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もしあなたのお店に監視カメラを導入しようとすると、1台あたり数十万円掛かります。個人店舗経営者にとって数十万円の出費は大きいですよね。むしろその数十万円を、内装にこだわったり集客のための広告宣伝費に使用したりしたいと考える人も多いと思います。

そんな折、2万円程度で監視カメラを導入できるサービスが登場しました。それが、クラウド型の監視カメラ『セーフィー』です。

今回は、このサービスを提供しているセーフィー株式会社のCMO(最高マーケティング責任者)の小室秀明氏にインタビュー。同社がビジョンとして掲げる「映像から未来をつくる」とはどういうことなのかについて伺いました。

 


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クラウド型監視カメラ『セーフィー』とは?


(セーフィー株式会社のCMOの小室秀明氏)

――はじめにセーフィーのサービス概要について教えてください。

小室秀明氏(以下・小室氏):セーフィーとは、簡単に言えばいつでもどこでもスマホなどで映像を確認できるクラウド型防犯カメラです。カメラが動作しているところに人が来ると、動体を検知して管理画面上に緑のフラグが立ちます。ユーザーは緑のフラグを選択するだけで、いつ誰が来たのかを把握可能です。もちろん音声も記録できます。

POSレジとも連携でき、いつ決済が行われたのかも端末から把握可能。お客様会計時の明細も記録できるので、お店を閉めた後の違算チェック時には効率良く振り返り確認することができます。

また、個人の店舗のオーナーだと、いつも自分が店舗にいられるわけではありません。店頭をアルバイトだけに任せておくのは心配……という人でも、スマホなどでいつでも店内をチェックできます。バイトテロの防止のために導入するという方法もあるでしょう。

――映像を見る限り、画質がキレイですね。よくある監視カメラは画質が悪いような気がしますが……。

小室氏:なぜ一般的な防犯カメラの画質が悪いと思います? 普通の防犯カメラだと、SDカードやHDDに録画します。動画は容量が大きいですから、記録できる容量に限りがありますよね。その中に映像をたくさん入れようとすると、映像を荒くせざるをえない。よって画質が悪くなるんです。その点、セーフィーはクラウドに映像を保存するので、容量を気にすることなく高画質で録画できます。

防犯カメラの、“防犯カメラ以外の”使い方


(POSレジと連携させて、レシートデータと動画を同時に参照できる)

――セーフィーはこれまでの防犯カメラとは違って、防犯目的以外の用途にも使えそうですね。

小室氏:これまでのカメラは、何かあった時に見返すという極めて受動的なものでした。セーフィーは「いつでも見られる」という新しい使い方ができるようになっています。

ある店舗経営者が話していたんですが、複数店舗を運営している人だと、知り合いから「あそこの店舗って空いてます?」という電話が掛かってくることがあるんだそうです。そのような時に、お店にわざわざ電話するのは手間ですよね。セーフィーなら、カメラを各店舗に置いてさえおけば、スマホ1台で確認できます。

あとは飲食店だと「無人の荷受け」を実現するためにセーフィーを利用している人もいますね。店舗内に誰も居ない時に食材やお酒を持ってきてもらう際、カメラを使いたいというニーズがあるようです。

人材育成的な使われ方もあります。模範的な接客をする従業員をムービークリップとして撮っておけば、新人研修の際の教材として利用可能。新人教育は属人的になりがちで、良い接客がきちんと店舗内で受け継がれない可能性がありますからね。

セーフィーが掲げる「映像から未来をつくる」とは


(セーフィー本社入り口には、カメラのデモ映像が流れていた)

――貴社は「映像から未来をつくる」というビジョンを掲げていらっしゃいますが、こちらについて詳しく教えてください。

小室氏:セーフィーの映像は高画質・高音質です。人が目で見たり耳で聞いたりするのとほぼ変わりません。つまり、カメラが人の視覚・聴覚を代替できるのです。飲食店などで無人の荷受けができるようになるのも、人の能力を拡張していると言えますね。能力が拡張するということは、それまで自分が見られていなかった情報も得られるようになるということ。判断材料が増えることにもなり、結果的に未来をも変えることができると思っています。

例えば複数店舗を抱えるエリアマネージャーなら、各店舗を回る業務があります。カメラが無いと、どうしても近場を中心に回りがちになってしまいます。セーフィーを導入すると全店舗を俯瞰できるので、例えば人手が足りていないような店舗を狙って回ることができます。このように、個人レベルの意思決定を変えるという意味で、「未来をつくる」と言えるのです。

もっとレイヤーを上げた話をすると、これまでの飲食店の課題を解決できる“未来”をつくることができます。具体的には、冒頭でも触れましたが、お店を締めた後のレジの違算チェックは店主にとって悩みの種だと思います。でも、セーフィーを入れることでチェックする時間を大幅に削減することができる。店主・オーナーの働き方を変えることにつながるんですね。それはまさに、未来をつくっていくことだと言えます。

セーフィーとAIの関係は

――ところで、昨今はAIの発達も目覚ましいですが、AIを使った新しい使い方もできるのでは?

小室氏:例えば、不審な行動をAIが自動的に判別する、というのはニュース記事になりやすいです。でも、それが現場で実際に運用できるようになるまでには、まだまだ越えなければならない分厚い壁があります。個人店舗にとっては、AIを使った監視サービスを利用するのはまだまだコスト面で難しいという現状もあると感じています。

もちろんセーフィーもAIを利用したサービスを目指していますし、それに応じたビジネスモデルを考えています。私たちは地に足をつけて、まずは現状に問題を抱えている人たちのためにお役に立ちたいと考えています。

――例えば店舗の前にカメラを設置して、「どんな人が通行しているか」というようなデータが蓄積されていくと、それはビッグデータになりますよね。ビッグデータを活用するという未来もあるのでしょうか?

小室氏:ビックデータを元に、「明日何人来るのか」という予測は店長さんにとって欲しい情報だと思います。店員さんのシフトを組む作業にも影響しますので、これはぜひ検討したいですね。そのためにどんなデータが一番必要なのかと言えば、やはり映像。AIに学習させるのは映像が一番良いはずです。

「こういうデータの見方もありますよ」という提案もしていきたい

――セーフィーのこれからについて教えてください。

小室氏:以前、ネット印刷で有名なラクスルのCMOの方と話したときに、こんなことを言われたんです。「私たち(ラクスル)はチラシを簡単に配れるツールを持っていますが、チラシの効果測定をする手段は持っていません。ラクスルを使ってチラシを配った結果、お客さんがどのくらい増えたかというのがわからないんです。それを定量化できるだけでも、ラクスルとしては嬉しい」と。実は、私たちのカメラなら人数カウントの技術でそういうことも実現できるんですよ。

でも、例えばネットの世界のマーケティングはすべて「見える化」されているにも関わらず、そのデータを使ってちゃんとPDCAを回せているマーケターがどれくらいいるのでしょうか? それと同じで、防犯カメラを置いて現実世界でのマーケティングデータが見られるようになっても、そのデータを個人店舗で活用できるようになるのは別の話だと思います。ですから、私たちの役割は見える化をするだけではなく、そのデータを使って「こういう見方もありますよ」と提案していくことなのではないでしょうか?

動画データがマーケティングデータになる時代へ

セーフィーは、単に防犯目的としてサービスを提供するだけではなく、将来的にはマーケティング支援をも見据えていることがわかりました。動画データがマーケティングに応用されていく――。それは、多くの個人店舗の“未来”を変えることにつながるでしょう。

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magazine 編集部

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店舗BGMアプリ「モンスター・チャンネル」が運営する店舗運営情報magazineの編集責任者。