ベジタリアンとビーガンの違いを知り、多くの方に愛されるサービスを

近年、グローバル化の加速により、さまざまな国から観光目的でやってくる方が増えてきています。飲食店としては、ぜひそうしたお客様の集客も狙いたいところ。

しかし、外国人観光客の方々の集客を考えるのなら、外国語での接客や多言語メニューの作成はもちろん、文化や価値観の違いをしっかり理解し、対応しなければいけません。

たとえば、ベジタリアン/ビーガンもそのひとつ。健康や美容のためではなく、倫理的な理由や宗教的な観点からそうした食生活を選択している人もいます。そのため、間違った対応をとってしまうと、大きな問題になることも……。

そこで、今回はベジタリアン/ビーガンを中心に、食に対する価値観を学んでいきましょう。

 

飲食店経営の皆様へ まだCDなんですか?

どうしてベジタリアンやビーガンへの配慮が必要なの?

2017年に日本に訪れた外国人旅行客は2869万人。2404万人だった2016年から比べると、約+20%の伸び率だから驚きです。さらに、日本政府は東京オリンピックがある2020年までに外国人観光客を4000万人にするという目標を掲げているため、今後も多くの旅行客が訪れてくるでしょう。

ただ、外国から訪れる人が増えるのは、宗教や価値観、ポリシーの違いから多様な食に対する価値観を持った人が来ることでもあります。

日本では、まだまだ少ないベジタリアン/ビーガン向けのお店。とくに、魚から出汁を取ることも多い日本では、ベジタリアン(とくにビーガン)用メニューの希少性が高く、他店との差別化をはかることができます。

来日する外国人のお客様は、旅行前にトリップアドバイザーのような口コミサイトやSNS等で、評判の良い店を探すのが定番だそう。もし、そうしたサイトやSNSに評判が投稿されれば、口コミをもとにお客様が増えてたちまち人気店に……なんてことも、夢ではないかもしれません。

さっそく、次の章から、それぞれの考え方の違いや背景などについて、学んでいきましょう。

※参考データ 日本政府観光局「訪日外客統計の集客・発表」

 

食べない基準は人それぞれのベジタリアン

自身の健康や価値観、そして途上国支援や環境問題……ベジタリアンの人々は、さまざまな理由で食べるものを選択しています。

基本的に草食主義のベジタリアンですが、それぞれの考え方によって、食べる/食べないの基準が分かれることも。事実、肉は食べないけど魚は食べる(イン・ミート・イーター)、卵は食べないけど乳製品は食べない(ラクト・ベジタリアン)といったように、細かな分類があるようです。

ポゥヨゥ・ベジタリアン=鶏肉のみ食べるが、その他のお肉は食べない。
イン・ミート・イーター=肉のみ食べないが、魚・乳製品はOK。
ラクト・オボ・ベジタリアン=肉・魚は食べないが、卵や乳製品はOK。
ラクト・ベジタリアン=肉・魚だけでなく、卵も食べない。


ベジタリアン用のメニューは考えやすく、取り入れやすいので、飲食店としては狙いやすい集客ターゲットと考えられます。

 

肉・魚は食べない!絶対草食主義者のビーガン

ベジタリアンよりも徹底した絶対草食主義者、「ビーガン」。

ビーガンの人々は、動物愛護の観点から生き物に苦しみを与えることを嫌い、動物の肉はもちろん、卵や乳製品を食べません。そして毛皮などが使われる製品を身につけることも避けます。

ビーガンの人が食べないもの
・肉、魚
・卵、バターや牛乳などの乳製品
・はちみつ
・ゼラチンなど、動物由来の成分を使ったもの
……など


肉や魚を食べないビーガンに向けたメニューを考えるのは、少し難しいかもしれません。「でもサラダだけだと、飲食店のメニューとしては味気ない……」と思う方は、ビーガン向けの食材を使ってみてはいかがでしょうか? 大豆で作られたお肉、大豆ミートなど、さまざまな食材が開発されています。

※参考サイト 菜食食材ショップ「かるなぁ」

 

イスラム教徒にも配慮を!ハラルフードについて

ベジタリアンやビーガンとは背景が変わってきますが、イスラム教徒に関することも知っておきましょう。

日本では馴染みが薄いイスラム教ですが、世界的に見るとキリスト教に次いで信仰者の多い宗教。

イスラム教徒には、宗教上の理由で禁止されている食材があります。ベジタリアン/ビーガンのように“食べない”のではなく、 “食べられない”のです。

たとえば、イスラム教徒は豚を食べたり、お酒を飲んだりすることが禁止されています。

また、地域や宗派によって多少の差はあるものの、「豚を食べないことはもちろん、それらのエキスなども口にしない」「屠殺はムスリムが行うこと」「血を食すことができないので、完全な血抜きが必要」「輸送時には豚が同乗してはならない」など、多くの決まりごとも……。

そうした戒律の中で食べられるものを、「ハラルフード」と呼びます。

イスラム教徒にも対応できれば良いですが、日本では欠かせない酒・みりん・醤油(保存料としてアルコールが添加されることあり)も使えず、材料の仕入れにも注意を払わなければならないため、できる調理方法やメニューは限られてきます。

ですが、ビーガンと同じく、イスラム教徒用のハラルフードを使えば、メニュー考案は不可能ではありません。通販サイトなどを参考に、いろいろ考えてみましょう。

※参考サイト ハラルフード専門店「SaidShop」

※もっと詳しく知りたい方はこちら→【事例付き】「ハラルフード」についてホテルや飲食店が知っておくべきこと

 

グローバルな時代だからこそ、多くのお客様に愛されるお店作りを

昨今の日本では、訪日旅行客だけではなく、海外から移住する人も増えてきています。

これまでは、ベジタリアン/ビーガンなど多様な食文化への意識が低かった日本。今後グローバル化が進み、国籍や宗教などさまざまな文化が増えれば、飲食店が提供する食事にもますます多様性が求められてくるでしょう。

さまざまな文化や宗教を正しく理解し、どんな方でも楽しめるように、柔軟に対応できる体制を作る。そうすれば、たくさんのお客様に喜ばれるお店に変身することができるはずです。

より多くの人に愛されるお店を目指していきましょう!
 

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