか、よくわからない人のほうが多いのはないでしょうか。

「α波が出ている」ってどういうこと?

α波

α波は、脳波の種類のひとつです。ドイツの神経科学者であり、精神科医でもあるハンス・ベルガー(Hans Berger,1873)が命名し、ベルガー波・ベルガーリズムと呼ばれることもあります。
脳波は現在脳がどのような状態になっているかということを、「Hz」という周波数単位で表すことのできるものです。主な脳波の種類は5つあり、以下のように分類されます。

1.ガンマ(γ)周波数:30Hz以上

イライラとしている状態

2.ベータ(β)周波数:14〜30Hz

通常の状態〜イライラとしている状態、緊張感のある状態

3.アルファ(α)周波数:8〜13Hz

落ち着いている状態、リラックスしている状態、集中している状態

4.シータ(θ)周波数:4〜7Hz

熟睡と起きている中間のまどろんでいる状態、ひらめきの状態

5.デルタ(δ)周波数:0.5〜3Hz

完全に眠っている状態、無意識の状態

「α波が出ている音を聞くからリラックスしている」のではなく、「リラックスしている状態だからα波が出ている」ということになります。

α波は休めば休むほど大きくなるということはなく、大きくても50μV程度にとどまります。

α波が出てるときの効果

α波

脳がα波を出しているときは、次のような効果があります。

・体と脳を休め、リラックスすることができる
・ストレスを沈める効果がある
・脳を活性化させることができる
・体の免疫力を高め、病気を予防することができる

このようにα波には体と心のリラックスなど、さまざまな効果があり、近年では音楽療法にも取り入れられています。

イギリスの動物学者・生物学者のライアル・ワトソン(Lyall Watson,1939-2008)は、自身の著書の中で次のような一文を残しています。

”(α波)の刺激を与えると、意識が変わり、気を失ったり発作を引き起こすことさえある。”ー『スーパーネイチュア』牧野健治訳/蒼樹書房,1974年刊(原題:Super Nature,1973年刊)

α波に導く音楽とは?

α波

α波の中でも、「1/fゆらぎ」という一定の周波数や振動をもつ音楽は、自然と脳をα波に導く効果があるようです。

1/fゆらぎは、次のような音に含まれています。

自然の音

川のせせらぎや鳥のさえずり、波の音など、自然の音。

自然の音に近い「人の声」

美空ひばり、宇多田ヒカル、平井堅、徳永英明さんと言った歌手の声にも、1/fゆらぎがあるとのこと。

モーツァルトの音楽

「1/fゆらぎ」をもっとも多く含み、脳がさえた状態でリラクゼーションに導くことができる音楽。

メタル音楽でもα波が出る?

α波

上記のような音楽を聴くことで、必ずしもα波が出るとは限りません。その音楽を好み、聴いていて心地がよいと感じる音楽なら、脳がα波の状態になることもあるそうです。

ヘビーメタルやロック・パンクなど、激しく緊張感のある音楽も、人によってはリラックスすることができ、α波を出すこともあるとのこと。

逆に、α波を導きやすいと言われているヒーリング音楽やモーツァルトの楽曲も、その音楽に不快感を感じてしまうと効果はないようです。

おわりに

脳をα波の状態にすることは、睡眠前など体を休めたいときはもちろん、勉強や仕事前に集中力を高めることにも効果的です。また、妊娠中にα波の音楽を聴くことで、母子ともにリラックスした状態になり、赤ちゃんにもよい影響を与えると言われています。

音楽とα波の関係を知っておくことで、お店のBGMを選択するときや雰囲気作りの参考にもなるのではないでしょうか?

α波を導きやすいと言われている音楽、一度聴いてみて、その効果を体感してみてください。